阿波九城(あわくじょう)は、阿波徳島藩(現在の徳島県)の藩祖である蜂須賀家政が設けた9つの支の総称である。

歴史編集

天正13年(1585年)、蜂須賀家政が阿波国に入国した際に阿波国内にあった既存の9つの中世城郭を改修し「阿波九城」と称する支城として整備した。各城代には蜂須賀家より兵があてがわれ、郡奉行も兼ねていた[1]

慶長20年(1615年)の一国一城令により、寛政15年(1638年)、阿波九城は廃城となったが、徹底的な破却は行なわれなかった。これは一揆などの有事の際に再利用する目的であったとする説がある[2]

阿波九城の一覧編集

入国当時の城番[3]
一宮城 益田一正
撫養城 益田正忠
西条城 森監物
川島城 林能勝
大西城 牛田一長
海部城 中村重友
牛岐城 賀島政慶
脇城 稲田植元
仁宇城 山田宗重

脚注編集

  1. ^ 福永2007, p.39
  2. ^ 福永2007, p.52
  3. ^ 「阿淡年表秘録」瑞雲院殿 天正十三年

参考文献編集

  • 福永素久「阿波国蜂須賀氏の支城「阿波九城」について」『史学論叢.37』pp.37-59、2007年 pdf2014年8月20日閲覧