齋藤 陽道(さいとう はるみち、1983年9月3日 - )は、日本の男性写真家エッセイスト障害者プロレスラー

人物 編集

東京都出身。先天性感音性難聴を持って生まれる[1]中学校ろう学校ではなく一般の学校に通っていたが[2][3][4]、中学卒業後は東京都立石神井ろう学校(現・東京都立中央ろう学校)に進学[4][5]。卒業後、2年間の社会人生活を経て、大阪写真専門学校に入学するが中退[6]

2007年障害者プロレス団体「ドッグレッグス」に所属し、陽ノ道(ひのみち[7])のリングネームでプロレスラーとして活動[8]2009年には長らく無差別級世界王者の座を守ってきた鶴園誠からその座を奪った[9]。なお、2016年にその鶴園に判定負けし、再度王者の座を明け渡している[10]

2009年キヤノン写真新世紀飯沢耕太郎より佳作賞を受賞。2010年にキャノン写真新世紀で佐内正史より優秀賞を受賞。2014年日本写真協会新人賞を受賞[11]2019年に『感動、』で木村伊兵衛写真賞最終候補。

俳優・窪田正孝の写真集やバンド・Mr.ChildrenSEKAI NO OWARIクラムボン森山直太朗といったアーティストなどの写真[12]やPVなどの撮影の他、ろう者である自身の体験をつづったエッセイも発表している。妻の盛山麻奈美も齋藤と同じくろうの写真家である[13]。夫妻には二児がおり[12]、聴覚障害を持っていないCODAだが手話第一言語として育っている[6]

2020年には、齋藤が主演のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』がシアター・イメージフォーラム(渋谷)などで全国順次公開された[13][14]

2022年には、『おかあさんといっしょ』(NHK Eテレ)のエンディングテーマ「きんらきら ぽん」の作詞を担当した。同曲には、振り付けの一部に手話を取り入れられている[4]

著書 編集

エッセイ 編集

  • 『それでもそれでもそれでも』(2017年、ナナロク社ISBN 978-4904292754
  • 『声めぐり』(2018年、晶文社ISBN 978-4794970305
  • 『異なり記念日』(2018年、医学書院ISBN 978-4260036290

写真集 編集

その他 編集

出演 編集

テレビ番組 編集

映画 編集

脚注 編集

  1. ^ 齊藤陽道「声めぐり」 | レティシア書房 - 古書・ミニプレス&ギャラリー”. 2020年5月13日閲覧。
  2. ^ 平尾勇貴 (2019年1月30日). “ろう者の写真家・齋藤陽道が手話で語った少数者としての「生存戦略」”. withnews. https://withnews.jp/article/f0190130001qq000000000000000W09810801qq000018686A 2020年5月13日閲覧。 
  3. ^ 齋藤陽道(インタビュアー:林勝一 (東京都人権啓発センター))「写真を通して探す「声」 聞こえなくても伝わる「何か」もまた声」『TOKYO人権 第72号』、2016年11月28日http://www.zakzak.co.jp/gei/200905/g2009050818_all.html2020年5月13日閲覧 
  4. ^ a b c 福岡範行 (2022年9月23日). “おかあさんといっしょの曲「きんらきら ぽん」は手話の拍手? 60年超で初を実現した舞台裏”. 東京新聞 (中日新聞東京本社). https://www.tokyo-np.co.jp/article/203574 2024年1月23日閲覧。 
  5. ^ 齋藤陽道 | 著者”. SYNODOS -シノドス-. 2020年5月13日閲覧。
  6. ^ a b 千葉雄登. “「異なることがうれしい」 ろう者の写真家・齋藤陽道が「聴こえる」子どもを迎えて”. BuzzFeed. 2020年5月13日閲覧。
  7. ^ “誇り高く戦う、障害者レスラーたち 東京”. AFPBB News. (2011年11月11日). https://www.afpbb.com/articles/-/2839788 2020年5月13日閲覧。 
  8. ^ “音のない世界から「ありのまま」を撮る 「宝箱-齋藤陽道 写真展」 椹木野衣 (1/5ページ)”. SankeiBiz. (2013年12月25日). https://web.archive.org/web/20210926125741/https://www.sankeibiz.jp/express/news/131225/exg1312251731002-n1.htm 2020年5月13日閲覧。 
  9. ^ これが障害者プロレス ドッグレッグスだ!”. 別冊ミルホンネット (2009年8月21日). 2020年5月13日閲覧。
  10. ^ “障害者プロレス団体、25周年興行「不愉快でもいい」”. 朝日新聞. (2016年4月24日) 
  11. ^ 読売新聞 2023年2月21日 23面
  12. ^ a b 「"うた"は僕にとって、自然なものになりました」 写真家・齋藤陽道のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』、ファミリー4人で笑顔の初日舞台挨拶開催!”. Rooftop (2020年2月25日). 2020年5月13日閲覧。
  13. ^ a b ““ろう”の写真家・齋藤陽道のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』”. IMA ONLINE. (2020年2月3日). https://imaonline.jp/news/others/20200203/ 2020年5月13日閲覧。 
  14. ^ “映画『うたのはじまり』“ろう”の写真家・齋藤陽道が、嫌いだった「うた」に出会うまでのストーリー”. FASHION PRESS. (2019年11月25日). https://www.fashion-press.net/news/55915 2020年5月13日閲覧。 
  15. ^ 齋藤陽道がNHK Eテレ「ろうを生きる難聴を生きる」に出演します”. AKAAKA (2013年1月16日). 2020年5月13日閲覧。

外部リンク 編集