グリーゼ238b
グリーゼ238b(英語: Gliese 238 b)とは、地球からがか座[注 1]の方向に15.2156パーセク (49.627 ly) 離れた位置に存在する恒星であるグリーゼ238の周囲を公転している太陽系外惑星である。TIC 260708537 b、TOI-486 b、LHS 1855 bなどといった別名も持つ[1]。
グリーゼ238b Gliese 238 b | ||
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星座 | がか座[注 1] | |
分類 | 太陽系外惑星 地球型惑星[1] | |
発見 | ||
発見年 | 2024年[1] | |
発見者 | TESS[1] | |
発見方法 | トランジット法[2][1] | |
現況 | 確認[2] | |
位置 元期:J2000.0[3] | ||
赤経 (RA, α) | 06h 33m 49.9711873177s[3] | |
赤緯 (Dec, δ) | −58° 31′ 42.450688727″[3] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -404.050 ミリ秒/年[3] 赤緯: 795.950 ミリ秒/年[3] | |
年周視差 (π) | 65.7220 ± 0.0129ミリ秒[3] (誤差0%) | |
距離 | 49.627 ± 0.01 光年[注 2] (15.216 ± 0.003 パーセク[注 2]) | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 0.02123+0.00016 −0.00017 au[1] (3,175,963+23,936 −25,432 km) | |
公転周期 (P) | 1.7446999+0.0000019 −0.0000018 日[1] | |
軌道傾斜角 (i) | 89.99+0.80 −0.79°[1] | |
通過時刻 | BJD 245826.98222±0.0007[1][2] | |
グリーゼ238の惑星 | ||
物理的性質 | ||
直径 | 7220 km[注 3] | |
半径 | 0.566±0.014 R⊕[1] | |
表面積 | 1.638×108 km2[注 3] | |
体積 | 1.971×1011 km3[注 3] | |
平衡温度 (Teq) | 758+16 −15 K[1] | |
他のカタログでの名称 | ||
GJ 238 b[3] LHS 1855 b[3] HIP 31300 b[3] ルイテン182-44 b[3] 2MASS J06334998-5831426 b[3] TIC 260708537 b[3] TOI-486 b[3] TYC 8547-1747-1 b[3] |
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発見
編集グリーゼ238bは最初、TESSによるトランジット法を用いた観測で惑星候補として検出された。TESSはグリーゼ238をセクター1-6、8-13、27-39(2018年7月25日-2019年1月7日、2019年2月2日-2019年7月18日、2020年7月4日-2021年6月24日)の合計25セクターの間観測し続けた。グリーゼ238は天の南極に近い場所にあり、TESSが南天の観測を行っているときに長期間にわたって観測される領域の中に位置していた。TESSによる観測で周囲に太陽系外惑星が存在する可能性が示された恒星にはTESS object of interest(TOI)という天体カタログにおける名称が与えられる。これにより、グリーゼ238はTOI-486、惑星候補はTOI-486.01という名称で2019年5月7日[4]にTESS object of interestに追加された。その後、データの分析やフォローアップ観測が行われ、TOI-486.01が誤検出などではなく実際の惑星であることが確認された。それに伴い、TOI-486.01はグリーゼ238b(TOI-486 b)と命名され、グリーゼ238bの発見及び確認を公表する論文はアストロノミカルジャーナルにて2024年5月24日に掲載された[1]。
特徴
編集グリーゼ238bは約1.74日の公転周期を持ち、主星から0.02123天文単位 (3,176,000 km) 離れた位置を公転している[1]。
グリーゼ238bの半径は0.566地球半径(1.064火星半径)で、これはこれまでに知られている太陽系外惑星の中でも特に小さいものの1つであり、トランジットを起こす小さな惑星の中では特に太陽系に近いものである。さらに、グリーゼ238bの発見時点で、TESSによる観測で発見された惑星の中では最も小さい惑星となった。他のグリーゼ238bと同程度の大きさの惑星を持つ恒星はその惑星以外にも惑星を持っていることが多いが、グリーゼ238系においては長期間のTESSによる観測でグリーゼ238b以外の惑星候補となるような信号は検出されていない。仮にグリーゼ238系にグリーゼ238bとは別の未知の惑星が存在している場合、大きさが小さすぎてこれまでのデータでは検出ができなかったか、トランジットを起こさない惑星である可能性が考えられる。トランジットを起こす惑星の場合は今後のTESSの拡張ミッションにより検出できる可能性があり、トランジットを起こさない惑星である場合はドップラー分光法を用いた観測で発見できる可能性がある[1]。
地球 | グリーゼ238b |
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脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p Tey, Evan; Shporer, Avi; Lin, Zifan; Stassun, Keivan G.; Lissauer, Jack J.; Hellier, Coel; Collins, Karen A.; Collins, Kevin I. et al. (2024-05-24). “GJ 238 b: A 0.57 Earth Radius Planet Orbiting an M2.5 Dwarf Star at 15.2 pc”. The Astronomical Journal 167 (6): 283. arXiv:2407.18199. Bibcode: 2024AJ....167..283T. doi:10.3847/1538-3881/ad3df1. ISSN 0004-6256.
- ^ a b c “Planet GJ 238 b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. Paris Observatory (2024年5月27日). 2024年10月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “Result for GJ 238”. SIMBAD Astronomical Database. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2024年10月4日閲覧。
- ^ “TESS Project Candidates”. NASA Exoplanet Archive. 2024年10月3日閲覧。