8番出口

日本のゲームタイトル

8番出口』(はちばんでぐち、英題:The Exit 8)は、2023年11月29日Steamにて配信が開始された、個人開発ウォーキングシミュレーター英語版[1][3][4]。2024年4月17日にはNintendo Switch版の配信が開始された[5]

8番出口
ジャンル ウォーキングシミュレーター英語版
対応機種 SteamMicrosoft Windows
Nintendo Switch
開発元 KOTAKE CREATE
発売元 Steam:KOTAKE CREATE
Switch:PLAYISM
バージョン Steam:1.0.5(2024年4月9日配信)
Switch:1.0.0(2024年4月17日配信)
人数 1人
メディア ダウンロード
発売日 Steam:2023年11月29日
Switch:2024年4月17日
必要環境

Steam版
OS:Windows 10
プロセッサー:intel Core i7 4770
メモリー:8GB RAM MB RAM
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX 970
DirectX:Version 11
ストレージ:2GBの空き容量

Switch版
必要容量:1.1GB
エンジン Unreal Engine 5[1]
売上本数 50万本(2024年4月時点)[2]
対応言語 日本語英語(Steam版)
日本語、英語、フランス語ドイツ語イタリア語スペイン語韓国語ポルトガル語中国語(Switch版)
テンプレートを表示

遊び方 編集

プレイヤーは、無限に続く地下通路に閉じ込められた状況の中、「8番出口」を目指して進んでいく。

地下通路は出口を案内する番号付きの壁掛け看板のある通路、ポスターやドアなどが並べられた長い通路、それらを結ぶ直角に曲がる通路、とL字状につながっている。長い通路の反対方向からは、中年男性がどこからともなく歩いてくる。

進む地下通路の中で怪奇現象(異変)が起きることがあり、異変を発見した場合は引き返して逆方向に進む、何も起きない場合は引き返さずにそのまま進む必要がある。正しく進めた場合は出口案内看板の番号が加算され、一つでも間違えると0番に戻る。8番になった後に異変の無い通路を引き当て、正しく進むことで出口の階段が出現する[注釈 1]。無事に出口階段を進んだ後には、未遭遇の異変の数(異変に気づいて引き返すことで遭遇と判定)を示す張り紙が掲示される2周目が開始される。

開発 編集

開発者のKOTAKE CREATE(以下:コタケクリエイト)は、数年前から別作品の開発を進めていたものの、公開したことは一度もなかったため、まずは簡単な作品を先に出そうと考え、数か月でできるゲームを考えたことが本作の開発のきっかけになったとGame*Sparkとのインタビューの中で振り返っている。コタケクリエイトはこれ以外のきっかけとして、地下通路の不気味さに魅了されたことと、ループもののゲームを作りたいと思ったこと、そして監視カメラで異常を見つける『I’m on Observation Duty』をプレイした際に間違い探しとホラーの相性の良さに気づいたことを挙げている。また、『I’m on Observation Duty』以外に影響を受けた作品として、コタケクリエイトは『P.T.』や『Twelve Minutes英語版』などのループ物や、『The Backrooms』『リミナルスペース』などを挙げている[6]

ただし、コタケクリエイトは『I’m on Observation Duty』と同じシステムにするのは避けたいという考えゆえに、ゲームシステムを思いつくのに苦労したとも話しており、ループする場所でも異常を探すことができそうだと気づいたことで現在の形となり、作業コストが減ったという利点もあったという。

モデルとなった駅について、コタケクリエイトは詳細な回答を控えているが、照明の配置がバラバラになる異変は東京都江東区清澄白河駅を参考にしたという[7]

2024年4月17日、Nintendo Switch版をリリースした[5]。Nintendo Switch版では発生する怪奇現象に異なる点が存在する。また、Steam版で既に対応している日本語英語に加えて、フランス語ドイツ語イタリア語スペイン語韓国語ポルトガル語中国語[注釈 2]にも対応した[8]

反響 編集

本作はSteamでの発売から1日で3万本超を売り上げ、インディーゲームとしては大きな反響を呼んだ[9]。中にはRTAにいそしむものも出てきた[10]。日本国外においても本作のプレイ動画を投稿する者も相次いだ[11]

また、プレイヤーキャラクターのファンアートが投稿されたほか、他作品[注釈 3]のキャラクターカスタマイズ機能による再現もあった[12]。一方で、供給対象外であるApp Storeに偽物が出てくる事態も起きた[13]。また、歩いて電車の異常がないかを確かめる『Station 5』など、似たような作品も出てくるようになった[14][15]

2024年4月12日、アース製薬は『8番出口』をパロディ[注釈 4]したモンダミンのWeb CMを制作した[18][19][20]

2024年4月、PC版の売り上げが50万本を超えたことをコタケクリエイトが明らかにした[5][8]

2024年4月19日、8番出口の公式グッズが発表され、ゲームセンター景品になっている[21]

続編 編集

8番出口の続編を開発していることが2023年12月31日に発表された。本作ではデザインツール『イラストAC』の素材を利用した架空広告が貼られていたが[22]、続編製作に伴い法人個人を対象に広告を募った[23][24]。2024年3月30日、コタケクリエイトより続編の「8番のりば」が発表された[25]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 異変のある通路を引き当てて引き返した場合、8番の状態のままやり直しとなる。
  2. ^ 簡体字繁体字
  3. ^ 例:『ソウルキャリバーVI
  4. ^ 当初、アース製薬は「コラボした新WebCM」と表現し、各メディアもコラボCMと報じていたが[16]、KOTAKE CREATEのコタケクリエイトが「正しくはパロディCMで、コラボした覚えは一切はありません」と声明を出し[17]、のちに表現が修正された。

出典 編集

  1. ^ a b リアルな地下通路に囚われた主人公が脱出を目指す短編ホラー「8番出口」が発売に。無限に続く世界に隠れた“変異”を見つけ出せ”. 4Gamer.net. Aetas (2023年11月30日). 2023年12月24日閲覧。
  2. ^ 『8番出口』Nintendo Switch版サプライズ発表、いきなり配信開始。地下通路の異変探しをSwitchでも遊べる”. AUTOMATON (2024年4月17日). 2024年4月17日閲覧。
  3. ^ 同じ光景が何度も何度もループする…… “無限に続く駅の地下通路”から脱出するPCゲームが「夢に出そう」と話題”. ねとらぼ. アイティメディア株式会社 (2023年11月6日). 2023年12月24日閲覧。
  4. ^ Switch版「8番出口」配信開始! 周囲をよく観察し“8番出口”を目指すウォーキングシミュレーター”. GAME Watch (2024年4月17日). 2024年4月17日閲覧。
  5. ^ a b c Switch版『8番出口』が本日(4/17)配信開始。異変を見つけて延々と続く地下通路から脱出せよ。PC版売上50万本超ホラームードの間違い探し。470円【インディーワールド】”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage (2023年4月17日). 2024年4月18日閲覧。
  6. ^ 一躍ミームに、話題の短編ホラー間違い探しシム『8番出口』地下通路以外が舞台の“続編”可能性も!?【開発者インタビュー】”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2023年12月11日). 2023年12月16日閲覧。
  7. ^ ゲーム『8番出口』にそっくりすぎる地下通路が発見され「かなり8番出口かも」と話題に。「もうここがモデルでは?」と作者に聞くと… Buzzfeed Japan(2023年12月28日)
  8. ^ a b 岡田有花 (2024年4月18日). “マジか! 人気ゲーム「8番出口」Switch版がいきなりリリース”. ITmedia NEWS. 2024年4月18日閲覧。
  9. ^ Kawase, Ayuo (2023年12月1日). “無限地下通路脱出ホラー『8番出口』発売から1日ですでに3万本以上を売り上げるヒット作に。個人開発作品としては異例の売れ行きに開発者も驚く”. AUTOMATON. 2023年12月16日閲覧。
  10. ^ Takenaka, Kosuke (2023年12月4日). “無限地下道ホラー『8番出口』、最速で出口を目指すRTAが盛り上がる。駅構内をカニ歩きで全力ダッシュ、80秒足らずで出口に至る者も”. AUTOMATON. 2023年12月19日閲覧。
  11. ^ 脱出系ホラーゲーム『8番出口』が海外でも大人気 | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2023年12月19日). 2023年12月19日閲覧。
  12. ^ Fujiwara, Hideaki (2023年12月15日). “地下道歩きホラー『8番出口』プレイヤーの“おじさん愛”が強まりイラスト化、格ゲーキャラ化など多彩な二次創作生まれる。物言わぬおじさんにガチ恋”. AUTOMATON. 2023年12月16日閲覧。
  13. ^ ホラーゲーム「8番出口」偽物がApp Storeに出現。制作者が注意喚起 製品版はSteamにてPC向けに配信中”. GAME Watch. 株式会社インプレス (2023年12月11日). 2023年12月16日閲覧。
  14. ^ 『8番出口』ジャンル化の兆しか?異常がないか観察して正しい電車に乗る『Station 5』Steamストア公開”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2023年12月16日). 2023年12月19日閲覧。
  15. ^ Yamanaka, Taijiro (2023年12月18日). “地下鉄駅脱出ゲーム『Station 5』発表、12月30日配信へ。地下鉄車内の“異常”を見極め5番駅への到達を目指す、『8番出口』風作品”. AUTOMATON. 2023年12月19日閲覧。
  16. ^ 或鷹「アース製薬と「8番出口」がコラボ。“お口クチュクチュ”しながら大量のおじさんが迫ってくる新CMを公開」『4Gamer.net』2024年4月12日。2024年4月13日閲覧
  17. ^ コタケクリエイト [@NOTOKEKE] (2024年4月13日). "先日公開された8番出口とアース製薬のモンダミンのコラボWebCMですが、 正しくはパロディCMで、コラボした覚えは一切はありません。 おそらく何らかの伝達ミスがあっただけだと思いますが・・・". X(旧Twitter)より2024年4月13日閲覧
  18. ^ 『8番出口』をパロディしたモンダミンのCMが公開。モンダミンを手におじさんが集団で迫る異変。ツインテールの個体もいる【訂正・追記あり】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com (2024年4月12日). 2024年4月13日閲覧。
  19. ^ 株式会社インプレス (2024年4月15日). “【やじうまPC Watch】 8番出口作者「モンダミンのWeb CMとはコラボしていない」”. PC Watch. 2024年4月15日閲覧。
  20. ^ Takenaka, Kosuke (2024年4月13日). “アース製薬が『8番出口』風“コラボCM”公開するも、開発者から「コラボしていない」と指摘受ける。修正前バージョンを出しちゃった様子”. AUTOMATON. 2024年4月15日閲覧。
  21. ^ Inc, Aetas. “「8番出口」初のプライズ景品が発表に。“出口8”や“防犯カメラ作動中!”をデザインしたキーホルダーとクッションが登場”. 4Gamer.net. 2024年4月30日閲覧。
  22. ^ KOTAKE CREATE開発ゲーム「8番出口」で弊社素材が使用されました!”. ACワークス株式会社 (2023年12月25日). 2024年2月22日閲覧。
  23. ^ Yamanaka, Taijiro (2023年12月31日). “地下道歩きホラー『8番出口』の続編が開発中であることが明らかに。ゲーム内に実在個人・法人の広告を無料で載せるとし、広告掲載希望者を募集へ”. AUTOMATON. 2024年1月31日閲覧。
  24. ^ 『8番出口』続編で使用されるゲーム内広告の募集が開始。公の場にあっても違和感のない広告、異変の作成が出来そうな広告などを募集”. ファミ通.com. 株式会社KADOKAWA Game Linkage (2024年2月22日). 2024年2月22日閲覧。
  25. ^ Yokoyama, Keiichi (2024年3月30日). “『8番出口』開発者続編『8番のりば』正式発表。異変を探しながら脱出を目指す、でも前作とはルールが違う模様”. AUTOMATON. 2024年4月2日閲覧。

外部リンク 編集