アウディ・RS6
RS6は、ドイツのアウディが2002年に発売した乗用車である。アッパーミドルサルーンであるA6のスポーツモデルであるS6を、アウディの子会社である旧クワトロ社、現アウディスポーツ社(quattro GmbH、AudiSport GmbH)がチューニングすることで製作した。
初代 4B(C5)系(2002-2004年)編集
アウディ・RS6(初代) C5 | |
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セダン | |
概要 | |
販売期間 | 2002年 - 2004年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン/5ドアワゴン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
エンジン | 4.2L V8 DOHC |
最高出力 | 450PS/6,400rpm |
最大トルク | 57.1kg・m/5,600rpm |
変速機 | 5速AT |
サスペンション | |
前: 4リンク式 後: ダブルウィッシュボーン式 | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,760mm |
全長 | 4,852-4,858mm |
全幅 | 1,850mm |
全高 | 1,425mm |
車両重量 |
セダン: 1,840kg ワゴン: 1,880kg |
2002年にジュネーブショーでデビューし、RS4の後継として、初代RS2アバントから数えて3世代目のRSシリーズとして2003年2月より国内販売を開始した[1]。企画制作はアウディ傘下のクワトロ社によって進められ、パワーユニット設計・組立は英コスワーステクノロジーが担当、ヘッドにはアウディ得意の5バルブテクノロジーが使われている。ホワイトボディをアウディ本社からクワトロ社に納入し、車両組立はすべてクワトロ社にて行われるスペシャルモデルである。セダンの「RS6」とワゴンの「RS6アバント」が設定される。
エンジンは4,172ccのV型8気筒ツインターボエンジンで450PS/57.1kgf-mを発揮、0-100km/h加速は4.7秒(メーカー公表値)。
圧倒的な加速力とその車重を止めるためにフロントブレーキはブレンボ製8ポット対向ブレーキが使われ、この結果100km/h-0kmは2.6秒と加速・減速ともにポルシェターボ並みの性能を実現している。
シャシーには接地性を高めるためのダイナミックライドコントロールが採用された。
組み合わされたトランスミッションはティプトロニック付き5速オートマチックトランスミッション(AT)のみ。
内外装はA6と極めてよく似ており派手さはない。
タイヤは255/40R18(国内販売はOPの255/35R19が標準)とノーマルのA6に比べてワイドサイズとなり、これを収めるためのオーバーフェンダーが外観上の特徴となっている。
2代目 4F(C6)系(2007年-2010年)編集
アウディ・RS6(2代目) C6 | |
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セダン | |
概要 | |
販売期間 | 2007年 - 2010年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 4ドアセダン/5ドアワゴン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
エンジン | 5.0L V10 ターボ |
最高出力 | 580PS/6,250-6,700rpm |
最大トルク | 66.30kgfm/1,500-6,250rpm |
変速機 | 6速AT |
サスペンション | |
前: マルチリンク式 後: ダブルウィッシュボーン式 | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,845mm |
全長 | 4,930mm |
全幅 | 1,890mm |
全高 |
セダン: 1,455mm ワゴン: 1,475mm |
車両重量 |
セダン: 2,100kg ワゴン: 2,160kg |
C6系A6をベースに5.0L V型10気筒DOHCツインターボエンジンを搭載し、スペックは580PS/66.3kgf·mを発生する。2tを超える車重をものともせず、0-100km/h加速は4.6秒を記録する。
タイヤは初代のRS6よりもさらにスパルタンになった275/35R20で、その中には6ポット対向ブレーキが収められる。
最高速は電子リミッターが作動するため290km/hとなる。
日本での販売編集
2008年6月16日、「RS 6アバント」を発売[2]。
2009年1月13日、セダン版「RS6」が発売[3]。
2010年6月14日、特別仕様車「RS 6アバント プラス スポーツ」を限定10台で発売した[4]。
3代目 4G(C7)系(2012年-2018年)編集
アウディ・RS6 Avant(3代目) C7 | |
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概要 | |
販売期間 | 2012-2018年 |
ボディ | |
ボディタイプ | ワゴン |
駆動方式 | フルタイム4WD |
パワートレイン | |
エンジン | 4.0L V型8気筒TFSI |
最高出力 | 560ps/5700~6600rpm |
最大トルク | 71.4kg・m/1750~5500rpm |
変速機 | 8AT (ZF8HP55) |
サスペンション | |
(前)5リンクダブルウィッシュボーンスタビライザーバー (後)トラペゾイダルダブルウィッシュボーンスタビライザーバー | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2915mm |
全長 | 4980mm |
全幅 | 1935mm |
全高 | 1480mm |
車両重量 | 2030kg |
3代目はC7型A6アバントをベースに、4.0LV型8気筒エンジンを搭載。最高出力は560ps、最大トルクは71.4kgを誇り0-100kmは2t超えにも関わらず3.9秒という数値で最高速度は305kmに達する。
日本での販売編集
2013年10月8日編集
RS 6 Avantを発表・発売[5]。
2014年4月編集
消費税率の変更に伴い、価格変更。
2015年5月編集
ボディカラーの変更。エストリルブルーパールエフェクトが廃止。セパンブルーパールエフェクトが追加。
2015年7月30日編集
マイナーチェンジ。「マトリクスLEDヘッドライト」の採用や、意匠変更、ボディカラーの変更などを行った。ナビもオペレーターサービスやGoogleとの各種連係機能、Wi-Fiスポットなどの機能を備えたたAudi connectが全車標準装備となる。
2016年7月5日編集
ハイパフォーマンスモデル「RS 6 Avant Performance」発表[6]。従来モデルと共通の4.0LV型8気筒TFSIエンジンを搭載するが、最高出力605ps(ベースモデル比+45ps)、最大トルク76.5kgm(+5.1kgm)を発生する。また、専用デザインのエアロパーツを装備している。
ボディカラーはベースモデル(RS 6 Avant)より、アスカリブルーメタリックが追加。
2018年1月
価格改定。同時にボディカラーの変更。プリズムシルバークリスタルエフェクト、セパンブルーパールエフェクトが廃止。
4代目 F2(C8)系(2019年- )編集
アウディ・RS 6 Avant (4代目) C8 | |
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概要 | |
製造地 | インゴルシュタット |
製造国 | ドイツ |
販売期間 | 2019年- |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアワゴン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | フルタイム4WD |
プラットフォーム | MLBevo |
パワートレイン | |
エンジン | 4.0L (3,996cc) V型8気筒TFSI ツインターボ DOHC |
最高出力 | 441kW (600ps) /6,000-6,250rpm |
最大トルク | 800N・m/2,050-4,500rpm |
変速機 | 8速AT (ZF8HP90) |
サスペンション | |
前:ウィッシュボーン式 後:ウィッシュボーン式 | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,925mm |
全長 | 4,995mm |
全幅 | 1,960mm |
全高 | 1,485mm |
車両重量 | 2,200kg |
2019年8月21日、欧州にて発表[7]。同年12月には、欧州にて新型「RS 6 Avant」を2019年内に発売すると発表した[8]。
4.0L直噴V型8気筒ガソリンツインターボTFSIエンジンに、トルクコンバーターを用いた8速ティプトロニックを組み合わせ、駆動方式はquattro (4WD)である。また、48Vマイルドハイブリッドを採用し、燃費が改善されている。0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)[注 1]に達する。
エクステリアにはRS専用パーツが装備されるほか、フェンダーが40mmワイド化され21インチのタイヤ(275/35R21)が採用されている。
2022年12月8日、「RS 6 Avant performance」を設定し、欧州市場で発売した[9]。RS6アバント・パフォーマンスには、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボ「TFSI」エンジンを強化して搭載する。最大出力は600psから630psに30ps向上。最大トルクは81.6kgmから86.6kgmへ、5kgm高められた。
日本での販売編集
2020年11月28日編集
RS 6 Avantを発表。
2021年1月以降編集
RS 6 Avantを発売。
脚注編集
注釈編集
- ^ オプションの「RSダイナミックパッケージ」を選択すると、最高速度を305km/hに引き上げることができる。
出典編集
- ^ “アウディ、高性能スポーツモデル「RS6」発表”. webCG (2003年1月21日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ “580psのスーパーワゴン、「アウディRS 6 アバント」発売”. webCG (2008年6月19日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ “「アウディA6」新世代へ スーパーチャージャー付きの新グレードも”. webCG (2009年1月13日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ “アウディRS 6アバントの最終モデル発売”. webCG (2010年6月15日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ “アウディが「RS」モデル3車種を日本に導入”. webCG (2013年10月8日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ “アウディがRSを超える高性能モデルを日本導入”. webCG (2016年7月5日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ “アウディ A6アバント 新型に最強の『RS6』、600馬力ツインターボ搭載”. Response. (2019年8月22日). 2020年10月7日閲覧。
- ^ “アウディ RS6アバント 新型、最高速305km/hのワゴン…年内欧州発売へ”. Response. (2019年12月4日). 2020年10月7日閲覧。
- ^ “アウディ『RS6』に頂点「パフォーマンス」、最高速300km/h超のスーパーワゴン”. Response. (2022年12月12日). 2023年5月10日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- RS6
- RS 6 Avant(ドイツ語) - Audi Deutschland