ギンヨウセンネンボク(銀葉千年木、学名:Dracaena sanderiana)は、スズラン亜科ドラセナ属常緑低木[3]種小名サンデリアーナで呼ばれることもある。観葉植物として栽培され、特に頂部以外の葉を落としてのような外見に仕立てたものは、ミリオンバンブーラッキーバンブー万年竹富貴竹などの商品名で販売される。

ギンヨウセンネンボク
「ラッキーバンブー」として栽培されるもの
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: キジカクシ科 Asparagaceae
亜科 : スズラン亜科 Nolinoideae
: ドラセナ属 Dracaena
: ギンヨウセンネンボク
D. sanderiana
学名
Dracaena sanderiana Mast.[1]
和名
ギンヨウセンネンボク(銀葉千年木)
英名
belgian evergreen[2]
lucky bamboo

分布 編集

カメルーン原産[2][4]ヨーロッパには1892年ベルリン植物園に送られ紹介された[4]日本には戦前に持ち込まれ、1935年頃には温室で栽培されていたが、本格的な普及は戦後のことである[4]。現在はミニ観葉植物寄せ植えの小鉢物として広く栽培されている[5]

特徴 編集

形態 編集

 
自然生長した本来の姿

高さ1~2m[2][6]。茎は単幹で直立し[2]、葉は長さ10~20cm・幅2~3cm[2]の先端の尖った長披針形で[2]ドラセナの中では短い[7]。葉の基部は茎を抱き、葉の縁は波打って[6]やや下方に湾曲し、緑地の葉の縁に白~黄白色の縞が入る(白覆輪)[2][4][7]。日光を好み、乾燥や低温にもよく耐えるが、冬期は5~8℃以上に保つことが望ましい[8]。繁殖は頂芽を10cmほど切り取り、挿し木で行うことができる[3]

種小名sanderianaドイツラン研究家ヘンリー・フレデリック・コンラッド・サンダーの夫人に因む[4][6]

園芸品種 編集

複数の園芸品種が存在する。

  • ビレスケンス - 縁に淡緑色の縞がわずかに残る以外、ほとんど縞が消失している[6]
  • ボリンクエンシス - プエルトリコで発見された枝変わり種。葉の中央は黄緑色で外側に2本の白縦縞が入り、縁は濃緑色[2][6]
  • マーガレット・バークリー - プエルトリコで発見された枝変わり種。葉は濃緑色で中央にクリーム色の縦縞が入り、縁は半透明になる[2][6]
  • ゴールデン - 葉色の緑は薄く、縁に太く明るい黄色の縞が入る[5]

商品栽培 編集

一定以上の気温を保った室内であればハイドロカルチャーでも容易に発根する丈夫な植物であり、多くは30cm内外の小型ドラセナとして仕立てられる[4]。特に、頂部以外の葉を取り除きのような外見に仕立てたものは、「ラッキーバンブー」(英名)「ミリオンバンブー[3]万年竹」等の商品名で流通し、中国台湾でも「富貴竹」と呼ばれ縁起物として販売される。無論、外見のみを見立てたものでタケ亜科の仲間ではない。

頑丈な性質で変形にも耐えるため、らせん状やハート形、塔型の寄せ植え等、様々な形状に加工されて(下掲ギャラリー参照)販売されている。

脚注 編集

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2015年4月20日). 2018年1月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 園芸植物大事典、404頁。
  3. ^ a b c 小川、86頁。
  4. ^ a b c d e f 塚本、114頁。
  5. ^ a b 高林、61頁。
  6. ^ a b c d e f 土橋、149頁。
  7. ^ a b 山溪カラー名鑑、432頁。
  8. ^ 高林、60頁。

参考文献 編集

  • 『園芸植物大事典 3』小学館、1988年。 
  • 土橋豊『検索入門観葉植物 1』保育社、1987年。ISBN 4-586-31029-4 
  • 塚本洋太郎『改訂新版 原色花卉図鑑 下』保育社、1975年。ISBN 4-586-30010-8 
  • 小川恭弘(監修)『わかりやすい観葉植物の育て方』大泉書店、2006年。ISBN 4-278-04443-7 
  • 高林成年『育てやすい観葉植物60種』同朋舎、1993年。ISBN 4-8104-1296-2 
  • 『山溪カラー名鑑 観葉植物』山と溪谷社、1991年。ISBN 4-635-09023-X 
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)