高砂(欧字名:Takasago生没年不詳)は、日本繁殖牝馬。品種は血統不詳(血統登録上はアラブとされる)であったにもかかわらず、サラブレッドアングロアラブとの交配によって構築された牝系が20世紀後半においても繁栄をみせた。

高砂
欧字表記 Takasago
品種 不明(血統登録上はアラブ
性別
毛色 芦毛
生誕 不明
死没 不明
不明
不明
生国 フランスの旗 フランス
競走成績
獲得賞金 不明
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概要 編集

1867年慶応3年)にフランスから日本へ輸入された。当時のフランス皇帝ナポレオン3世から徳川幕府の第14代家茂への贈られた馬の一頭である。

フランス側の資料[1]では、バルブ種とされている。馬の内訳を記した資料[2]で、葦毛の牝は1866年に4歳で幹(体高)1m47cmの無名の一頭だけである。

明治維新の混乱期に行方不明となるが、何頭かの馬を目撃したフランス公使の抗議を受けたことによる明治政府の捜索により所在が確認された。

高砂が出産した牝馬の吾妻[注釈 1]や第二高砂から続く牝系は、アングロアラブと交配された系統が日本のアングロアラブの6分の1を占めるといわれるほどの繁栄をみせ、エスケープハッチは高知競馬で南国王冠・高知市長賞3回など2008年平成20年)に引退するまでに54勝を記録した。またサラブレッド系種とされた子孫からも重賞優勝馬のセカイオーイナボレスエツザンコーナンルビーをはじめとする活躍馬が出ている。

産駒一覧 編集

馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績 主な成績 供用 出典
初仔 吾妻 1870年 栗毛 不明 繁殖
第2仔 第二高砂 1879年 芦毛 ブラドレー 繁殖
第3仔 第四ブラドレー 1882年 芦毛 ブラドレー

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 大町桂月の短編『三里塚の櫻』には、三里塚に「牝馬吾妻之塚」と題した木標があり、吾妻の死亡は明治9年で死後30年とある。同短編は大正5年のものと見られ、死後30年なら、吾妻の死亡は明治19年である。『三里塚の櫻』は青空文庫で閲覧できる。現在、塚は芝山に移築され、「名馬吾妻之塚」とした石碑があり、傍らに吾妻の死亡は明治29年とする説明文がある。

出典 編集

  1. ^ フランス国立図書館 Documents pour servir à l'historie des relations entre la France et Japon / le général Chanoine
  2. ^ 国立国会図書館『輸入種牛馬系統取調書』

外部リンク 編集