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民族

一定の文化的特徴を基準として他と区別される共同体
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民族(みんぞく、ethnic group)とは一定の文化的特徴を基準として他と区別される共同体をいう。土地、血縁関係、言語の共有(母語)や、宗教、伝承、社会組織などがその基準となるが、普遍的な客観的基準を設けても概念内容と一致しない場合が多いことから、むしろある民族概念への帰属意識という主観的基準が客観的基準であるとされることもある[1]

また、日本語の民族の語には、近代国民国家の成立と密接な関係を有する政治的共同体の色の濃い nation の概念と、政治的共同体の形成や、集合的な主体をなしているという意識の有無とはかかわりなく、同一の文化習俗を有する集団として認識される ethnic groupの概念の双方が十分区別されずに共存しているため、その使用においては一定の注意を要する。 

本項ではethnic groupについて記す。(nationについては国民を参照。)

定義・分類編集

「民族」という概念は広がりを持つものであり、客観的基準を設けても概念内容と一致しない場合が多い。以下のよう分類されることが多い。

母語による分類編集

民族の最も実用的分類の一つとして、母語による分類がある[2]ウラル語族を母語とする民族はウラル系民族テュルク諸語を母語とする民族はテュルク系民族などである。この場合、民族の括りは言語のそれと等しくなり、言語によって民族が一意に定まる。

なお、語族によって定義された民族集団に特異的なY染色体ハプログループは以下のとおりである[3]

生活様式による分類編集

生業様式によって定義する方法である。狩猟採集民族農耕民族遊牧民族騎馬民族など。

語源・語義編集

東アジアにおける語源編集

中国古典では「民族」は一定のグループをなす人々の共同体を指す。近代的な、文化的な固有性というニュアンスでの「民族」の用例の最も早い例としては、6世紀の前半に成立した『南斉書』列伝三十五の「高逸伝・顧歓伝」中の

「今諸華士女、民族弗革、而露首偏踞、濫用夷禮」(民族を氏族とする写本もある)

という記述をあげることができる。なおこの記事は、士大夫やその子女までも中国の北朝の異民族の風俗(夷礼)に染まっていると述べている部分である。

関連する用語編集

脚注編集

  1. ^ 山内昌之『民族の時代』NHK人間大学テキスト,1994,30頁
  2. ^ 水野一晴(2016)『人間の営みがわかる地理学入門』ベレ出版
  3. ^ 崎谷満(2009)『DNA・考古・言語の学際研究が示す 新・日本列島史』勉誠出版

関連項目編集

外部リンク編集