アナザーコード 2つの記憶
『アナザーコード 2つの記憶』(アナザーコード ふたつのきおく、北米タイトル:Trace Memory、欧州タイトル:Another Code: Two Memories)は、シングが開発し任天堂より2005年2月24日に発売されたニンテンドーDS用アドベンチャーゲーム。キャッチコピーは「さわれる推理小説」。
ジャンル | アドベンチャー |
---|---|
対応機種 | ニンテンドーDS[DS] |
開発元 | シング |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 宮川卓也 |
ディレクター | 金崎泰輔 |
シナリオ | 鈴木理香 |
人数 | 1人 |
メディア | DSカード |
発売日 |
2005年2月24日 2005年6月24日 2005年9月26日 |
対象年齢 |
CERO:全年齢 ESRB:T PEGI:7+ OFLC:M |
2009年2月5日に、続編にあたるWii用ソフト『アナザーコード: R 記憶の扉』が発売された。また、2024年1月19日には、シリーズ2作品を纏めて収録したNintendo Switch用ソフト『アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉』が発売された。いわゆる画質を向上させたリマスターではなく、ストーリーの展開に追加や変更が施されたリメイクとなる[1]。
概要
編集主人公の少女・アシュレイが、まだ見ぬ父親リチャードに会うために「ブラッド・エドワード島」を訪れ、かつて資産家のエドワード家が暮らしていた洋館の内部に施された様々な謎に挑む。ストーリーが進むにつれ、11年前にアシュレイの目の前で起きた事件の謎、アシュレイの父リチャードと母サヨコが行っていた研究の謎などが解明されていく。また、道中で出会うゴーストの少年ディーの生前の記憶も、徐々に明らかとなる。
ゲーム内で解く謎には、ニンテンドーDSの特性(2画面やタッチスクリーン、マイク機能など)を使って解くものが多い。
テレビCMや雑誌の広告記事などにはユースケ・サンタマリアが出演した。
ストーリー
編集ある日、もうすぐ14歳の誕生日を迎える少女・アシュレイのもとに、1通の手紙とDASと書かれた小型の機械が届く。それは、死んだと聞かされていたアシュレイの父、リチャードからのものであった。アシュレイは、その手紙に導かれ、リチャードが待っていると記されていた地、血塗られたエドワード家の孤島「ブラッド・エドワード島」へ向かうことになる。
登場人物
編集声は「アナザーコード リコレクション」でのキャスト。
- アシュレイ・ミズキ・ロビンズ
- 声 - 杉山里穂
- 本作の主人公。もうすぐ誕生日を迎える13歳の少女。3歳の誕生日の夜に起こった事件で母親が亡くなったと聞かされ、以後、叔母のジェシカと生活している。幼い頃のアシュレイがわずかに覚えている幼少期の記憶には、母親であるサヨコの姿と銃を構える男の光景が残されている。日米ハーフであり、日本人である母親譲りの黒い瞳が特徴。髪は白。誕生年は1991年で固定されているが、月日はDS本体に予め登録してある個人データが反映される[2]。
- 物語内でアシュレイが用いる装置「DAS(ダス、Dual Another Systemの略)」は、DS版ではDS本体に似た形状、「リコレクション」ではNintendo Switch本体に似た形状をしている。
- ディー(ダニエル・エドワード)
- 声 - 飯沼南実
- ブラッド・エドワード島を57年前からさまようゴーストの少年。自分がなぜ死んだのかわからないため、天国に旅立つことができないでいる。アシュレイと出会ったことで徐々に記憶を取り戻していく。
- ディーという名はフラニーが付けた愛称であり、本名はダニエル。実は父親のトーマスが遺産争いで叔父のヘンリーに殺害されるのを目撃しており、ヘンリーから逃げる途中で崖から落ちて死亡した[3]。
- なお、DS版では、ゲームの進め方によりディーの記憶が戻る度合いが異なり、すべての記憶を取り戻したかどうかでエンディングが分岐する。
- ジェシカ・ロビンズ
- 声 - 岡村明美
- アシュレイの育ての親である女性。リチャードの妹。高校の化学の教師。リチャードからの手紙を受け、アシュレイをブラッド・エドワード島に誘い、共に島に向かう。島に到着した際にビルと出会い監禁されるが、アシュレイに救出される[4]。
- リチャード・ロビンズ
- 声 - 森田順平[5]
- アシュレイの父親。科学者。11年前に亡くなったとアシュレイは聞かされていた。娘の14歳の誕生日を共に過ごしたいと、アシュレイに手紙を送った。
- ブラッド・エドワード島に移住したのは、サヨコの研究を受け継ぎ人の記憶を操作する『アナザー』を完成させるためであり、アシュレイの協力もありサヨコ殺害の真相にたどり着く[3]。
- サヨコ・ロビンズ
- 声 - 五十嵐裕美
- アシュレイの母親。科学者。リチャード同様、11年前に亡くなったとアシュレイは聞かされていた。日本人。旧姓は「キタザト」。
- 生前は人の記憶を操作する『アナザー』を開発していた。事故などの辛い記憶を消すための装置だったが、悪用されそうになったことでにアナザーを封印。しかし、アナザーを狙うビルに殺害される[3]。
- ビル・エドワード
- 声 - 浜田賢二[5]
- ブラッド・エドワード島でリチャードの研究に協力していた男性。『アナザー』を作るリチャードに食料などを提供していた[6]。
- サヨコを殺した犯人であり、アナザーを完成させるためにリチャードに協力していた。ジェシカを監禁し、アシュレイにリチャードを騙るなど暗躍するが、アナザーが破壊されたことで計画が瓦解。アシュレイ達の殺害を試みるが、ゴーストのディーに驚き崖から落ちて死亡した[3]。かつてブラッド・エドワード島に住んでいたフラニーの息子でもある[7]。
- 『リコレクション』では何者かにアナザーのデータを送信する場面が追加されている[7]。
- ローレンス・エドワード
- 声 - ふくまつ進紗[5]
- ブラッド・エドワード島にある屋敷の主。金鉱山で富を築いた。家出した息子のレナードが病死したことで孫にあたるトーマスとヘンリーを引き取る[6]。
- ヘンリー・エドワード
- 声 - 堀井茶渡[5]
- ローレンスの孫。戦争で右手を失っている[8]。ローレンスの遺産争いで弟のトーマスを殺害してしまったことで心が壊れてしまい、妻のマリー・娘のフラニーと離別することになる[6]。
- トーマス・エドワード
- 声 - 小野塚貴志[5]
- ローレンスの孫でディーの父親。戦争で心に傷を負っている。ローレンスの遺産争いで兄のヘンリーに殺害される[3]。
- フラニー・エドワード
- 声 - 吉田聖子[5]
- ヘンリーの娘で、生前のディーとはよく遊んでいた[8]。ヘンリーがトーマスとディーを殺害したことで屋敷から離れる。ビルは彼女の息子である[6]。
- ウィリアム・ウェルズ
- 声 - ふくまつ進紗[5]
- エドワード家の執事。疑り深いローレンスにも信用されていた。屋敷には彼の日記があり読むことができる。『リコレクション』では彼の部屋に銀食器の仕掛けがある[9]。
- 船長
- 声 - 大塚明夫
- アシュレイとジェシカをブラッド・エドワード島まで送った船の船長。人生経験豊富で、アシュレイにさまざまなことを教える。物語終盤でゴーストが見えることが判明する。
関連ソフト
編集- ウィッシュルーム 天使の記憶 - 同一のスタッフが開発し、同じく任天堂が発売した推理アドベンチャーゲーム。システムも共通点が多い。
- 大乱闘スマッシュブラザーズX - ゲーム中の収集要素であるフィギュアとしてアシュレイが登場している。
脚注
編集- ^ “アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉 | Nintendo Switch | 任天堂”. 任天堂ホームページ. 2024年1月19日閲覧。
- ^ ドリマガ. ソフトバンク パブリッシング株式会社. (2005年4月1日). pp. 36,37,38,39,
- ^ a b c d e アナザーコード 2つの記憶 第6章
- ^ アナザーコード 2つの記憶 第4章
- ^ a b c d e f g アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉 エンディング
- ^ a b c d アナザーコード リコレクション:2つの記憶 DASのキャラクター紹介
- ^ a b アナザーコード リコレクション:2つの記憶 第7章
- ^ a b アナザーコード リコレクション:2つの記憶 第2章
- ^ アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉 第2章