高橋 葉介(たかはし ようすけ、1956年(昭和31年)3月15日[3] - )は、日本漫画家[3]漫画原作者。本名 高橋庸介[3]。代表作に怪奇幻想マンガ『夢幻紳士』シリーズや学園ホラーマンガ『学校怪談』や『もののけ草紙』などがある[2]

たかはし ようすけ
高橋 葉介
本名 高橋 庸介たかはし ようすけ
生誕 (1956-03-15) 1956年3月15日(66歳)
日本長野県
活動期間 1977年 -
ジャンル ホラー漫画
冒険活劇
ブラックジョーク
ラブコメディ
代表作夢幻紳士』シリーズ[1]
学校怪談[1]
もののけ草紙[1]
『怪盗ミルク』[2]
公式サイト blog.livedoor.jp/planet_of_blackness/
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経歴・作風編集

母の実家のある長野県で出生し、幼少期は東京都青梅市で育ち、建築業の父とともに、武蔵野市武蔵境豊島区池袋神奈川県相模原市に移る。小学生の頃からマンガを描き始め[4]、高校時代から集英社小学館に投稿を始める[5]

駒澤大学時代に水野流転が主宰する同人誌『楽書館』に参加[5]秋田書店の『少年チャンピオン』編集部にストーリー漫画を書いて持ち込んだが、担当編集者の綿引勝美が辞めたため[6]朝日ソノラマに『無題』『ここに愛の手を』を持ち込み、担当編集者の原田利康に認められ、1977年大学4年の時に『マンガ少年』8月号掲載の「江帆波えほば博士の診療室」でデビュー[7]。その後は同誌に多く作品を発表する。

デビュー当時は毛筆とGペンを併用した特徴的な線と絵柄で知られ、『マンガ少年』に連載中はそのスタイルを通していた[3]が、『マンガ少年』休刊後は意識的に作風を変えていった[8]1980年前後には漫画界のニューウェーブの旗手と目され[9]従来の少年漫画少女漫画の影響を受けつつ、それらのいずれとも異なる独特な表現で漫画ファンの注目を集めた[要出典]

作品は、基本的に猟奇要素の強い幻想怪奇漫画が多いが、「明朗怪奇」(吾妻ひでお[3])とも言われ、シニカルなブラックジョーク、コメディ、冒険活劇など多岐にわたる。独特なグロテスク描写について米澤嘉博は、「筆、あるいはGペンのタッチの強弱を強調した独自のスタイルは、ぬめぬめとした光沢をもちながらもドライ」なことで生理的嫌悪感を生まず、「リアルさ、あるいは世界の中のリアリティを求めて動いてきたマンガとは逆のベクトルを持つ高橋のマンガは、あくまで絵を基調とした異世界として、形状の面白さを求めていく。」と評している[10]藤田和日郎も、高橋作品に強い影響を受けたと語っている[11]

『マンガ少年』休刊後は、後継誌『Duo』に初のラブコメ『真琴♥グッドバイ』を連載。筑紫女学園大学非常勤講師の竹内美帆は「高橋マンガ独特の線描を特徴づける筆ではなく、サインペンを主線に使用し、人物や背景も描き込みが少なくポップで明るい雰囲気を印章づけている」と解説している[12]。1983年からは『夢幻紳士』冒険活劇編を連載。次いで『メディウム』誌で1984年から『夢幻紳士』怪奇編、『ネムキ』で1992年から『夢幻外伝』を掲載、この作品はライフワーク的位置付けとなる[要出典]

荒俣宏帝都物語』映画化の第2弾『帝都大戦』公開の1989年にマンガ版『帝都物語』を書き下ろし。1995年からは「学校の怪談」ブームを背景に『週刊少年チャンピオン』で『学校怪談』を2000年まで連載。この登場人物達も夢幻一族の子孫という設定になっている。

2006年、近藤豪志の作画による『私は加護女かごめ』で初めて原作を手がける。

2005年、怪奇篇の流れを汲む『夢幻紳士』幻想篇を『ミステリマガジン』に連載し、幻想篇のカバー用にカラーを描く時からパステル調の淡いタッチの絵柄を使い始めた[13]。2007年に逢魔篇のスピンオフとなる『もののけ草紙』を『ホラーM』に連載。以降は早川書房ぶんか社での執筆が多くなっている。

2021年7月、『夢幻紳士』40周年を記念して、高橋初の画集『にぎやかな悪夢』を刊行[14]。その刊行と高橋のデビュー45周年を記念して、東京にあるリベストギャラリー創にて原画展が開催された[14][1]。2022年2月から福岡県にて、その巡回展が行われる[1]。同年8月、その凱旋展として行われた「デビュー45周年 高橋葉介原画展 〜『にぎやかな悪夢』(河出書房新社)出版記念〜」では、伊藤潤二とコラボレートし、作品が描きおろされている[15]

作品リスト編集

各巻の収録作品については高橋葉介ウヱブサイトの高橋葉介著作リスト[16][17]を参照。書誌情報に関しては穴沢 編 2021, pp. 331–366, 367–373を参照。

夢幻紳士シリーズ編集

学校怪談編集

KUROKO-黒衣-編集

もののけ草紙編集

怪談少年編集

短編集など編集

文庫・新装版編集

  • 腸詰工場の少女(1985年、ソフトカバー版、東京三世社ISBN 978-4-88570-481-9
  • 夢幻紳士 マンガ少年版(1985年7月25日、デュオ・セレクション 10、ソフトカバー版、朝日ソノラマ)ISBN 978-4-257-90062-7
  • 夢幻紳士 冒険活劇篇 1-7(1998年、スコラ漫画文庫、スコラ)ISBN 978-4-7962-0505-4
  • クレイジーピエロ(2001年7日、Paper comics、日本エディターズ)ISBN 978-4-930787-23-1
  • 手つなぎ鬼(2005年9月、ホラーMコミック文庫、ぶんか社)ISBN 978-4-8211-8201-5
  • 学校怪談 1-8(2006年 - 2008年、秋田文庫)ISBN 978-4-253-17782-5
  • 夢幻紳士 冒険活劇篇 1-5(2006年、ハヤカワコミック文庫、早川書房)ISBN 978-4-15-030844-5
  • 夢幻紳士 マンガ少年版(2006年12月、朝日ソノラマ文庫、朝日ソノラマ)ISBN 978-4-257-72401-8
    • 夢幻紳士 マンガ少年版(2007年10月、ソノラマコミック文庫 た48-1、朝日新聞社)ISBN 978-4-02-267025-0
  • 夢幻外伝 1・2(2007年、朝日ソノラマ文庫、朝日ソノラマ)ISBN 978-4-257-72407-0
    • 夢幻外伝 1・2(2007年10月、ソノラマコミック文庫 た48-2、朝日新聞社)ISBN 978-4-02-267026-7
  • 怪談 KWAIDAN(2007年3月、朝日ソノラマ文庫、朝日ソノラマ)ISBN 978-4-257-72419-3
    • 怪談 KWAIDAN(2007年10月、ソノラマコミック文庫 た48-4、朝日新聞社)ISBN 978-4-02-267028-1
  • 腹話術(2007年4月、朝日ソノラマ文庫、朝日ソノラマ)ISBN 978-4-257-72425-4
  • 我楽多街奇譚がらくたまちきたん(2007年5月、ソノラマコミック文庫、朝日ソノラマ)ISBN 978-4-257-72431-5
    • 我楽多街奇譚がらくたまちきたん(2007年10月、ソノラマコミック文庫 た48-6、朝日新聞社)ISBN 978-4-02-267030-4
  • 悪夢交渉人 ナイトメア・ネゴシエーター (2007年10月、ソノラマコミックス、朝日新聞社)ISBN 978-4-02-213028-0
  • 街童子まちわらし (2007年10月、ソノラマコミックス 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス、『ネムキ』連載、朝日新聞社)ISBN 978-4-02-213029-7
  • 夢幻紳士 怪奇編(2007年5月、ハヤカワコミック文庫)ISBN 978-4-15-030889-6

作品集編集

画集編集

  • 穴沢優子 編 『にぎやかな悪夢 Cheerful nightmare』倉田わたる 協力、河出書房新社、2021年7月20日。ISBN 978-4-309-72852-0  - 注釈:『夢幻紳士』40周年記念、初の画集。

漫画原作編集

アニメーション・キャラクター設定編集

OVA編集

  • 『夢幻紳士 ~冒険活劇編~』時間:49分(発売・販売元:ビクター音産{現・日本ビクター株式会社}:1987年:VHSビデオ:廃盤)
  • 『学校怪談 呪われた記憶』時間:90分(製作:吉本興業株式会社、丸紅株式会社:1998年9月:VHSビデオ:廃盤)

ドラマCD編集

  • 『学校怪談』(発売:バンダイ・ミュージックエンタテインメント:1997年5月:CD:廃盤)

映画編集

  • 『夢幻紳士 人形地獄』時間:90分(監督:海上ミサコ、製作:ミカタ・エンタテインメント/DCP:2018年)[18][19]

その他編集

  • 角川文庫 江戸川乱歩作品集 表紙・口絵(1987年)
  • 大槻ケンヂ「キラキラと輝くもの」(ユニバーサル・ミュージックジャパン)のCDジャケットイラストに上記の角川文庫版 江戸川乱歩著書「パノラマ島奇談」の表紙絵を流用している。
  • 妖怪ハンター アマビエ 対 王冠獣(コロナ)」(『諸星大二郎 デビュー50周年記念 トリビュート』収録[20][21]、2021年)

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e “高橋葉介の原画展が明日福岡でスタート、直筆のイラストコメントが到着”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年2月5日). https://natalie.mu/comic/news/464527 2022年2月5日閲覧。 
  2. ^ a b 諸星 ほか 2021, p. 43.
  3. ^ a b c d e 『Fusion Product 創刊号』ふゅーじょんぷろだくと、1981年7月。PP174-175。
  4. ^ 穴沢 編 2021, p. 189.
  5. ^ a b 穴沢 編 2021, p. 192.
  6. ^ 穴沢 編 2021, pp. 175f.
  7. ^ 穴沢 編 2021, pp. 176f.
  8. ^ 穴沢 編 2021, p. 28.
  9. ^ 穴沢 編 2021, p. 26.
  10. ^ 美術手帖』1982年11月号「二次元的見世物小屋-高橋葉介」
  11. ^ 穴沢 編 2013穴沢 編 2021, pp. 54–56
  12. ^ 穴沢 編 2021, p. 338.
  13. ^ 穴沢 編 2021, pp. 182f.
  14. ^ a b “「夢幻紳士」高橋葉介の初画集「にぎやかな悪夢」に300点以上収録、原画展も開催中”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月20日). https://natalie.mu/comic/news/437635 2021年7月20日閲覧。 
  15. ^ “高橋葉介と伊藤潤二のコラボ原画2作品を展示、「高橋葉介原画展」今日吉祥寺で開幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月3日). https://natalie.mu/comic/news/488046 2022年8月3日閲覧。 
  16. ^ 鈴木輝彦. “高橋葉介著作リスト(表紙画像アリ)”. 高橋葉介ウヱブサイト. 2021年9月4日閲覧。
  17. ^ 鈴木輝彦. “高橋葉介著作リスト(表紙画像ナシ)”. 高橋葉介ウヱブサイト. 2021年9月4日閲覧。
  18. ^ 映画「夢幻紳士 人形地獄」公式サイト”. 2021年9月11日閲覧。
  19. ^ 夢幻紳士 人形地獄”. JACK & BETTY CINEMAS. 2021年9月11日閲覧。
  20. ^ “浦沢直樹、萩尾望都、星野之宣、山岸凉子らが描き下ろし「諸星大二郎トリビュート」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年9月7日). https://natalie.mu/comic/news/444103 2021年9月7日閲覧。 
  21. ^ 諸星 ほか 2021, pp. 43–60.

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集