よしながふみ
よしなが ふみ(1971年〈昭和46年〉 - )は、日本の女性[3]漫画家である。血液型はB型。
よしなが ふみ | |
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生誕 |
1971年??月??日[1]![]() |
国籍 | 日本 |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 1994年 - |
ジャンル | 青年漫画 |
代表作 |
『西洋骨董洋菓子店』[2] 『大奥』[2] 『きのう何食べた?』など |
受賞 | 下記を参照 |
東京都出身で、東京都立富士高等学校[4]を経て、慶應義塾大学法学部卒業して大学院法学研究科を中退する。代表作は多く、ペンネームは女優の吉永小百合と檀ふみから採った。同人サークル「大沢家政婦協会」の主宰者で、しばらく活動を休止したのちにコミックマーケット89から活動を再開する。練りこまれた筋書きや綿密なストーリー構成を得意とする[2]。
作風 編集
『ベルサイユのばら』や『スラムダンク』などの影響を受けながら、二次創作の同人活動を皮切りに青年誌・少女誌などで幅広く活躍する。ビブロスや芳文社などボーイズラブ (BL) 誌で執筆し、ボーイズラブ小説の挿絵なども手がける。同人活動は2006年に活動を休止したが、2015年のコミックマーケット89で同人活動を再開した。メガネが好きで、作品内にメガネをかけた人物を必ず一人は登場させている[5]。
BL誌連載作品だけではなく、青年誌や少女誌連載作品にも、男性同性愛者(ゲイ)が登場する作品が多い。同人活動で、男性同性愛をモチーフとした創作JUNE系などの作品群を発表している[2]。商業誌で活動してからは、自身の商業作品の後日談を同人誌として発表した[2]。一部の作品はまとめて単行本化され、第1巻は比較的穏やかで2巻で性描写が多発する作品もある。『1限めはやる気の民法』は連載「第1巻」と同人「第2巻」として発売されている。
作中には料理やスイーツが多く登場し、描写から食にこだわりが感じられる[6]。『愛がなくても喰ってゆけます。』における食事シーンのキャラクター描写について、「官能的ですらある」「表情もまた見事」「人間関係の微妙なアヤを浮き彫りにしている」などと評し、食欲が性欲以上に「根源的でエゴイスティック」で「食べ方や食の嗜好には人間性が」表れることにきわめて自覚的である、と断定している[7]。
略歴 編集
- 1971年 - 東京都に生まれる[1]。
- 1994年 - 『花音』10月号に『月とサンダル』でデビュー[1]する。
- 2001年 - 『西洋骨董洋菓子店』がテレビドラマ化される[1]。
- 2002年 - 同作品で第26回講談社漫画賞少女部門を受賞。
- 2006年 - 『大奥』第1巻で第5回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
- 2009年 - 『大奥』で第13回手塚治虫文化賞大賞を受賞。
- 2010年 - 『大奥』で2009年度ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞。
- 2011年 - 『大奥』で第56回(平成22年度)小学館漫画賞少女向け部門を受賞。
- 2019年 - 『きのう何食べた?』で第43回講談社漫画賞一般部門を受賞。
- 2021年 - 『大奥』で第42回日本SF大賞を受賞。第21回センス・オブ・ジェンダー賞で、殿堂賞受賞。
- 2022年 - 『大奥』『きのう何食べた?』で芸術選奨文部科学大臣新人賞(メディア芸術部門)を受賞[8]。
作品リスト 編集
漫画 編集
- 月とサンダル
- 本当に、やさしい。
- 1限めはやる気の民法
- ソルフェージュ
- こどもの体温
- 愛とは夜に気付くもの(文庫本化のタイトル『執事の分際』)
- 彼は花園で夢を見る
- 西洋骨董洋菓子店
- 愛すべき娘たち
- それを言ったらおしまいよ
- フラワー・オブ・ライフ
- 大奥
- ジェラールとジャック
- きのう何食べた?
- 環と周[9]
エッセイ・その他 編集
影響 編集
よしながが「最初に萌えたキャラクター」は、池田理代子『ベルサイユのばら』のアンドレ。以降、読者として「主人公に嫉妬をしないで『損得抜き』で応援する」「どこまでもへなちょこな」アンドレ的な立ち位置のキャラクターを探し続けていると述べている[10]。
ローカス賞を受賞したアメリカの女性ファンタジー作家N・K・ジェミシンは、よしながの影響を公言しており、『大奥』がジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞する以前から愛読していた[11]。
脚注 編集
- ^ a b c d e “辻調理師専門学校: 小説を食べよう!・アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜”. 辻調理師専門学校. 2013年6月15日閲覧。
- ^ a b c d e 伊藤真広、村中宣彦(編)、2006、「【プロ作家】→【同人名義】データベース」、『ゲームラボ特別編集「現代視覚文化研究」』、三才ブックス ISBN 4-86199-061-0 p. 192
- ^ “ほぼ日刊イトイ新聞 - 嘘つく商売は、人より自由。[対談]よしながふみ × 糸井重里”. 東京糸井重里事務所. 2013年6月15日閲覧。
- ^ “偉人館展示 | 都立富士高校100周年「大人の文化祭」”. fuji100th. 2020年12月26日閲覧。
- ^ "学園コメディ「フラワー・オブ・ライフ」を特集します。 - NO COMIC NO LIFE". Webだよ。. コミックとらのあな. 2008年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月15日閲覧。取材日:2005年4月25日。協力:新書館「ウィングス」編集部。
- ^ 南 2013, p. 54.
- ^ 南 2013, pp. 52–54.
- ^ “佐野元春さんに大臣賞 21年度芸術選奨、濱口竜介監督も(写真=共同)”. 日本経済新聞 (2022年3月9日). 2022年3月9日閲覧。
- ^ “よしながふみ、さまざまな“好きのかたち”を描くオムニバス新連載がココハナで”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年11月28日) 2022年11月28日閲覧。
- ^ 「大奥」「パレス・メイヂ」特集 よしながふみ&久世番子対談 コミックナタリー
- ^ A・U「解説」N・K・ジェミシン『空の都の神々は』早川書房、2011年
参考文献 編集
- 南, 信長『マンガの食卓』(初版第1刷)NHK出版、2013年9月17日。ISBN 978-4-7571-4316-6。