杉山直治郎
杉山 直治郎(すぎやま なおじろう、1878年(明治11年)1月29日 - 1966年(昭和41年)2月15日)は、日本の法学者。専門は比較法学、フランス法。東京帝国大学法学部教授、日本学士院会員などを歴任した。
経歴
編集1878年(明治11年)、東京府平民杉山勘蔵・かねの長男として、東京市下谷区にて生まれる[1][2]。私立小学校、中学校を経て、1899年(明治32年)に第一高等学校を卒業。同年、東京帝国大学法科大学仏法科に入学し、1903年(明治36年)に卒業、法学士の称号を得る。同年、同大学院に進み、翌年には学習院教授として民法、ローマ法を講じる傍ら、法政大学、早稲田大学、明治大学、日本大学で講師として教壇に立つ。1905年(明治38年)には文部省から海外留学を命じられ、フランス・パリ大学、スイス・ベルン大学、ドイツ・ベルリン大学で民法、商法の研究を行い、1908年(明治41年)に帰国。帰国後直ちに長崎高等商業学校(現・長崎大学経済学部)教授に就任し、1913年(大正2年)に辞職。同年には東京帝国大学法科大学講師としてフランス法を講じ、翌1914年(大正3年)に同助教授、1915年(大正4年)には同教授(仏蘭西法講座担当)に昇任し、1938年(昭和13年)の定年まで在職した。この間1916年(大正5年)には文部大臣から法学博士の学位を授与された(東京帝国大学総長推薦、第1126号)。退官後、1938年に東京帝国大学名誉教授となり、1939年(昭和14年)に帝国学士院会員に選出された[3][4]。1966年(昭和41年)2月15日、肺炎のため静岡県伊東市の自宅で死去。88歳没[5]。
著書
編集- "Ma mission en France, 1934; conférences et allocutions", 1938, Maison franco-japonaise
- 『契約法則より観たる九国条約の効力』(1939年、岩波書店)
- 『法源と解釈』(1957年、有斐閣)
- 『温泉権概論』(北條浩、上村正名、宮平真弥編、2005年、御茶の水書房)
編著
編集- 『富井先生還暦祝賀法律論文集』(1918年、有斐閣書房)
- 『富井男爵追悼集』(1936年、日仏会館)
訳書
編集- アンリ・カピタン『仏蘭西民法の変遷』(1932年、梓書房)
- 『仏蘭西法諺』(1951年、日本比較法研究所)
栄典・称号
編集- 法学博士(1916年)
- レジオン・ドヌール勲章オフィシエ(1922年)
- パリ大学名誉博士(1932年)
- 勲二等瑞宝章(1933年)
- リヨン大学名誉博士(1933年)
- レジオン・ドヌール勲章コマンドゥール(1934年)
- ボルドー大学名誉博士(1934年)
- 正三位(1938年)
出典[3]
脚注
編集- ^ 『人事興信録 第4版』人事興信社、1915年1月、す21頁。
- ^ “杉山直治郎 ブリタニカ国際大百科事典”. コトバンク. Britannica Japan. 2023年6月16日閲覧。
- ^ a b Mélanges juridiques dédiés à M. le Professeur Sugiyama. Association Japonaise des Juristes de Langue Française ; Maison Franco-Japonaise. (1940). pp. v-vii
- ^ 『大日本博士録 第壹卷』発展社、1921年、184-185頁。
- ^ 『読売新聞』 東京本社版1966年2月16日付朝刊15面