クマノミズキ(熊野水木[5]・女真[6]学名: Cornus macrophylla)はミズキ科ミズキ属落葉高木。山地に生える。和名は、三重県熊野に産するミズキの意味。熊野の地名がつくが、ミズキとともに日本全国各地でみられる[5]

クマノミズキ
福島県会津地方 2009年6月下旬
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ミズキ目 Cornales
: ミズキ科 Cornaceae
: ミズキ属 Cornus
: クマノミズキ C. macrophylla
学名
Cornus macrophylla Wall. (1820)[1]
シノニム
和名
クマノミズキ(熊野水木)

分布と生育環境

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日本では、本州四国九州に分布し、山地に自生する[5]アジアでは、朝鮮台湾中国ヒマラヤアフガニスタンに分布する。

特徴

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落葉広葉樹の高木で、樹高は8 - 12メートル (m) になる。枝は横に張り出し、枝先が上を向くミズキ科特有の樹形になる[5]。樹皮は灰褐色から灰黒緑色で縦筋が入る[5]。一年枝は緑色や赤褐色で、ほぼ無毛、4 - 6の縦稜がある[5]は、長さ1 - 3センチメートル (cm) の葉柄をもって枝に対生し、形は卵形または楕円形で、先端は長い鋭尖頭で基部はくさび形、縁は全縁。葉身の長さ6 - 16 cm、幅3 - 7 cmで、裏面はやや粉白色になる。

花期は6 - 7月。新枝の先に、径8 - 14 cmの散房花序をつける。花は多数の白色4弁花。果期は10月。果実は核果で、径5ミリメートル (mm) ほどの球形で紫黒色に熟す。

冬芽裸芽で、黒っぽい毛に覆われた幼い葉が2枚向き合い、先は白い毛があり筆の穂先のようになる[5]。枝先に頂芽がつき、枝には側芽が対生する[5]。葉痕は突き出し、葉痕から稜が下方に伸びる[5]。葉痕に維管束痕が3個つく[5]


ミズキ属の植物

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  • ミズキ(水木) Cornus controversa var. controversa
ミズキはクマノミズキより花期は1月ほど早く、葉は枝に互生する。

脚注

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、63頁。ISBN 978-4-416-61438-9