ヴィック・ディッケンソン
ヴィック・ディッケンソン[注 1](Vic Dickenson、1906年8月6日 - 1984年11月16日)は、アメリカのジャズ・トロンボーン奏者[1]。そのキャリアは1920年代に始まり、カウント・ベイシー(1940年–1941年)、シドニー・ベシェ(1941年)、そしてアール・ハインズとの音楽的パートナーシップを通じて続いた。
ヴィック・ディッケンソン Vic Dickenson | |
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出生名 | Victor Dickenson |
生誕 | 1906年8月6日 |
出身地 | アメリカ合衆国 オハイオ州ジーニア |
死没 | 1984年11月16日(78歳没) |
ジャンル | ジャズ |
職業 | ミュージシャン |
担当楽器 | トロンボーン |
活動期間 | 1920年代 - 1980年代 |
共同作業者 | カウント・ベイシー、シドニー・ベシェ、アール・ハインズ |
略歴
編集1906年にオハイオ州ジーニアで生まれた[1]ディッケンソンは、父親のような左官職人になりたいと思っていたが、はしごから落ちて怪我をした後、その考えを断念した[2]。1922年からオルガンを学び、後に地元のバンドでトロンボーンを演奏するようになった。1930年12月、ルイス・ラッセルのバンドのボーカリストとしてレコーディング・デビュー[1]。1930年代初頭にブランシュ・キャロウェイのオーケストラに参加した。1947年から1950年代半ばまでは、東海岸と西海岸の両方で自分のグループを率いていた。
それ以来、彼はセッションマンを務めるようになった。1957年、カウント・ベイシー、コールマン・ホーキンス、ロイ・エルドリッジ、ジェリー・マリガン、ビリー・ホリデイと共にテレビ番組『The Sound of Jazz』に出演。また、ジミー・ラッシング (ヴァンガード・レコード)、コールマン・ホーキンス (キャピトルとプレスティッジ・レコード)、ピー・ウィー・ラッセル (ブラック・ライオン)、ベニー・カーター (ブルーバードとブラック&ブルー)、レスター・ヤング (ブルーノートとヴァーヴ)、カウント・ベイシー(コロムビアとパブロ)、シドニー・ベシェ(ブルーバード、ブラック&ブルー、ブルーノート)のサイドマンとしてレコーディングを行った。1953年、エドモンド・ホールをクラリネット、ルビー・ブラフをトランペットに迎え、ヴァンガードのために『ヴィック・ディッケンソン・ショウケース』をレコーディングした[1]。1958年、シドニー・ベシェは彼をフランスに来させ、ブリュッセルの博覧会でレコードを演奏させた。
ディッケンソンは、ニューヨークにあるルーズベルト・グリルのハウス・バンドである「The World's Greatest Jazz Band (世界最高のジャズ・バンド)」のメンバーを務めた[3]。また、トランペッターのボビー・ハケットと一緒に彼をフィーチャーした小さなグループで同じ会場にて演奏した[1]。
ディッケンソンは、トロンボーン奏者のミフ・モールを含むアート・ケインの写真「A Great Day in Harlem(ハーレムの素晴らしい日)」に写っている。
ディッケンソンは、1984年に癌のため78歳でニューヨークにて亡くなった[2]。
ディスコグラフィ
編集リーダー・アルバム
編集- 『ヴィック・ディッケンソン・ショウケース』 - Vic Dickenson Showcase, Vol. 1 (1953年、Vanguard)
- Vic Dickenson Showcase, Vol. 2 (1954年、Vanguard)
- 『ビック・ディッケンソン・セプテット VOL.1』 - Vic Dickenson Septet, Vol. 1 (1954年、Vanguard)
- 『ビック・ディッケンソン・セプテット VOL.2』 - Vic Dickenson Septet, Vol. 2 (1954年、Vanguard)
- 『ビック・ディッケンソン・セプテット VOL.3』 - Vic Dickenson Septet, Vol. 3 (1954年、Vanguard)
- 『ビック・ディッケンソン・セプテット VOL.4』 - Vic Dickenson Septet, Vol. 4 (1954年、Vanguard)
- 『ヴィックス・ボストン・ストーリー』 - Vic's Boston Story (1957年、Storyville)
- 『メインストリーム』 - Mainstream (1958年、Atlantic) ※with ジョー・トーマス
- 『ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル・オール・スターズ』 - Newport Jazz Festival All Stars (1960年、Atlantic) ※with バック・クレイトン、ジョージ・ウェイン、ピー・ウィー・ラッセル、バド・フリーマン、チャンプ・ジョーンズ、ジェイク・ハナ
- In Holland (1974年、Riff)
- French Festival (Nice, France 1974) (1974年、Classic Jazz Music)
- 『ジェントルマン・オブ・ザ・トロンボーン』 - Gentleman of the Trombone (1975年、Storyville)
- Vic Dickenson Quintet (1976年、SLP)
- 『ベッシー・スミスに捧ぐ』 - Plays Bessie Smith: Trombone Cholly (1976年、Gazell)
- 『ウィズ・エディ・ロック・アンド・フレンズ』 - Roy Eldridge & Vic Dickenson With Eddie Locke & His Friends (1978年、Storyville) ※with ロイ・エルドリッジ
- New York Axis: Phil Wilson & Vic Dickenson (1980年、Famous Door)
- Just Friends (1985年、Sackville)
- Live at Music Room (1996年、Valley Vue)
- Backstage with Bobby Hackett: Milwaukee 1951 (2000年、Jasmine)
- Swing That Music (2002年、Black & Blue)[4]
参加アルバム
編集- 『オール・アバウト・メンフィス』 - All About Memphis (1958年、Felsted)
- Coleman Hawkins All Stars (1960年、Swingville) ※with ジョー・トーマス
- 『ブルース・ア・プレンティ』 - Blues-a-Plenty (1958年、Verve)
- Swing Time! (1963年、Swingville) ※with バッド・ジョンソン
- Weary Blues (1959年、MGM)
- 『ブルース・ア・ラ・モード』 - Blues a la Mode (1958年、Felsted)
- 『メイン・マン』 - The Main Man (1977年、Pablo)
- Things Ain't What They Used to Be (1961年、Swingville)
- 『ボーンズ・フォー・ザ・キング』 - Bones for the King (1958年、Felsted)
- Trombone Four-in-Hand (1959年、Felsted)
- 『カウント・ベイシーズの夜』 - A Night at Count Basie's (1956年、Vanguard)
- 『ジャズ・ジャイアンツ'56』 - The Jazz Giants '56 (1956年、Verve)
脚注
編集注釈
編集- ^ 「ヴィク・ディッケンソン」「ビック・ディッケンソン」の表記もある。
出典
編集- ^ a b c d e Colin Larkin, ed (2002). The Virgin Encyclopedia of Fifties Music (Third ed.). Virgin Books. p. 106. ISBN 1-85227-937-0
- ^ a b John S. Wilson, "Vic Dickenson, a trombonist with Basie band in 40's, dies", The New York Times, November 18, 1984.
- ^ Scott Yanow, "World's Greatest Jazz Band — Live" (review), AllMusic.
- ^ “Vic Dickenson | Album Discography | AllMusic”. AllMusic. June 27, 2017閲覧。