アニマル・コレクティヴ
アニマル・コレクティヴ (Animal Collective) は、アメリカ合衆国ボルチモア出身で、現在はニューヨークを拠点に活動しているインディー・ロックバンド。ポスト・ロック、エレクトロニカ、サイケデリック、フォーク、ノイズ・ポップなど、ポップと前衛を自在に行き来する実験的な音楽を特徴とする[1]。キャリア初期はフリー・フォークの旗手として知られ、現在はエクスペリメンタル・ミュージックのトップランナーとして活動している[1]。メンバーは4人だが、作品ごとに参加しないメンバーがいるなど活動形態が一定でない。各メンバーはアニマル・コレクティブの作品以外にも、ソロ名義の作品やスプリット作品なども旺盛にリリースしている。また自らのレーベルとしてポウ・トラックス(Paw Tracks)を主宰し、自分達以外のアーティストの作品も積極的に発表している。
アニマル・コレクティヴ Animal Collective | |
---|---|
![]() | |
基本情報 | |
出身地 |
![]() メリーランド州ボルチモア |
ジャンル |
エクスペリメンタル エクスペリメンタル・ポップ フリー・フォーク サイケデリック・ロック ノイズ・ポップ インディー・ロック |
活動期間 | 1999年 - |
レーベル |
Domino Records Fat Cat Records Paw Tracks |
公式サイト |
myanimalhome |
メンバー |
エイヴィー・テア パンダ・ベア ジオロジスト ディーケン |
来歴編集
1990年代半ば、アメリカ・ボルチモアの幼馴染同士が集まり音楽活動を開始する[2]。メンバーは進学などで離れ離れになりながらも音楽活動を続け、2000年8月に1stアルバム『スピリット・ゼイアー・ゴーン・スピリット・ゼイブ・ヴァニッシュド』を自主レーベルAnimalからリリースする。この作品はボストンやニューヨークに進学していたメンバーが夏休みに地元に集まり録音したものを元に製作され、Avey Tare and Panda Bear名義で発表された。
2001年7月、Avey Tare, Panda Bear and the Geologist名義で2ndアルバム『ダンス・マナテー』を発表する。Catsup Plateからの1000枚限定リリースだったが、後にファットキャット・レコーズから1stアルバムとの2枚組CDとして再発売された。さらに同年11月にはエイヴィー・テア、パンダ・ベア、ディーケンの3人でMDプレイヤーを使ったレコーディングを行ない、2003年3月に3rdアルバム『キャンプファイヤー・ソング』としてCatsup Plateから発表、Campfire Songs名義でリリースした[3]。それから僅か3か月後、2003年6月には4thアルバム『ヒアー・カムズ・ザ・インディアン』をポウ・トラックスからリリース。この作品のレコーディングには4人全員が参加し、初めてアニマル・コレクティヴ名義でリリースしたアルバムとなった。この年の2つのリリースは多くの注目を集め、その後の成功への足がかりとなった。
2004年6月、ファットキャットから5thアルバム『サング・トング』をリリースする。エイヴィー・テアとパンダ・ベアの2人で製作されたこのアルバムはピッチフォークなどで高い評価を受け、ワシントン・ポストにも取り上げられた[4]。翌2005年8月、6thアルバム『フィールズ』をリリース。前作に続き絶賛を浴び、この2つ作品の成功でアニマル・コレクティヴはフリー・フォーク、アシッド・フォーク、サイケ・フォークといったムーブメントの最右翼として知られるようになる[5]。
2007年9月、ドミノ・レコーズと契約し7thアルバム『ストロベリー・ジャム』をリリース、全米ビルボードチャートで72位となった。前作からのエクスペリメンタルな要素が強まり、多くの音楽メディアから高く評価された[6]。また、この年の3月にはパンダ・ベアが3枚目のソロアルバム『Person Pitch』をリリースし、成功をおさめている。
2009年1月、8thアルバム『メリウェザー・ポスト・パヴィリオン』をリリースする。全米13位、全英26位とバンド史上空前のヒットを記録。アルバムジャケットには錯視研究者の北岡明佳によるカバーデザインが使われた。ディーケンを除く3人で製作されたこのアルバムはサンプリングを駆使したサウンドを推し進め、国内外の音楽メディアから最大級の評価を受けた[7]。各音楽メディアは発表する年間ベストアルバムのリストではピッチフォーク、ステレオガム、Spin、MOJO誌、PopMatters、musicOMH、No Ripcordで1位に、NPR、Paste誌で2位、A.V. Clubで3位、Q誌で4位、NMEで5位に選ばれるなど、キャリア史上最高の評価を得た[8]。
2012年8月、9thアルバム『センティピード・ヘルツ』をリリース。ディーケンがバンドに復帰し、久々にメンバー4人で製作された作品となった。
メンバー編集
エイヴィー・テア - Avey Tare (David Portner)
パンダ・ベア - Panda Bear (Noah Lennox)
ジオロジスト - Geologist (Brian Weitz)
ディーケン - Deakin (Josh Dibb)
ギター担当。 Deaken、Deaconと綴る場合もあり。
ディスコグラフィ編集
アルバム編集
- スピリット・ゼイアー・ゴーン・スピリット・ゼイブ・ヴァニッシュド - Spirit They're Gone, Spirit They've Vanished (2000年、Animal)
- ダンス・マナテー - Danse Manatee (2001年、Catsup Plate)
- キャンプファイヤー・ソング - Campfire Songs (2003年、Catsup Plate)
- ヒアー・カムズ・ザ・インディアン - Here Comes the Indian (2003年、Fat Cat、Paw Tracks)
- サング・トング - Sung Tongs (2004年、Fat Cat)
- フィールズ - Feels (2005年、Fat Cat)
- ストロベリー・ジャム - Strawberry Jam (2007年、Domino) 全米72位、日本145位
- メリーウェザー・ポスト・パビリオン - Merriweather Post Pavilion (2009年、Domino) 全米13位、全英26位、日本119位
- センティピード・ヘルツ - Centipede Hz (2012年、Domino)
- ペインティング・ウィズ - Painting With (2016年、Domino)
ライブアルバム編集
- ホリンドアゲイン - Hollinndagain (2002年、St. Ives)
- Animal Crack Box (2009年、Catsup Plate)
- Live at 9:30 (2015年)
- Ballet Slippers (2019年)
脚注編集
- ^ a b Spitznagel, Eric. “Deakin Opens Up About His Animal Collective Stay-cation” (英語). MTV News. 2020年4月13日閲覧。
- ^ “Animal Collective, Hostess Entertainment Unlimited.”. 2012年8月20日閲覧。
- ^ “PANDA BEAR Interview.”. 2012年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月20日閲覧。
- ^ “Sung Tongs Reviews, Ratings, Credits, and More - Metacritic.”. 2012年8月20日閲覧。
- ^ “feels Reviews, Ratings, Credits, and More - Metacritic.”. 2012年8月20日閲覧。
- ^ “Animal Collective - Strawberry Jam - Reviews & Ratings.”. 2012年8月20日閲覧。
- ^ “Merriweather Post Pavilion Reviews, Ratings, Credits, and More - Metacritic.”. 2012年8月20日閲覧。
- ^ “Animal Collective - Merriweather Post Pavilion - Reviews & Ratings.”. 2012年8月20日閲覧。