ウルトラボックス
『ウルトラボックス』(ULTRABOX)は、ビクター音楽産業[1]から1990年から1992年にかけてほぼ季刊ペースで発売された、PCエンジンCD-ROM2用の史上初のCD-ROMを媒体としたディスクマガジン[2]。最終的に6号まで発売された。
ジャンル | CD-ROMマガジン |
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対応機種 | PCエンジン |
開発元 | ビクター音楽産業 |
発売元 | ビクター音楽産業 |
メディア | CD-ROM |
発売日 |
創刊号:1990年6月15日 2号:1990年9月28日 3号:1990年12月28日 4号:1991年5月24日 5号:1991年9月27日 6号:1992年1月31日 |
6号発売時にはSUPER CD-ROM2が既に発売されているが、本シリーズはすべてCD-ROM2向けに制作された。
主な連載企画
編集クスト
編集考古学者である主人公が発掘した古代遺跡で見つけたクリスタル。このクリスタルを巡って軍から狙われることになる。その手をかいくぐって古代文明の謎に迫ろうとするところで、突然現れたUFO。このクリスタルはいったい……。
2号から5号までに全4話、6号に総集編が収録された、アニメーションを売りとした連載アドベンチャーゲーム。6号発売時には既にSUPER CD-ROM2が発売されていたため、またアニメーションシーンになると少し動いてすぐ読み込みといった動作であったため、同プラットフォームでのリメイクを望む声もあった。
実用!? デート講座
編集創刊号と2号に掲載。当時のデートスポット紹介が主。小栗香織とデートしながら、原宿や渋谷の流行りの店の情報がわかるというもの[2]。創刊号は原宿、2号は横浜。
CLUB UB 「ロマンスをさがして」
編集3号から5号まで連載。「UBガールズ(高野美世、東野成子、水出千夏)」と銘打たれた女性3人組のうち、毎回1人が実写で登場する恋愛アドベンチャーゲーム。
ラッシャー木村の星に願いを!
編集創刊号から3号まで連載。星占いを軸とした、ラッシャー木村を起用したバラエティ企画[2]。
PCエンジンソフト図鑑
編集すべての号に連載。本作発売時のPCエンジンソフトをすべて網羅したソフト図鑑。一部は除くが、ソフトのジャケットの画像を参照できる(ソフトによっては、ゲーム画面の取り込み画像が使われている場合もある)。号によっては、発売が近いソフトのメーカーによる紹介コーナーも収録されている。『月刊PCエンジン』の遊楽専業団団長、江口貴博によるソフトへのレビューも寄せられていた。
ここで使用されていたシステムは後に改良されて、小学館から発行されたムック『PCエンジンCD-ROMカプセル』に「PCエンジンハイパーカタログ」として継承された(ちなみに、同ムックも6号で発行が終了している)。
じゃんじゃんボックス
編集読者参加コーナー[2]。『月刊PCエンジン』「遊楽画廊」の本作出張版ともいえる「遊楽画廊デジタル」、「突撃Q&A」、2コマや4コママンガを募集した「ギャグランド」などがあったが、最終的には「UB ART GALLERY」というイラスト掲載コーナーのみになり、「じゃんじゃんボックス」の名前も消えている。
仮面ビクター
編集創刊号から3号に掲載。当時流行していた仮面ライダーのパロディー『仮面ノリダー』の二次パロディー。タイトルは同じだが、ジャンルはそれぞれアクション・レース・シューティングと内容が異なっている。アクションは『ディスクステーション』(MSX版)4号に収録された「仮面ハラダー サム」と同じ内容。
どきどきシリーズ
編集4~6号に掲載。いわゆる脱衣ミニゲーム。ミニゲームをクリアすると、プレイヤーキャラの女の子が服を脱ぐ。カラスの糞などの障害物を避けながら女の子が縄跳びをする「どきどきなわとびランド」が4号、女の子がハードル走を走る「どきどきハードルランド」が5号、レースゲームの「どきどきドライブランド」が6号に収録されている。当時のPCエンジンゲームの倫理基準の柔軟さにより、乳首の描写がある。
各号の収録内容
編集創刊号
編集- 「HELP」:各ボタンの操作対応を音声で説明。
- 「赤い糸チェック」:星座別相性占い。
- 「気になるヒロイン」:当時の女性アイドル・タレントを、画像付きでプロフィール紹介。
- 「ホットゲームス」:開発中の新作ゲーム紹介。みつばち学園、ダウンロード、マジカルサウルスツアーの3本。
- 「仮面ビクター」:横スクロールアクション。
- 「世紀末逆玉開運馬主モノポリー」:競馬のウンチクをテーマに“いかに逆玉の輿を狙うか”という内容で展開されるデジタルコミック風ゲーム。
- 「星に願いを」:ラッシャー木村による音声解説付の星座占い。
- 「ジャンジャンボックス」:雑誌風の視聴者参加コーナー。投稿イラスト・投書の紹介や表彰など。
- 「PCエンジンソフト図鑑'90」:データベース式のPCエンジンソフトカタログ。
- 「あなたもキヨタ君」:念写がテーマ。Iボタンを連打してタイミングよくIIボタンを押す、というミニゲーム。
- 「ボムタウン・ストーリー」:登場人物が全員ワニの、オールドアメリカ風の酒場を舞台にしたデジタルコミック風ゲーム。
- 「UB64」:隣のボールを飛び越えて消していく、ペグソリティア・パズルゲーム。
- 「ちょっと英語ができたなら」:シチュエーションにあわせて英会話の選択肢を選んでいくアドベンチャーゲーム。
- 「実用デート講座」:デートをテーマにしたアドベンチャーゲーム。うまく進めると現実のデートでも使えそうなアドバイスがもらえる。
2号
編集- 「HELP」:創刊号と同様の操作説明。
- 「クスト」:各号連載型のデジタルアニメ。第1話。
- 「女子高校制服図鑑」:都内の女子高校の特色や制服をイラストで紹介。
- 「仮面ビクター2」:見下ろし型レースゲーム。
- 「だるまおとし」:だるまおとしのパズルゲーム。
- 「ジャンジャンボックス」:雑誌風の視聴者参加コーナー。投稿イラスト・投書の紹介や表彰など。
- 「実用デート講座」:横浜を舞台にした恋愛アドベンチャー。
- 「ラッシャー木村の星に願いを」:ラッシャー木村による星占いコーナー。押し相撲のミニゲーム付き。
- 「あなたもキヨタ君」:テレポート編。ゲーム内容は創刊号と同様。タイトル画面で右、左x5、下x2、上を押さないとゲームが始まらない。
- 「PCエンジンソフト図鑑'90」:データベース式のPCエンジンソフトカタログ。
- 「エンディング」:スタッフロール。
3号
編集創刊号、2号にあったオープニングムービーがなくなり、以降の号と共通のタイトル画面が採用された。
- 「HELP」:創刊号と同様の操作説明。
- 「クスト」:各号連載型のデジタルアニメ。第2話。
- 「Making of ドラヤキクエスト」:RPG製作の舞台裏を描いた、アドベンチャーゲーム。
- 「PRINCESS of PC-ENGINE」:PCエンジンゲームに登場するヒロインの紹介コーナー。
- 「タケシの桃色大冒険」:仮面ビクター3。敵キャラが女性だらけのシューティングゲーム。
- 「REVERSE3」:パネルの色を揃えるリバースパズルゲーム。
- 「ジャンジャンボックス」:雑誌風の視聴者参加コーナー。投稿イラスト・投書の紹介や表彰など。
- 「CLUB UB」:UBガールズの恋愛アドベンチャーゲーム「ロマンスをさがして」。UBガールズ3名の紹介もある。
- 「ラッシャー木村の星に願いを(お年玉付)」:ラッシャー木村による星占い。プロレスラーの人生ゲーム風すごろくもある。止まったマスに応じてイベントだけでなく、カードゲーム風のプロレス試合も起きる。
- 「あなたもきよたくん」:ディスコを舞台にしたサイコキネシス編。ゲーム内容は前2号と同じ。
- 「PCエンジンソフト図鑑 VOL3」:データベース式のPCエンジンソフトカタログ。インターフェースが一新された。
- 「編集後記」:スタッフロール。
4号
編集- 「フォネ」:ドラクエ・桃太郎伝説風のRPG。キャラ名や呪文にF1関連の名称が使われている。
- 「クスト」:各号連載型のデジタルアニメ。第3話。
- 「恋とけんかは江戸の華 栗太郎侍」:UBガールズの「ロマンスをさがして」シリーズ。時代劇風の恋愛アドベンチャーゲーム。
- 「PCエンジンソフト図鑑'91 VOL.4」:データベース式のPCエンジンソフトカタログ。
- 「どきどきなわとびランド」:どきどきシリーズ。タイミングよくボタンを押してなわとびするミニゲーム。
- 「信長の野郎」:戦国シミュレーション風の駒を使ったペグソリティア・パズルゲーム。
- 「あなたもきよたくん」:前号までの連射+タイミングゲームではなく、ジャングル内を舞台にした射的風ゲームになった。
- 「あなたが、きよたくん」:視聴者参加型コーナー。投稿ネタの紹介。
- 「遊楽画廊デジタル」:視聴者参加型コーナー。投稿イラストの紹介。
- 「UB GRANDPRIX」:投稿イラストの受賞作品紹介コーナー。
- 「UB INFORMATION」:UBクラブや、投書の投稿先紹介など。
- 「EDITOR'S POSTSCRIPT」:スタッフによるコメント付きの編集後記。
5号
編集メニューがすべて英字表記になっている。
- 「CUSTO 4」:クスト。各号連載型のデジタルアニメ。第4話(最終話)。
- 「CLUB UB」:UBガールズの「ロマンスをさがして」シリーズ。恋愛アドベンチャーゲーム。
- 「TRORO」:となりのトロロ。3号のドラヤキクエストと同様のゲームで、今回はアニメ製作の舞台裏を描いたアドベンチャーゲームとなっている。
- 「INTERACTIVE COMIC」:デジタルコミック。後藤ユタカを選ぶと恋愛系、衛藤ヒロユキを選ぶと“ゲームあるある”のストーリーを楽しめる。
- 「GAME SOFT」:PCエンジンソフト図鑑'91。データベース式のPCエンジンソフトカタログ。
- 「SPORTS」:どきどきハードルランド。どきどきシリーズ。ハードルをタイミングよくジャンプしていくミニゲーム。
- 「DASAIYAS」:ダサイヤス。ダライアスのパロディ。板前が主人公のシューティングゲーム。
- 「ART GALLERY UB」:視聴者参加型コーナー。投稿イラストの紹介。
- 「UB INFORMATION」:UBクラブの紹介。
6号
編集メニューがすべて英字表記になっている。
- 「JANGKEN & FAIRIES」:じゃんけん&フェアリーズ。じゃんけんを使って戦闘する、ドラクエ風のRPG。
- 「ALICE in FLAGLAND」:フラグの国のアリス。アドベンチャーゲーム。衛藤ヒロユキ。
- 「"HENAI" LECTURE」:水玉の恋愛模様講座。水玉雪之丞による恋愛アドベンチャーゲーム。
- 「DOKIDOKI DRIVELAND」:どきどきドライブランド。どきどきシリーズ。見下ろし型レースゲーム。
- 「CUSTO SPECIAL!」:クストの第1話から第4話までを視聴できる。途中セーブも可能。
- 「GAME SOFT」:PCエンジンソフト図鑑'92。データベース式のPCエンジンソフトカタログ。
- 「ART GALLERY UB」:視聴者参加型コーナー。投稿イラストの紹介。
- 「UB INFORMATION」:ウルトラボックス休刊のお知らせなど。
脚注
編集- ^ 現・ビクターエンタテインメント。ただしゲーム開発部門は事業譲渡を経てマーベラスエンターテイメントデジタルコンテンツカンパニー事業部。
- ^ a b c d 石井弘一「チャレンジ! PCエンジン」『マイコンBASICマガジン』1990年3月号(第9巻第3号)、電波新聞社、1990年3月1日、277頁。