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かつて神だった獣たちへ』(かつてかみだったけものたちへ)は、めいびいによる日本漫画。『別冊少年マガジン』(講談社)にて、2014年7月号から連載中[1]。おもな略称は『かつ神[2]

かつて神だった獣たちへ
ジャンル ダーク・ファンタジー
漫画
作者 めいびい
出版社 講談社
掲載誌 別冊少年マガジン
レーベル 講談社コミックス
発表号 2014年7月号 -
発表期間 2014年6月9日 -
巻数 既刊9巻(2019年2月8日現在)
アニメ
原作 めいびい
監督 宍戸淳
シリーズ構成 村越繁
キャラクターデザイン 新沼大祐
音楽 池頼広
アニメーション制作 MAPPA
放送局 TOKYO MXほか
放送期間 2019年7月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

目次

あらすじ編集

第1話 - 第11話
パトリア大陸で勃発した北部パトリアユニオン南部パトリア連合の10年にわたる内戦が、パトリアユニオンの投入した異形の兵士擬神兵によって和平に至ってから5年後の世界。神として凱旋した擬神兵たちは、圧倒的すぎる力ゆえに次第に「獣」と蔑まれるようになり、それに違わぬ事件を各地で起こすようになる。
かつて擬神兵ウェアウルフとして擬神兵部隊を指揮していたハンク・ヘンリエットは、「人の心を無くした者は仲間の手で葬る」とする部隊内の取り決めに従い、そのような戦友たちを抹殺する「獣狩り」として旅を続けていた。擬神兵だった父をハンクに殺された少女ナンシー・シャール・バンクロフトは、父の死の意味を知るために仇であるハンクの旅に同行することとなり、擬神兵の生みの親であるエレイン・ブルーレークによって擬神兵が戦時中に殺される運命であったことや、それを妨害し戦後の世界に擬神兵を解き放ったケイン・マッドハウスの存在を知る。ハンクは、サポート役のライザ・ルネキャッスルが入手した情報を頼って遂にケインと邂逅するが、ケインは擬神兵たちが自由に生きる世界を作ることを宣言。彼の策略に嵌められたハンクは獣としての本能を解放され、町を破壊してしまう。
第12話 - 第21話
「ホワイトチャーチの惨劇」と名付けられたハンクの暴走から1年後。ケインは擬神兵や戦後の情勢に不満を抱く人々を扇動し、大陸西部に自由国家新パトリアを建国。束の間の平和は破られ、大陸には戦争の機運が再び高まる。シャールはライザとともに、クロード・ウィザースが指揮する擬神兵討伐部隊クーデグラースに身を寄せ、孤独に擬神兵を狩り続けるハンクの行方を追うこととなる。雪山でシャールと再会したハンクは、度重なる戦いで命を投げ捨てる状態まで疲弊していたが、シャールの必死の説得によってケインを仕留める覚悟を新たにし、一時的にクーデグラースと行動をともにすることとなる。
第22話 - 第30話
勢力を拡大する新パトリアの国土侵攻に備え、パトリアユニオンは西部開拓の拠点であるボルドクリーク要塞を攻め落とすことを決定する。要塞で確認された擬神兵討伐の任を帯びたクーデグラースも現地に派遣されるが、やがて前線部隊とともに戦闘に参加することとなる。戦いは、ハンクたちの奮闘と新兵器の力によってパトリアユニオン側の勝利となるが、擬神兵に操られた町人全員を射殺せざるを得ない状況に追い込まれる後味の苦い結果に終わる。その間に新パトリアは中立だったパトリア連合の首都の攻略に成功。ケインは劣勢に立たされたユニオンに脅迫まがいの和平を迫り、動きの制限されていた擬神兵たちが自由に行動できる状況を生み出す。
第31話 - 第47話
パトリアユニオン軍から退いたハンクは、ボルドクリークの人々を操っていた子供の擬神兵の正体やケインの狙いを知るため、擬神兵が生み出された地エコールを訪れる。そこでハンクは、ケインがエレインしか知らない擬神兵の製造技術を求めていること、子供の擬神兵ミリエリアがエレインの子供であることを知る。かつてエレインが擬神兵技術を確立するきっかけとなった「神の声」を聞いたシャールが不調を訴えたことでひとまず撤退したハンクは、シャールにエレインとの関係を話したのをきっかけに、エレインと助け合いながら生きた少年時代、教会に引き取られケインと邂逅した青年期、不条理な内戦で負傷し、偶然にも擬神兵となった経緯を打ち明ける。

登場人物編集

声の項はテレビアニメ版の声優

主要人物編集

ハンク・ヘンリエット / ウェアウルフ
声 - 小西克幸[3]
本作の主人公。元擬神兵部隊の隊長で、内戦後は特技曹長として暴走する擬神兵を狩る「獣狩り」として旅をしながら、ケインの行方を追っている。擬神兵部隊時の白いコートにフードを被った姿が特徴で、昼間は人間と変わらない姿をしているが、夜になると髪が白く染まり、膂力と敏捷性に優れた人狼の姿に変身できるようになる。戦闘時には捕鯨銛に似た槍先と折り畳み式のロッド、穂先の爆薬で構成される対擬神兵用の特注武器「ボンブランス」や、神殺しの弾丸を込めた拳銃を使う。
北南の中継地点に存在したブルーレークタウン出身。内戦で町が戦火に焼かれた際に両親を失い、自分の名前を含むそれ以前の記憶を一切喪失する。瓦礫に埋もれていたところをエレインに助けられ、以後は彼女と助け合いながら行動をともにする。エレインが牧師に引き取られると彼女の才能を開花させる目的で教会に入学。そこで出会ったケインと友情を結び、卒業後は彼の根回しで首都の軍学校に入校。数年後、前線で命を落とすような重傷を負ったことで擬神兵の被検体となり、エレインの手によって初の擬神兵となる。
ホワイトチャーチでシャールがケインに撃たれる姿を見て「ホワイトチャーチの悲劇」を引き起こした後は、単独で擬神兵たちを狩り続ける。隠遁生活のなかで、本能のまま暴れる獣と化すのを恐れるようになるが、再会したシャールに生き続けるように諭されたことで、ケインたちを止める決意を新たにし、一時的にクーデグラースに所属する。ボルドクリーク要塞攻略後は軍属でいることが行動の妨げになると感じて軍を退役し、シャールとともに擬神兵にまつわる謎とケインの行方を探る。
ナンシー・シャール・バンクロフト
声 - 加隈亜衣[3]
本作のヒロイン。擬神兵であった父の仇をとるために、ハンクを負っていた少女。清楚な洋装と腰まで届く三つ編みが特徴。普段は穏やかで年相応の立ち振る舞いを見せることが多いが、戦闘の際は父の形見の「象撃ち銃」を躊躇なく撃つ強気な一面を見せる。リヴレットウッド村の出身で、村では父とともに孤児院を切り盛りしていたが、父がニーズヘッグとして帰還後は経営が苦しくなり、村人からも差別的な扱いを受けた過去をもつ。
とある町でハンクと出会い本懐を遂げようとするが、ハンクが獣狩りをする姿を見たことで敵討ちを一旦保留し、父の死の真相やハンクたち擬神兵が断罪される存在か見極めるべく旅に付き従うこととなる。ホワイトチャーチでのケインたち擬神兵の決起の際にケインに撃たれるが、アラクネの糸による服を着用していたため生還。甦った父との交戦やこれまで出会った擬神兵たちの姿から考えを改め、再会したハンクに対して生き続けるよう諭し、獣に成り下がったら自分の手で殺すことを約束する。
エレイン・ブルーレーク
声 - 能登麻美子[3]
擬神兵の技術を作り出した本作のキーパーソンで、ハンクと深い仲にあった女性。
ブルーレークタウンを開拓した家の令嬢であり、町が戦火で焼失後、助け出した少年にハンクと名前を付け、共同生活を営むようになる。やがて、ほかの孤児たちをまとめ上げる才能に目を付けた牧師によってハンクごと教会に引き取られ、周囲を圧倒する閃きと才能を開花させる。教会を首席で卒業後は牧師の一存でソムニウムの研究に従事させられ、苦心の末に神の化石に触れたことでソムニウムの本質を理解し、強化兵士計画を立案。人体実験の末にハンクを擬神兵に改造することに成功し、さらに彼の適性を解明することで擬神兵部隊を誕生させた。一方で擬神兵が禁忌の存在であることも理解しており、製造技術を秘匿し続け、終戦後には擬神兵と関連技術を自らの命とともに葬ろうとする。しかしケインに銃撃され昏睡状態となり、新パトリアに身柄を保護される。

北部パトリアユニオン編集

ライザ・ルネキャッスル
声 - 日笠陽子[3]
パトリアユニオン軍情報局戦後処理部所属の少尉。本編開始の2年前からハンクをサポートする任を与えられ、単独行動の多いハンクを何かと気にかける姉御肌な性格。シャールやクロードと面識をもってからは、無茶をしがちな彼らの面倒も見るようになる。ハンクの退役後は危険を承知の上で、情報局にも残されていない擬神兵の秘密に迫る。
クロード・ウィザース
声 - 石川界人[3]
パトリアユニオン軍の若き少佐で、クーデグラースの隊長。レイチャードと開拓時代から続く名門ローズ家出身の後妻の間に産まれた子で、ケインの異母弟にあたる。
その生い立ちから、人々を脅かす獣と化した擬神兵の討伐に人一倍の使命感をもち、特に国を捨てた兄に対しては並々ならぬ感情を抱いている。しかし新パトリアとの戦いを経験するうちに綺麗事だけでは済まない戦争の現実に直面し、ケインの後手に回り続ける現状に苦悩する。
ジェラルド・コラーニ
クーデグラースでクロードを補佐する軍曹。実戦経験豊富な老兵で、クロードを陰ひなたに支える。
マーティン・ウォール
北部最前線で、ボルドクリーク要塞攻略を担当する大佐。内戦時に武勲を立てた英雄で、ハンクの正体に気づくなど感も鋭い。アルファルドを使用し、味方諸共ケンタウロスの無力化に成功するが、直後に乗り込んできたケインによって殺害される。
レイチャード・ウィザース
パトリアユニオンの大統領。現在の地位に上り詰めるため、ケインの母である前妻を戦地へ慰問に向かわせ死亡させたことから、ケインが離反する一因となっている。大統領になった後も国の未来を第一に考え、最大利益のために国民や国土を犠牲にする政策をとることから、クロードに反感を抱かれている。
牧師(ぼくし)
誠教会ヴェリテ派の牧師。教会出身者からは先生と呼ばれ、一介の聖職者ながら将軍やレイチャードとつながりをもつ。
ヴェリテ派の教義を証明し、真理へ到達することを至上命題としており、エレインに神の化石から聞こえる「神の声」を解明させ、擬神兵を誕生させる形で一つの成果を得る。

擬神兵編集

新パトリアの擬神兵編集

ケイン・マッドハウス / ヴァンパイア
声 - 中村悠一[3]
元擬神兵部隊の副隊長。内戦終結間近、擬神兵の抹殺を決めたエレインに与するように見せかけて彼女を銃撃し、擬神兵たちが獣と呼ばれる状況を作ったことから、ハンクの捜索対象となっている。人と変わらぬ姿をしているが、どれだけ致命傷を負っても瞬く間に回復する驚異的な再生力や人を操る能力、影に溶け込み瞬間移動する能力をもつ。
レイチャードの子息であり、幼少期に教会で出会ったハンクと交友を結び、エレインに対して淡い想いを抱く。教会卒業後は父の駒として動くことを強いられ、次第に自由を渇望するようになり、エレインが擬神兵製造に携わっていることを知ると自ら志願して擬神兵となった。
擬神兵たちが獣と化す理由が心の喪失ではなく、人間たちによって歪められるからと考え、新パトリアを組織し、擬神兵たちが自由に生きられる世界の創造を目指す。同時にエレインしか知り得ない擬神兵の製造技術を再現しようとしている。
エリザベス・ウィザー / アラクネ
声 - 坂本真綾[3]
下半身が巨大な蜘蛛と化した女の擬神兵。丈夫な糸を生み出すことができる。ケインと行動をともにしており、彼のためならどんな行動も厭わない覚悟をしている。
ミリエリア
声 - 市ノ瀬加那[3]
ケインとともに行動する少女。ケインやエリザベスに懐いている。その正体はエレインが身籠っていた子供であり、ケインによってエコールにて誕生した擬神兵核をもたない擬神兵。ケイン同様死者を操る能力をもつ。
ロイ / ガルム
新パトリア組織後、内戦時代の栄光を求め、ケインの側についた擬神兵。ウェアウルフに酷似した漆黒の人狼の姿をしており、人型に戻る能力と引き換えに獣としての力が強化されている。内戦時は歩兵であり、銃弾の嵐から奇跡的に生還後、擬神兵となる。
ホワイトチャーチでの一件後、孤独に戦い続けていたハンクのもとに姿を現し、ケインの側につくよう諭すが、拒否されたことでハンクの抹殺を敢行。数日にわたる死闘の末、とどめをさすところまでハンクを追い詰めるが、そこに現れたジェラルドたちに妨害され、クーデグラースの捨て身の戦法によって重傷を負う。撤退後、ハンクとシャールの連携によって致命傷を負い、最期はハンクへの憧憬を語りながら死亡する。
マイルズ・バイロン / ケンタウロス
ケイン側についた半人半馬の擬神兵。飄飄とした性格の持ち主。俊足かつ狙撃の名手で、弓矢や槍を使用して拠点防衛や敵陣撹乱を担う。戦前は名の知れた医者で、感謝されることに生きがいを感じていたが、軍医として従軍し、治してもすぐ死んでいく兵士たちを見るうちに自分の医療行為に悩むようになり、ケンタウロスの力を得たのを機に敵味方問わず悲鳴を聞くのを好む歪んだ心をもつようになる。
ボルドクリーク要塞での攻防では、自身の能力を存分に発揮し北軍に大打撃を与えるが、ハンクの機転でぬかるんだ塹壕に落とされ機動力を喪失。撃ち込まれたアルファルド入りの弾丸によって苦痛を味わい、最後はハンクによって射殺される。

その他の擬神兵編集

ダニエル・プライス / スプリガン
ハンクとシャールが初めて出会った町に暮らす擬神兵。通称ダニー。身体を自由に巨大化させる性質をもち、消耗の少ない人型と突破力に優れる肥大型を使い分ける。
新街道によってさびれる町や家族のために擬神兵となり、内戦後は居場所を失いたくない一心で、馬車から強奪した物を出稼ぎの報酬と称して町にもたらしていた。しかし噂を聞きつけたハンクによって致命傷を負い、最期までどう生きるのが正解だったのかを問いながら射殺される。
セオドア・シャーマン / ミノタウロス
ローグヒルという町で「ミノタウロスの要塞」と呼ばれる砦を作り続ける擬神兵。通称セオ。戦時中は器用な手先と怪力を誇る築城のプロフェッショナルとして活躍した。
元来は何事にも恐れを抱く臆病な性格で、戦後も戦いと死への恐怖を払拭するために、「備えれば落ち着ける」というハンクの言葉に従って砦を建設した。ローグヒルを訪れたハンクを敵とみなして交戦し、ウェアウルフとなった彼に敗北。死の恐怖から解放されながら射殺される。
アーサー・オールストン / ベヒモス
全長50メートルを誇る巨体と負傷箇所が硬く再生する性質をもった擬神兵。通称アーティ。寡黙で命令に忠実な人物で、個人的なことをあまり語らない人物だったとハンクは述懐している。
終戦後、東に向かって進行を続け、鉄道橋を破壊するルートに入ったことからハンクのターゲットとなる。ユニオン軍や鉄道主によって何度も進行を妨害され、最終的にハンクの苦渋の攻撃で致命傷を負うが、鉄道橋の先にある海を見て、戦時中から抱いていた海を見たいという願望を叶えたことに満足しながら死亡する。
クリストファー・ケインズ / ガーゴイル
蒸気の街ホワイトチャーチの教会を根城とする擬神兵。通称トーファー。戦時中は正義を信奉し、南軍殲滅に躊躇しない性格から、ハンクに一目置かれていた。ストリートチルドレン時代に巡礼聖職者との関わりを経て正義の意義を知るが、貧富の差が激しい街で正しい行いをなすことが難しい現実に直面し、絶望した過去をもつ。内戦後は故郷に帰還し、歪んだ正義感をもって正義にそぐわない行動をする者を殺す日々を送る。
ケインを追ってホワイトチャーチを訪れたシャールやハンクに遭遇すると、盗みを働いた孤児をかばった彼らを罪人と断じて敵対。ケインから与えられた神殺しの弾丸によってハンクを追い詰めるが、シャールの射撃によって頭部を吹き飛ばされる。最期は自分の正道を疑わずにハンクに射殺される。
ジョン・ウィリアム・バンクロフト / ニーズヘッグ
シャールの父で、強靭な肉体と生命力を秘めた擬神兵。通称ウィル。戦時中、経営が苦しくなった孤児院を守るために擬神兵となるが、帰還後は無尽蔵の食欲が災いして村の家畜を食い荒らすようになり、噂を聞きつけたハンクによって本編以前に射殺される。
その後は村の山奥に埋葬されたが、シャールがクーデグラスと村に帰還するのと同時期に復活。本能のみで動く獣と化し、村への被害を食い止めるために出撃したクーテグラスと戦闘になる。ガトリング砲や焼き討ちでも死なない生命力を見せるが、シャールの銃撃を受けて活動を停止。娘の姿を確認するようにして事切れる。
ベアトリス / セイレーン
鳥の翼と魚類の下半身をもった擬神兵。通称トリス。普通の人間と変わらない耐久力しかもたないが、翼の振動で発生させる歌によって相手を気絶に似た状態にさせ、行動不能にすることができる。斜陽の港町ポートガルフの酒場で歌手として人気を博したが、内戦により商売が成り立たなくなり、途方に暮れていたところをスカウトされた経緯がある。
内戦後、町に帰還し隠遁生活を送っていたが、新パトリアとの戦争の機運が高まる情勢を知ると、自身の力で町の人々を眠らせ、戦いから遠ざけようとする。しかし、噂を聞きつけたクーテグラスによって重傷を負い、最後はシャールに諭され歌姫時代の歌を歌いあげ、死亡する。
ロバート・アーベル / ドッペルゲンガー
膨大な養分を糧に腹部の培養胎から自分の分身を生み出す能力をもった擬神兵。通称ロビン。本来は失敗作として処理されるはずだったが、優れた兵力を生み出す力を見込まれて部隊員となった経緯をもつ。
内戦後、記憶を失くした状態でケインに保護され、新パトリアに併合された故郷ダブルウォーカータウンに帰還したところでハンクたちと再会する。しかし、それは町人を喰らって生み出された分身に過ぎず、オリジナルは町の地下で人の姿を成さない分身を生み出し続ける存在となり果てている。オリジナルはせめて何も知らない分身に人として生きてもらいたいとハンクに語るが、真相を知った分身が自殺したことに絶望。ハンクにエコールへ向かうよう助言し、射殺される。
トワイライト / スペクター
エコールに残された擬神兵用調製槽で生き永らえていた死体のような擬神兵。発光器官と発音器官を備えた大量の羽虫を操る能力によって、見聞きした内容を再現劇として見せることができる。戦時中に昏睡状態となり失敗作として処理されたが、実際は意志を伝える手段がなかっただけであり、施設が放棄された後も調整槽と擬神兵の生命力によって生き続けていた。
施設を訪れたハンクたちに当時の情景やケインの目的を伝えた後、自らの死を望み、ハンクに射殺される。

用語編集

技術編集

擬神兵(ぎしんへい)
内戦時代、エレインが提唱した「強化兵士計画」に則って造り出された兵士たち。ソムニウム製の擬神兵核を胸部に埋め込まれることで、人の姿と引き換えに伝説上の生き物に例えられる姿と力を引き出せるようになる。ただし力を得るには強靭な肉体や精神力、血液のとある特徴が示す適性が重要視され、たとえ素質を有していても変化に耐えられなければ自壊するデメリットをもつ。パトリアユニオンの劣勢を覆して内戦を和平にまで導いたことから、終戦後は市民から英雄と称される。しかし時間の経過とともに異形の姿や力を恐れられ、単に「獣」と蔑まれるようになる。それに並行して力に溺れ、本能のまま市民の生活に害を及ぼす存在になり果てる者が増加する。
ソムニウム
パトリアで発見された未知の鉱物。特定の熱と圧力を加えると、作中世界の主燃料である石炭の何百倍もの熱エネルギーを発揮するため、新たなエネルギー源として注目を集めた。しかし条件が揃わないと逆に大爆発する危険性が浮き彫りになったことで実用化には至らず、悪魔の鉱石と呼ばれるようになる。内戦時はエレインが研究を行い、燃料ではなく擬神兵の力の源となる擬神兵核としての利用法を編み出す。
神の化石(かみのかせき)
エコールの奥深くに存在する巨大なソムニウムの塊。近づくと特定の者には「神の声」という幻聴のような声が聞こえるとされ、劇中ではエレインやシャールが耳にしている。
神殺しの弾丸(かみごろしのだんがん)
エレインが開発した特殊な銃弾。希少な素材と複雑な工程を経て造られており、擬神兵の肉体に打ち込まれると変位組織に細胞死を引き起こさせることができる。通常兵器では容易に殺せない擬神兵の対抗手段だが、エレインの失踪と同時に完成済みだった数十発が紛失。偶然発見された弾丸をもとに模造品が作られるが、オリジナルには及ばない性能のため、瀕死の重傷を与えたうえで決め手として使用される。
アルファルド
かつてハンクが倒した擬神兵ヒドラの猛毒をもとにパトリアユニオンが製造した毒霧。人間はもちろん、擬神兵に対しても有効な制圧力をもつ。ボルドクリーク要塞での戦いで北軍の前線部隊が試作品を砲弾に込めて使用する。

国家・勢力編集

パトリア
本編の約100年前に、旧大陸との独立戦争に勝利した新大陸パトリアの入植者たちが建国した民主主義国家。独立から1世紀近く平穏を保っていたが、やがて内戦が勃発し、本編の時代では北南ごとに統治体制が敷かれ、各地に格差と貧困が蔓延する。
北部パトリアユニオン(ほくぶパトリアユニオン)
パトリアを母体とする北部地域。首都はニューフォード。政治経済や工業の中心で、入植を指導し財を成した貴族や資産家たちが多い。国内需要独占のために諸外国との保護貿易を望んだため、南部と対立する。内戦後は経済が停滞し、新パトリアの攻勢に後塵を拝すこととなる。
クーデグラース
ハンクの暴走が招いた「ホワイトチャーチの惨劇」によって市民の間に生じた擬神兵への不信感を払しょくし、新パトリアとの戦いに備えるために組織された対擬神兵部隊。クロードが指揮するユニオン軍の精鋭30名が所属する実働部隊と、多数の予備部隊と支援部隊で構成される。
南部パトリア連合(なんぶパトリアれんごう)
資源と人口が豊富な南部地域の大都市を主体とする連合体。大陸の資源の大部分が集中しており、それらを用いて旧大陸との自由貿易を望んだことで、北部からの独立を宣言した。内戦後は北部との和平内容に不満を抱いた者たちが新パトリアへと流入。これを受けてパトリアユニオンとの協力関係が内々に構築されていたが、ケインらに首都を攻略され、実質的に新パトリアの手中に落ちる。
新パトリア(しんパトリア)
ケイン率いる擬神兵部隊残党や和平後の情勢に不満をもつ人々によって組織された反乱勢力。険しい大山脈に阻まれ、開拓が進んでいなかった大陸西部を拠点とする。自由国家を謳っているが、パトリアユニオンおよびパトリア連合からは国家と認められてはいない。悲劇の英雄として扱われる擬神兵や離反した南北軍人で構成された軍隊を有し、数の劣勢を覆す戦力をもってして二国に侵攻。南部首都を攻め落とすと北部と和平を結び、新たに得た町々に擬神兵を領主として送り込み、攻勢を強める。
グレイシア
旧大陸のなかで最も国土と経済力をもった国家。貴族を上位とする身分制度が根強く残っている。パトリアとの独立戦争後は北部地域と貿易をしており、新パトリアの脅威が増すと、北部に援軍を出すことを決定する。
誠教会(せいきょうかい)
本作の世界で広く信仰されている宗教。グレイシアでは政治と深く結びついているが、パトリアではヴェリテ派が幅を利かせているため、直接的な影響化にはない。
ヴェリテ派(ヴェリテは)
パトリアに移民した誠教会の一部信徒たちの末裔。教義で天に召されたとされる神が実は地の底に去ったと解釈し、その声を聞ける者を通じて、神の再臨に必要な行いを実践しようとする考えをもつ。そのためグレイシアの誠教会からは異端認定された経緯をもつ。

施設編集

ボルドクリーク要塞(ボルドクリークようさい)
新パトリアが大陸西部の開拓拠点であった田舎町ボルドクリークを占領し、パトリアユニオン侵攻の拠点として整備した要塞。北部前線に派遣されたクーデグラースの活躍で北軍が占領するが、要塞内にいた住民たちはミリエリアに操られ北軍兵士たちを襲撃したためやむなく射殺され、のちに「ボルドクリークの虐殺」として語り継がれることとなる。
エコール
内戦時、神の化石がある石炭坑に建設された研究施設。地上部分は傷痍軍人を治療する「ハーティング軍病院」として偽装され、裏では助かる見込みのない兵士たちを擬神兵に改造する研究が行われた。ハンクの改造が成功してからは、得られたデータを元に擬神兵を本格的に製造する場として機能するが、内戦末期にエレインによって施設が爆破され、擬神兵製造に関する資料もほとんど紛失したため、放棄された。
教会(きょうかい)
ヴェリテ派が運営するニューフォードの英才教育機関。正式名称は「パトリア誠教会学校」。開拓時代に誠教会が学校として機能していた名残で、パトリア建国後も国内の最高学府として各地の才能あふれる子供たちを指導する。その真の目的はヴェリテ派が「神の声」を聞き取れる子供を見出すことにある。

書誌情報編集

テレビアニメ編集

2019年7月よりTOKYO MXほかにて放送予定[13]

スタッフ編集

主題歌編集

エンディングテーマ「HHOOWWLL」[14]
歌 - Gero×ARAKI

放送局編集

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[13]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [15] 備考
2019年7月 - 未定 TOKYO MX 東京都
毎日放送 近畿広域圏
BS11 日本全域 BS放送

インターネットでは、FODにて独占配信される[16]

出典編集

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  1. ^ “めいびいが別マガに!異形の兵士をめぐるファンタジー連載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年6月9日). http://natalie.mu/comic/news/118508 2019年4月3日閲覧。 
  2. ^ “「かつて神だった獣たちへ」特集、広瀬アリスインタビュー”. コミックナタリー (ナターシャ). https://natalie.mu/comic/pp/katsukami 2019年4月3日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t STAFF & CAST”. 『かつて神だった獣たちへ』アニメ公式サイト. 2019年5月7日閲覧。
  4. ^ かつて神だった獣たちへ(1)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  5. ^ かつて神だった獣たちへ(2)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  6. ^ かつて神だった獣たちへ(3)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  7. ^ かつて神だった獣たちへ(4)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  8. ^ かつて神だった獣たちへ(5)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  9. ^ かつて神だった獣たちへ(6)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  10. ^ かつて神だった獣たちへ(7)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  11. ^ かつて神だった獣たちへ(8)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  12. ^ かつて神だった獣たちへ(9)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年4月3日閲覧。
  13. ^ a b 2019年7月よりTOKYO MX・MBS・BS11にて放送開始!”. 『かつて神だった獣たちへ』アニメ公式サイト (2019年3月15日). 2019年4月3日閲覧。
  14. ^ Gero×あらき、アニメ「かつて神だった獣たちへ」ED曲歌唱(コメントあり)”. 音楽ナタリー (2019年5月16日). 2019年5月16日閲覧。
  15. ^ テレビ放送対象地域の出典:
  16. ^ FODにて独占配信決定!”. 『かつて神だった獣たちへ』アニメ公式サイト (2019年3月29日). 2019年4月3日閲覧。

外部リンク編集