ウエルホサウルスWuerhosaurus)は、白亜紀前期に現在の中国に生息していた剣竜類恐竜の属である。剣竜類のほとんどはジュラ紀後期に生息していたため、ウエルホサウルスは現在知られている限りでは最も新しい時代に生息した剣竜類の1つである[1]

ウエルホサウルス
W. homheniの復元図
地質時代
白亜紀前期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
階級なし : 頬竜類 Genasauria
亜目 : 装盾亜目 Thyreophora
下目 : 剣竜下目 Stegosauria
: ステゴサウルス科 Stegosauridae
亜科 : ステゴサウルス亜科 Stegosaurinae
: ウエルホサウルス属 Wuerhosaurus
学名
Wuerhosaurus
Dong1973

発見と種

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タイプ種であるWuerhosaurus homheniは中国西部、新疆ウイグル自治区トゥグル層群(en)で発見され、1973年、董枝明により記載された。属名はウルホ区に由来している[2]

化石は頭骨の無い断片的な骨格であるホロタイプIVPP V.4006と第2の個体の3つの尾椎であるパラタイプIVPP V4007により構成されている[3] [4]

内モンゴル自治区オルドス盆地のエジンホロ累層(en)で発見されたより小型の種W. ordosensisが1993年、同じく董により記載されている。この種は1988年に発見された頭骨の無い部分骨格IVPP V6877に基づいている[5]

2008年、Susannah Maidmentらはウエルホサウルスをステゴサウルスのシノニムとみなし、タイプ種W. homheniStegosaurus homheni 、第2の種W. ordosensisは疑問名(nomen dubium)であるとしている[6]。しかし、この意見には議論がある[7]

分布

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W. homheni

W. ordosensis

特徴

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W. homheniの生態復元図

Wuerhosaurus homheniはおそらく幅の広い動物であった。グレゴリー・ポールen)による2010年の推定では体長7 m、体重4 tほどである[8]。 ばらばらになった少数の化石が発見されているのみであり、完全な復元は困難である[1]。背中のプレートは初め、ステゴサウルスのものよりはるかに丸いかもしくは平らなものであると考えられた[4]、しかし、メイドメントはこれが破損によって引き起こされた錯覚であると確証した[6]。現在のところ実際のプレートがどんな形状であったかは不明である。W. homheni腸骨の前方が大きく外側に広がった骨盤を持っており、胴の幅が広かったことが示唆される。尾の基部の神経棘が非常に高い。

W. ordosensisはポールによる推定では体長5 m、体重1.3 tほどである。骨盤は広いが、神経棘は比較的短い。また、頸部は比較的長い。

生態

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ウエルホサウルスは他の剣竜類より低い姿勢だったようである。研究者たちによればこれはより低い植物を食べるための適応である[要出典]。他の剣竜類と同じようにおそらく尾の先にはサゴマイザーen )があった。4つの骨質の棘で特徴付けられるステゴサウルスのもののように自己防衛に使用したとされる[要出典]。1本の棘が発見されているが、董によればこれは肩に配置されていたようである[要出典]

参照

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  1. ^ a b Palmer, D., ed (1999). The Marshall Illustrated Encyclopedia of Dinosaurs and Prehistoric Animals. London: Marshall Editions. p. 156. ISBN 1-84028-152-9 
  2. ^ Dong Z., 1973, [Dinosaurs from Wuerho]. Reports of Paleontological Expedition to Sinkiang (II): Pterosaurian Fauna from Wuerho, Sinkiang. Memoirs of the Institute of Vertebrate Paleontology and Paleoanthropology, Academia Sinica 11: 45-52
  3. ^ Dong Z., 1990, "Stegosaurs of Asia", In: K. Carpenter & P. J. Currie (Eds.), Dinosaur Systematics (pp. 255–268). Cambridge: Cambridge University Press
  4. ^ a b "Wuerhosaurus." In: Dodson, Peter & Britt, Brooks & Carpenter, Kenneth & Forster, Catherine A. & Gillette, David D. & Norell, Mark A. & Olshevsky, George & Parrish, J. Michael & Weishampel, David B. The Age of Dinosaurs. Publications International, LTD. p. 102. ISBN 0-7853-0443-6.
  5. ^ Dong Z., 1994, "A new species of stegosaur (Dinosauria) from the Ordos Basin, Inner Mongolia, People's Republic of China", Canadian Journal of Earth Sciences 30(10-11): 2174-2176
  6. ^ a b Maidment, Susannah C.R.; Norman, David B.; Barrett, Paul M.; Upchurch, Paul (2008). “Systematics and phylogeny of Stegosauria (Dinosauria: Ornithischia)”. Journal of Systematic Palaeontology 6 (4): 367–407. doi:10.1017/S1477201908002459. 
  7. ^ K. Carpenter, 2010, "Species concept in North American stegosaurs", Swiss Journal of Geosciences 103(2): 155-162
  8. ^ Paul, G.S., 2010, The Princeton Field Guide to Dinosaurs, Princeton University Press p. 224
  • Dong Zhiming (1992). Dinosaurian Faunas of China. China Ocean Press, Beijing. ISBN 3-540-52084-8 

外部リンク

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