ケンタウルス座アルファ星Ab
ケンタウルス座α星Ab[1]（Candidate 1またはC1とも呼称される）とは、2021年2月に恒星 ケンタウルス座α星A の周囲を公転している可能性がある、直接撮影された太陽系外惑星の候補である。主星から約1.1天文単位離れた距離を約1年の公転周期で公転しており、海王星の質量と土星の質量の間の質量を持っている[3]。この質量から、ケンタウルス座α星Abはガス状の惑星である可能性が高く、したがって、居住可能な太陽系外衛星がケンタウルス座α星Abの周囲を公転している可能性はあるが、ケンタウルス座α星Aのハビタブルゾーン内に岩石惑星が存在する可能性は排除されている。
| ケンタウルス座α星Ab Alpha Centauri Ab | ||
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2021年にNEARによって撮影されたケンタウルス座α星Ab（C1と示されている）が発見されたときの画像
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| 星座 | ケンタウルス座 | |
| 分類 | 太陽系外惑星 海王星型惑星? | |
| 発見 | ||
| 発見年 | 2021年[1] | |
| 発見方法 | 直接撮像法[1] | |
| 現況 | 候補[1] | |
| 位置 | ||
| 赤経 (RA, α) | 14h 39m 36.49400s[2] | |
| 赤緯 (Dec, δ) | −60° 50′ 02.3737″[2] | |
| 視線速度 (Rv) | -21.40±0.76 km/s[2] | |
| 年周視差 (π) | 743 ± 1.3ミリ秒[2] （誤差0.2%） | |
| 距離 | 4.39 ± 0.008 光年[注 1] （1.346 ± 0.002 パーセク[注 1]） | |
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ケンタウルス座α星Aの位置
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| 軌道要素と性質 | ||
| 軌道長半径 (a) | 1.1 au | |
| 公転周期 (P) | ~360 日 | |
| 軌道傾斜角 (i) | ~70° | |
| ケンタウルス座α星Aの惑星 | ||
| 衛星の数 | 0 | |
| 物理的性質 | ||
| 半径 | <7 R⊕ | |
| 質量 | ~20-50 M⊕ | |
| 他のカタログでの名称 | ||
| Candidate 1（C1） HD 128620 b[2] GJ 559 Ab[2] HIP 71683 b[2] HR 5459 b[2] LHS 50 b[2] LTT 5806 b[2] リギル・ケンタウルスb[2] TYC 9007-5849-1 b[2] |
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発見 編集
Breakthrough Watch Initiativeの天文学者は、中赤外線での太陽系外惑星の直接観測用に新しく開発されたシステムを使用して、ハビタブルゾーン内を公転する太陽系外惑星候補を直接撮影した[4]。その惑星候補は多くの独立したデータセットにわたって検出可能な候補であり、何年も前からの以前の観測はそれが背景に存在する恒星である可能性を除外した。チームは、ネイチャー コミュニケーションズの出版物「Imaging low-mass planets within the habitable zone of Alpha Centauri」で、太陽系外惑星候補の発見を発表した[5]。しかし、観測期間の長さはわずか100時間であるため、それが本当に惑星であるかどうかを判断するには不十分であり、黄道帯の塵または機器のアーティファクトである可能性がある。
物理的特性 編集
ケンタウルス座α星Abについてはほとんど知られていないものの、その観測に基づいて推測できるいくつかの特徴がある。地球の視点に対するその軌道傾斜角は約70°で、ケンタウルス座α星系全体での視点と一致している。検出アルゴリズムで海王星質量の周囲にある必要があり、視線速度におけるその質量のしきい値は地球質量の~50倍のため、地球半径の7倍より大きくはないが[6]、地球半径の3.3倍を下回るとそれは表示されない。この大きな質量のために、ケンタウルス座α星Abが岩石惑星である可能性は非常に低く、海王星サイズの惑星である可能性がある。それが本当に惑星であるのか、それとも観測期間が短いために惑星ではなかったのかを判断するには、フォローアップ観測が必要となる。
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
- ^ a b c d “Planet alf Cen A b”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア. 2021年2月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “alf Cen A”. Simbad. 2021年2月26日閲覧。
- ^ Wagner, K.; Boehle, A.; Pathak, P.; Kasper, M.; Arsenault, R.; Jakob, G.; Käufl, U.; Leveratto, S. et al. (2021-02-10). “Imaging low-mass planets within the habitable zone of α Centauri” (英語). Nature Communications 12 (1): 922. doi:10.1038/s41467-021-21176-6. ISSN 2041-1723.
- ^ “Astronomers' hopes raised by glimpse of possible new planet” (英語). the Guardian (2021年2月10日). 2021年2月12日閲覧。
- ^ Gough, Evan (2021年2月11日). “Possible Super-Earth in the Habitable Zone at Alpha Centauri” (英語). Universe Today. 2021年2月12日閲覧。
- ^ Zhao, L.; Fischer, D.; Brewer, J.; Giguere, M.; Rojas-Ayala, B. (January 2018). “Planet Detectability in the Alpha Centauri System”. Astronomical Journal 155 (1): 12. arXiv:1711.06320. Bibcode: 2018AJ....155...24Z. doi:10.3847/1538-3881/aa9bea 2017年12月29日閲覧。.