グナエウス・コルネリウス・スキピオ・ヒスパッルス
グナエウス・コルネリウス・スキピオ・ヒスパッルス(Gnaeus Cornelius Scipio Hispallus 、- 紀元前176年)は、紀元前2世紀初頭の共和政ローマの政治家・軍人。紀元前176年に執政官(コンスル)を務めたが、任期中に没した。
グナエウス・コルネリウス・スキピオ・ヒスパッルス Cn. Cornelius Cn. f. L. n. Scipio Hispallus | |
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出生 | 不明 |
死没 | 紀元前176年 |
出身階級 | パトリキ |
氏族 | コルネリウス氏族 |
官職 |
法務官(紀元前179年) 執政官(紀元前176年) |
出自
編集ローマ筆頭の名門のひとつコルネリウス氏族のスキピオ家に生まれる。父は紀元前222年の執政官グナエウス・コルネリウス・スキピオ・カルウスで、第二次ポエニ戦争ではヒスパニアで戦い、戦死している。祖父は紀元前259年の執政官ルキウス・コルネリウス・スキピオ。紀元前191年の執政官プブリウス・コルネリウス・スキピオ・ナシカとは兄弟に当たる[1]。
経歴
編集ティトゥス・リウィウスは、紀元前199年に死去したガイウス・スルピキウス・ガルバに代わって、コルネリウス・スキピオが神祇官(ポンティフェクス)に就任したとしているが、これがスキピオ・ヒスパッルスのことと思われる[2][3]。紀元前179年にスキピオ・ヒスパッルスはプラエトル(法務官)に就任するが[4]、紀元前198年以来定員6人とされていたのが、この年は4人に減らされた[5]。くじ引きの結果、スキピオ・ヒスパッルスは外国人担当法務官となった[6]。紀元前180年のウィリス・アナリス法により、執政官は42歳以上と定められていがが、スキピオ・ヒスパッルスはこれを満たしていたため、紀元前177年末の執政官選挙にパトリキ(貴族)候補として立候補し、当選した。同僚のプレブス(平民)執政官はクィントゥス・ペティッリウス・スプリヌスであった[7][7]。
元老院は両執政官の担当地域はリグリアとピサとし、それぞれ新たに編成された2個ローマ軍団と騎兵300、アウクシリア(同盟軍)の歩兵1万と騎兵600を与えた。また、ピサ担当の執政官は、年末に選挙実施のためにローマに戻るように命じられた[8]。くじ引きの結果、スキピオ・ヒスパッルスがピサの担当となったが、出発することはなかった。アルバン山からの帰り道、馬から落ちて足が不自由になってしまったのだ。スキピオ・ヒスパッルスは治療のためクマエの温泉に行ったが、徐々に悪化しそこで死亡した[1]。遺体はローマに運ばれ、盛大な葬儀が執り行われた[9]。補充執政官の選挙が実施され、ガイウス・ウァレリウス・ラエウィヌスが選ばれた[7]。
家族
編集スキピオ・ヒスパッルスの墓から妻の名前が発見されており、パウラ・コルネリアであったことが分かっている[10]。紀元前139年の法務官グナエウス・コルネリウス・スキピオ・ヒスパッルスは二人の間の子供である[1]。
脚注
編集- ^ a b c Cornelius 346, 1900.
- ^ リウィウス『ローマ建国史』、XXXII, 7, 15.
- ^ Broughton, 1951 , p. 329.
- ^ Broughton, 1951 , p. 392.
- ^ リウィウス『ローマ建国史』、XL, 44, 2.
- ^ リウィウス『ローマ建国史』、XL, 44, 7.
- ^ a b c Broughton, 1951, p. 400.
- ^ リウィウス『ローマ建国史』、XLI, 14, 8-10.
- ^ リウィウス『ローマ建国史』、XLI, 16, 3-4.
- ^ Cornelius 445, 1900 .
参考資料
編集古代の資料
編集研究書
編集- Broughton R. Magistrates of the Roman Republic. - New York, 1951. - Vol. I. - P. 600.
- Münzer F. Cornelius 346 // Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft . - 1900. - Bd. VII. - Kol. 1492-1493.
- Münzer F. Cornelius 445 // Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft . - 1900. - Bd. VII. - Kol. 1600.
関連項目
編集公職 | ||
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先代 ガイウス・クラウディウス・プルケル ティベリウス・センプロニウス・グラックス・マイヨル |
執政官 同僚:クィントゥス・ペティッリウス・スプリヌス |
次代 プブリウス・ムキウス・スカエウォラ マルクス・アエミリウス・レピドゥス II |