AFC U17アジアカップ: AFC U17 Asian Cup)は、アジアサッカー連盟(AFC)が主催する、17歳以下のナショナルチームによるサッカーの大陸選手権大会である。現在は2年に1度行われている。この大会はFIFA U-17ワールドカップのアジア予選を兼ねており、優勝チームおよび、上位の数チームが出場権を得る。

AFC U17アジアカップ
開始年 1985年
主催 AFC
地域 アジア
参加チーム数 16
前回優勝  日本(4回目)
最多優勝  日本(4回)
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概要 編集

この大会は、「アジアにおける若手プレーヤーの育成と強化を図るための国際大会の場を提供する」[1]ため、1985年AFC U-17選手権として創設された。

しかし、次の年に開催されるFIFA U-17世界選手権の予選を兼ねていたため、実際には16歳以下の選手が集う大会となっており、大会名とズレが生じていた。また国際サッカー連盟(FIFA)による大会の名称協定も反映させるため[1]ウズベキスタンで開催された2008年大会から現在のAFC U-16選手権に改称された。

2023年大会より、本大会開催年をFIFA U-17ワールドカップと同年とし、「アジアカップ」ブランドを向上させるために全てのAFC主催の大会に「アジアカップ」の名前をつけることに伴い、大会名をAFC U17アジアカップ: AFC U-17 Asian Cup)と改称した(出場資格もU-17となる)[2]。同大会でU-17サッカー日本代表が史上初となるアジア連覇を達成[3]

ちなみに、2023年大会までの19回において、開催国が優勝したことは1回もない。

年齢詐称問題 編集

この大会では、出場選手の年齢詐称疑惑がたびたび問題になる。アジアでは個人の生年月日が正確に登録されていない国も多く、体格や技術的に16歳の域を超えているように見える選手の存在がたびたび取り上げられた。そうした選手が、その後年齢制限のないA代表などに出てこないこと、A代表では好成績を上げていない国がたびたびこの大会では上位に進出することなども、そうした疑惑を補強することになった。現在AFCはMRIで骨年齢を測定するなどの方法で選手の実際の年齢を確認し、明らかな違反があった国には国際大会長期出場停止などの処分を科している。

一例として、AFC U-16選手権2008では、予選大会を突破した国のうちイラク北朝鮮タジキスタンの三国が選手の年齢詐称行為によって失格、本大会出場停止処分となった[4]。失格国には4000ドル罰金が科された。また、本大会開催中にもイエメンが年齢制限を越えた選手を起用したことが発覚。イエメンのグループリーグ2試合は0-3での敗退扱いとなった。また、グループリーグ最終戦は無効試合となった[5]

結果 編集

開催年 開催国 決勝戦 出場
国数
優勝 結果 準優勝
1 1985年   カタール   サウジアラビア 0-0 aet
(PK 4 - 3)
  カタール 7
2 1986年   カタール   韓国 0-0 aet
(PK 5 - 4)
  カタール 8
3 1988年   タイ   サウジアラビア 2 - 0   バーレーン 10
4 1990年   アラブ首長国連邦   カタール 2 - 0   アラブ首長国連邦 7
5 1992年   サウジアラビア   中華人民共和国 2 - 2 aet
(PK 8 - 7)
  カタール 8
6 1994年   カタール   日本 1 - 0 aet   カタール 10
7 1996年   タイ   オマーン 1 - 0   タイ 10
8 1998年   カタール   タイ 1 - 1 aet
(PK 3 - 2)
  カタール 10
9 2000年   ベトナム   オマーン 1 - 0   イラン 10
10 2002年   アラブ首長国連邦   韓国 1 - 1 aet
(PK 5 - 3)
  イエメン 10
11 2004年   日本   中華人民共和国 1 - 0   北朝鮮 16
12 2006年   シンガポール   日本 4 - 2 aet   北朝鮮 16
13 2008年   ウズベキスタン   イラン 2 - 1   韓国 16
14 2010年   ウズベキスタン   北朝鮮 2 - 0   ウズベキスタン 16
15 2012年   イラン   ウズベキスタン 1 - 1 aet
(PK 3 - 1)
  日本 16
16 2014年   タイ   北朝鮮 2 - 1   韓国 16
17 2016年   インド   イラク 0 - 0 aet
(PK 4 - 3)
  イラン 16
18 2018年   マレーシア   日本 1 - 0   タジキスタン 16
19 2023年   タイ   日本 3 - 0   韓国 16

統計 編集

代表 •別通算成績 編集

国・地域名
1   日本 4 1 5 10
2   韓国 2 3 2 7
3   北朝鮮 2 2 3 7
4   中華人民共和国 2 0 3 5
5   サウジアラビア 2 0 2 4
6   オマーン 2 0 1 3
7   カタール 1 5 1 7
8   イラン 1 2 3 6
9   ウズベキスタン 1 1 2 4
10   タイ 1 1 1 3
11   イラク 1 0 3 4
12   バーレーン 0 1 3 4
13   アラブ首長国連邦 0 1 1 2
14   タジキスタン 0 1 1 2
15   イエメン 0 1 0 1
16   オーストラリア 0 0 3 3
17   シリア 0 0 2 2
18   インドネシア 0 0 1 1
19   ベトナム 0 0 1 1
  • データは2023年大会終了時点
  • 太字は優勝経験のある国・地域で、太数字は最多記録
  • 国・地域名は現在の名称で統一した

優勝回数 編集

回数 国名
4回   日本 1994,2006,2018,2023
2回   サウジアラビア 1985,1988
  韓国 1986,2002
  中華人民共和国 1992,2004
  オマーン 1996,2000
  北朝鮮 2010,2014
1回   カタール 1990
  タイ 1998
  イラン 2008
  ウズベキスタン 2012
  イラク 2016

脚注 編集

  1. ^ a b AFC U-16選手権 大会情報”. アジアサッカー連盟. 2008年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月6日閲覧。
  2. ^ AFC Competitions Committee recommends changes to youth competitions”. アジアサッカー連盟 (2018年11月26日). 2019年11月6日閲覧。
  3. ^ 【Match Report】U-17日本代表が大会初となるアジア連覇。韓国に3-0で快勝飾る!”. 日本サッカー協会. 2023年7月3日閲覧。
  4. ^ 北朝鮮、イラクなどが失格スポーツナビ
  5. ^ 年齢制限の規定により、イエメンが失格に”. アジアサッカー連盟 (2008年10月12日). 2008年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月6日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集