Wikipedia:井戸端/subj/国名と首都の名称が同一の場合の記事名について

国名と首都の名称が同一の場合の記事名について 編集

クウェートの首都について、メキシコの首都が「メキシコシティ」であることなどの用例を挙げて「クウェート (市)」から「クウェートシティ」への改名を提案したところ(ノート)、反対意見が相次ぎ中には「そもそもメキシコシティの記事名が不適切である」との意見も出されたので、もう少し上位の問題としてこちらに議論を提起します。現在のところ国名と首都の名称が同一のケースは以下の8か国だと見られますが、記事名に関して統一された方針は存在しないようです。

en:Kuwait - en:Kuwait City
en:Singapore
en:Guatemala - en:Guatemala City
en:San Marino - en:City of San Marino
en:Vatican City
  • パナマ - パナマ市 ※英語で同名の「パナマシティ」は米国フロリダ州にもある
en:Panama - en:Panama City
en:Mexico - en:Mexico City
en:Luxembourg - en:Luxembourg (city)

論点は、主として以下の3点が挙げられます。

  • 分類カッコに「(市)」を用いることが適切か否か。「市」は日本、或いは韓国や中国などの行政単位であり、国によっては自治制度が日本の市町村のような行政単位に必ずしも適合しない場合もあるので、必ずしも行政区を意味しない普通名詞の「(都市)」の方が誤解が少ないのではないか。
  • 「City」は英語であるが、上記の8か国は(都市国家なので問題にならないシンガポールを除いて)英語を公用語としていないので「現地語+City」は(日本で通称として広く使用されている実態が存在するとしても)不適切ではないか。現地語優先に関する議論は(首都ではないが)アントウェルペン(日本では英語名で「アントワープ」と呼ばれることが多い)で大きな論争となった。
  • 日本の行政単位に準じて「○○市」とする場合でも「City」を付ける場合と問題が大きく変わらない可能性があるのではないか。例えば「メキシコシティ」は英語名で現地語に即していないから不適切だとするならば、日本で広く英語名が使用されている実態は二の次にしてスペイン語で「シウダ・デ・メヒコ」へ改名すべきか。

--江東琴会話2012年9月23日 (日) 04:04 (UTC)[返信]

一般的に中規模の行政区に言及するとき「○○市」とすることが多いですし、行政区と都市の範囲はまず一致しないので、「(都市)」は不都合が多いです。
また、こういうのは、無理に基準をでっちあげるのでなく、専門家の定めた基準、または、既存の慣習に従うべきです。既存、事典・辞書類を確認してみました。
  • 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版』(2008)では、「メキシコシティ(Mexico City) メキシコの首都。スペイン語ではシウダードメヒコCiudad de méxico(メヒコ市の意),日本では一般にメキシコシティー,あるいはメキシコ市と呼ばれる。」となっていました。国の項目でも、基礎データ部分で、「首都:メキシコシティ」となっていました。「クウェート」については、項目名は国と同じで、基礎データの首都名は「クウェート」。本文中でも「クウェート市」で、「クウェートシティ」は見当たりません。他の都市は、市項目と国項目の基礎データの首都名は「市なし」でした。
  • 『広辞苑 第6版』(2008)では、「メキシコ」の項で、「メキシコの首都。(中略)メキシコシティ」とあります。一方、「クウェート」では、クウェートの首都への言及で、「~シティ」表記はありません。
  • 『精選版 日本国語大辞典』(小学館、2006年)では「グアテマラシティ」「メキシコシティ」で説明があり、「パナマシティ」も「パナマ(共和国)」の首都の別名としています。「クウェート」は『広辞苑』と同様です。
以上のことから、「メキシコシティ」は日本語の地名として十分に実績のある語と考えられ、その出自を問題視するのはWikipediaではすべきでありません。また、「メキシコシティ」と「クウェートシティ」とを同等に扱うべきでないことも示唆されています。 --Yhiroyuki会話2012年9月23日 (日) 06:38 (UTC)[返信]
  感謝 ありがとうございました。いただいた情報を基に議論を再開します。 --江東琴会話2012年9月23日 (日) 07:52 (UTC)[返信]
  コメント終了済のようですが念のため。「記事名に関して統一された方針は存在しないようです」とありますが、Wikipedia:記事名の付け方に「日本語話者の大多数にとって、最も曖昧でなく、最も理解しやすいもの」とあります。つまりYhiroyukiさんご指摘の通り、「専門家の定めた基準、または、既存の慣習に従うべき」と思います。なお外務省でも首都名は「クウェート」[1]と「メキシコ・シティ」[2]でした(中黒有無は表記揺れ範囲と思います)。--Rabit gti会話2012年9月23日 (日) 08:15 (UTC)[返信]
まだ間に合いますでしょうか!「習慣」は、一般に、現地発音優先に変わっていると考えられます(たとえば、ベニスから(非常にタイプしづらい)「ヴェネツィア」へと)。しかし、ウィキペディアで率先して新しい例を作るのも問題がありそうですので、「メキシコシティ」は変えないことに賛成です。それ以外の首都は、「市」(括弧なし)をつけるのを基準とするという意見を以下に述べます。
  • ルクセンブルク (都市) ⇒ ルクセンブルク市 【理由】括弧をつけて注意書きするならば、ルクセンブルク(首都)のほうが誤解がないはずです。それに、(るくせんぶるくとし)とは絶対に読まない。しかし、ルクセンブルク市(-し)は実際に読まれるわけで、現地語の習慣にもそっているのですから、あえて(市)と括弧をつける必要もないと考えられます。また、「ホーチミン市」はすでについていますが、現地語で「中央直轄市」を考えるか、英語のシティとするか迷うのですが、日本語で「市」するのが通常なのです。
  • グアテマラシティ ⇒ グアテマラ市 【理由】「百科事典」でも、「グアテマラ【グアテマラ[市]】」となっていました。ですが(市)と括弧をつけない理由は同上。
  • クウェート(市) ⇒ クウェート市 【理由】括弧をはずす理由は同上。
  • パナマ市 ⇒ パナマ市 (首都) 【理由】「パナマシティ」との混乱を防ぐため。
  • バチカン ⇒ バチカン市国 【理由】「通称」のほうが記事名になっています。他言語でも多くは、バチカン+「市」や「国」を意味する言葉で書かれています。リダイヤルの基本は、通称の韓国⇒長いほう、北朝鮮⇒すごく長いほう、と考えられます。
提案以外で、
  • サンパウロ ⇒ サンパウロ市 【理由】サンパウロ州との曖昧さ回避。現地語でも英語でもない「市」である理由はすでに述べました。「メキシコシティ」は近くに強大な英語圏があるのも原因でしょうか。いつかメヒコ市になることを望みます。以上です。--Muzmuz会話2012年9月23日 (日) 08:55 (UTC)[返信]
  コメント ご意見ありがとうございます。個人的な感覚では、パナマ市やバチカン、サンパウロの記事名に関しては特に改名の必要は無いと思っています。パナマ市はフロリダ州のパナマシティが日本ではそれほど広く知られておらず「パナマシティ」と言えばパナマ共和国の首都を指す用例の方が多いので現状の通りリダイレクトタグを使えば誘導可能なこと、バチカンは国名が他の曖昧さ回避に抵触する場合(モンゴル国タイ王国マリ共和国など)に該当せず(「バチカン」と言えばローマ教皇庁を指す隠語など密接に関連するものを除き、バチカン市国以外を指すことはほぼ無い)、サンパウロの場合は国でなく「サンパウロ」と上級行政区を意味する「州」を冠している時点で曖昧さ回避が成立しているからです(ニューヨーク州ニューヨークの場合に同じ)。
  • サンパウロは英語版ではen:São Paulo (state) - en:São Paulo、スペイン語版ではes:Estado de São Paulo - es:São Paulo、ポルトガル語(現地公用語)版ではpt:São Paulo(州) - pt:São Paulo (cidade)と一定していない。
  • ニューヨークは英語版がen:New York(州) - en:New York Cityだが、日本で「ニューヨーク」と言うと後者を指し「state」を表す場合は「州」を付けるのが一般的でフランス語版やスペイン語版、中文版なども日本語版と同じ構造になっている。
  • なお、英語版を始め多くの他言語版は「東京都」と「東京都区部」を区別せずen:Tokyoとしているが、福岡県はen:Fukuoka Prefectureと「県」が付いている。福岡市はen:Fukuoka(政令指定都市でもen:Sakai, Osakaのように曖昧さ回避目的で都道府県名を付ける記事名の場合がある)。
日本・中国(香港・マカオは除く)・台湾・韓国・北朝鮮の自治体は行政区分の単位として「市」を付けるのに対し、それ以外の国では行政区分の制度の相違などもあり日本のような規模単位や自治体としての「市」が必ずしも適合しない事情もあり「市」を記事名に付けるのが不適当なケースもあるので、都市名の由来となった人名との曖昧さ回避で「市」を付けているホーチミン市と同様に結局はケースバイケースで対応するしか無いのではないでしょうか。 --江東琴会話2012年9月23日 (日) 22:10 (UTC)[返信]
  情報 上記以外に、モナコジブチも国名と首都の名称が同一のケースでした。モナコは都市国家なので問題ありませんがジブチは履歴を確認するとジブチ市ジブチ (市)の間で提案無しの改名が何度か繰り返されていました。 --江東琴会話2012年9月24日 (月) 01:13 (UTC)[返信]
江東琴様、  ありがとうございます「サンパウロ」の件はサンパウロ州を見落としまして失礼しました。また「バチカン」についても納得いたしました。  コメント「ルクセンブルク市」・「グアテマラ市」は改名提案を引き続き検討いたします。同様の理由で、「ジプチ市」へも検討いたします。「パナマ市」には、次の質問をさせていただきます。
  • 「『パナマシティ』と言えばパナマ共和国の首都を指す用例の方が多い」では、なぜ「パナマシティ (首都)」ではないのでしょうか。百科事典には「パナマ【パナマ[市]】」とありましたが、そのような辞書に合わせて「パナマ市」にするという理由ならば、同事典では「メキシコ【メキシコ[市]】」になっていました。
  • 用例が少ないパナマシティ (フロリダ州)は、カンザスシティ、オクラホマシティなどの英語圏の地名に合わせて「シティ」を使っていると考えられますが、他にもシティは乱用されがちで、シティ・オブ・ロンドンなど、「簡潔 - 短く、要点を突いているもの」・「片仮名語は基本的に用いず、格好悪いと思っても「できる限り」漢字・平仮名による表記を優先します」(Wikipedia:記事名の付け方)に抵触していると考えます。カタカナとの間の表記ゆれ(「グレーター・ロンドン」と「大ロンドン市長」)もあります。カタカナにしてしまうと「シティ・オブ・ロサンゼルス」の列車名みたいではないでしょうか。他言語版では朝鮮語も日本語と同様ですが、中国語とベトナム語は「ロンドン」・「ロンドン市」で区別しています。「ロンドン市 (地区)」を含めて別に議論する必要があると考えます。このように、フロリダのパナマシティが、今後パナマ市になる可能性を考えても、パナマ共和国では「パナマ市 (首都)」とすることを継続して主張させていただきます。
  • ソウル市がソウル特別市でなければいけないのは、たとえば、「光州」が曖昧さ回避のため「光州広域市」が必要、そのため、「首尾一貫している - 他の似たような記事においても、同じように使われているもの。」ということで、ソウルも正式名に、というようなことになっていると考えられます。
  • 以上からしますと、「『メキシコシティ』と言えばメキシコ合衆国の首都を指す用例が多い」、だが「『メキシコ市』にリダイレクトタグを使えば誘導可能なこと」ということができ、かつ、「クウェート市」と、拙案「ルクセンブルク市」・「グアテマラ市」・「パナマ市 (首都)」(あるいは(首都)がない現状でも)の提案が通れば、「メキシコ市」とすることが「首尾一貫している - 他の似たような記事においても、同じように使われているもの」といえるのではでしょうか。--Muzmuz会話2012年9月24日 (月) 01:48 (UTC)[返信]
  コメント まず、日本において英語の「メキシコシティ」が現地公用語に即した「シウダ・デ・メヒコ」より使用頻度の面で優位に立っているのは、1968年のオリンピック開催地であることが大きいと考えます(参考:JOC)。ただ、同様にオリンピック開催地でもアントウェルペンアントワープオリンピックは(恐らく、後者はJOCの表記を優先して)統一されていないのでメキシコシティオリンピックの項目名に関わらず「メキシコ市」ないし「メヒコ市」とするとの立場は取り得るでしょう。しかし、日本の外務省は「メキシコ・シティ」としているので「日本語の表記」に関して言えば「メキシコシティ」に優位性があるのは動かせないと思います。また、カンザスシティやオクラホマシティはスポーツチームの本拠地として日本でも知名度が高いこと、特にカンザスシティはカンザス州とミズーリ州にまたがっていて都心がミズーリ州側にあるなど複雑な事情を抱えているので単純に「カンザス市」としづらい事情があります。
もう一つ、アメリカの市の多くは「The city of ○○」が正式名称で、パナマシティの場合は「The City of Panama」でなく「The city of Panama City」、つまり「パナマ市」でなく「パナマシティ市」が正式名称なのです(市役所)。パナマの首都の方は「Ciudad de Panama」で直訳すれば「パナマ市」であり、外務省は「パナマシティー」としています。
最後にシティ・オブ・ロンドンですが、この地区は現地や金融業界において「The City」と略されることが多いので、むしろ「シティ」を含む現項目名の方が適切と言えるのではないかと思います。「グレーター・ロンドン」と「大ロンドン」の用語統一とは切り離して考えるべきでしょう。 --江東琴会話2012年9月24日 (月) 05:17 (UTC)[返信]
外務省に合わせるのであれば、首都は「クウェート」、「サンマリノ」、「グアテマラシティー」、「ルクセンブルク」ですね。ご提案の「クウェート市」より、現行の「クウェート(市)」のほうが正しいことになり、「サンマリノ市」も「サンマリノ(市)」に改名したほうがよろしいですね。--Muzmuz会話2012年9月24日 (月) 06:00 (UTC)[返信]
  コメント 外務省の表記を最優先すべきだなどとは最初から言っていません。何度も例に挙げているアントウェルペンも外務省は「アントワープ」と表記しており、飽くまでも複数の案が対立する場合の判断材料の一つとして考慮すべきだと言っているのです。 --江東琴会話2012年9月24日 (月) 06:46 (UTC)[返信]
はい、私も、外務省の表記を最優先とは思いませんし、やはりそうであって幸いです。ですので、ご提案の「クウェート市」は、一例としてアラビア語版でも市部分まで入れていますし、クウェートシティよりは賛成でした。そして、そうされるのなら、ルクセンブルク市、グアテマラ市もと思いましたが、自分は現段階で勉強不足でしたので提案はすべて取り下げさせていただきます。今回は、ルクセンブルク (都市)以外にも、「地名 (都市)」という方法は、次のような例があることを一部列挙するにとどめます(不要でしたら失敬)。所属する地域が同名または同名の地形などがあるものではマル (都市)カルス (都市)ハマー (都市)サムスン (都市)コロール (都市)コラ (都市)ルーガ (都市)など、今回とは無関係かもしれませんが、同名の地名は存在しないものでサライ (都市)テマ (都市)、また、「地名 (国名)」という例としてメス (フランス)ゴム (イラン)などもありました。この議論は大変勉強になり、楽しませていただいております。--Muzmuz会話2012年9月24日 (月) 11:52 (UTC)[返信]
  情報 念のために捕捉すると、外務省の海外安全ホームページで検索すると「クウェート市」や「パナマ市」「ジブチ市」の使用例も出て来ます。「サンマリノ市」は確認されませんが、これはサンマリノの面積・人口から(実態は異なるにせよ)単一の都市国家と同じような扱いを受けていることも無関係ではないでしょう。ルクセンブルクに関しては、過去に改名が議論された際は現地語の用例が確認されていないことを理由に見送られていました。 --江東琴会話2012年9月25日 (火) 00:05 (UTC)[返信]
  報告 クウェート市については改名を実行しました。ジブチ (市)についても近く改名提案する予定ですが、ルクセンブルクについては過去の議論で現地語の表現に関する情報が不足しているとの理由で見送られているので、現時点での改名提案は見送ります。 --江東琴会話2012年10月3日 (水) 11:07 (UTC)[返信]