きらきら星変奏曲
『きらきら星変奏曲』(きらきらぼしへんそうきょく、独: 12 Variationen über ein französisches Lied "Ah, vous dirai-je, maman")ハ長調 K. 265は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1778年に作曲したピアノ曲である。原題を直訳すると、『フランスの歌曲「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲』となる。
概要編集
12 Variationen über
"Ah, vous dirai-je, maman"(きらきら星変奏曲)
当時フランスで流行していた恋の歌「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」("Ah! vous dirai-je, maman")による変奏曲である。この旋律は後に恋の歌ではなく童謡『きらきら星』として知られるようになったため、日本では『きらきら星変奏曲』とも呼ばれるようになった。しかし、『きらきら星』の歌詞が書かれたのはモーツァルトの死後である。
曲の構成編集
主題の提示と12の変奏からなる。曲のおよその長さは12分ほどである。
- 主題
- 主題の提示だが、現在『きらきら星』として知られる曲よりも少し修飾がなされている。
- 第1変奏
- 16分音符と巧みな半音階の導入できらびやかな効果を出している。
- 第2変奏
- 左手のずっしりとしたアルペジョが速いパッセージで登場
- 第3変奏
- 右手のアルペジョで美しい音色を出す。
- 第4変奏
- 左手が10度飛ぶ厄介な部分。気まぐれな雰囲気を出す。
- 第5変奏
- ここでは一度静まり返る。軽々しい和音に不協和音が一部混ざることにより、更にかわいらしさがあふれる。
- 第6変奏
- 左手の速いパッセージと、和声的な右手の旋律。途中から右手にも速いパッセージがあります。
- 第7変奏
- 右手の1オクターブのスケールで始まり壮大さが生まれる
- 第8変奏
- ハ短調に転じる。ここでは短調の雰囲気で重々しく流れる
- 第9変奏
- ハ長調に戻る。軽快な音が響き渡る。
- 第10変奏
- 手が交差する。和音と共に盛り上がる。
- 第11変奏
- 速度がアダージョになる。少々主題に手が加えられた部分もある。ゆっくりめで温和な雰囲気。最終変奏の前の緩徐楽章的な役割。
- 第12変奏
- 3拍子になる。左手の速いパッセージで始まり、非常に速い。最後は、大いにクレシェンドして終わる。
備考編集
- 荒川沖駅・土浦駅・神立駅で、この楽曲が発車メロディとして使用されている。
- コナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたシューティングゲーム『セクシーパロディウス』のキャラクター選択画面で、この曲をアレンジしたものが使用されている。
外部リンク編集
- きらきら星変奏曲の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト