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ソウル特別市地下鉄公社1000系電車 (初代)

1000系電車(1000けいでんしゃ)は、1974年8月15日に営業運転を開始したソウル交通公社(旧・ソウル特別市地下鉄公社→ソウルメトロ)の通勤形電車

ソウル特別市地下鉄公社1000系電車(初代)
SMSC EMU Old1000 2nd.jpg
旧1000系電車(先頭車改造車)
写真は不燃化改造前のもの
基本情報
製造所 日立製作所大宇重工業現代精工、ロテム(現・現代ロテム
主要諸元
編成 10
軌間 1435 mm
電気方式 直流1,500V・交流25,000V (60Hz)
最高運転速度 110 km/h
起動加速度 2,5 km/h/s
減速度(常用) 3,5 km/h/s
減速度(非常) 4,5 km/h/s
編成定員 1048人(立席)+528人(座席)=1576人 / 1048人(立席)+522人(座席)=1570人
車両定員 148(48(座席)+100(立席))人(先頭車)
160(54(座席)+106(立席))人(中間車)
車両重量 34,2t (Tc) 、43,8t (M1) 、47,6t (M2) 、33,0 (T) 、26,5t (T1) 、32,0t (T2)
編成重量 408,6t
全長 20,000(改造Tcは20,100) / 20,000 mm
全幅 3,200 mm
全高 4,500 mm
車体 普通鋼
主電動機 直流直巻電動機
三菱MB-3195-A(端子電圧375V・定格電流360A・定格回転数1,650rpm)
主電動機出力 120kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 15:87(1:5.80)
編成出力 120kW×24=2880KW
制御装置 電動カム軸接触器式抵抗制御
日立MMC-HTB-20L
制動装置 SELD発電ブレーキ併用、電磁直通空気ブレーキ
保安装置 ATS
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概要編集

ソウルメトロ1号線および相互乗り入れ先の京釜線京仁線京元線で使用される。韓国国鉄 (鉄道庁、現・韓国鉄道公社) の1000系電車と同形である。車両番号は1000系であるが、制御方式から「抵抗車」と呼ばれる電鉄最初の電車である。日本国鉄301系によく似た車両であるが、こちらは鋼製車体で6M4T、韓国国鉄(鉄道庁)交流電化地下鉄直流電化のため交直流電車となっている。
クリーム色の車体に窓部だけ赤色の帯が引かれた。(韓国国鉄の車両はの車体に窓部だけクリーム色の帯が引かれ、在来の普通列車(後のピドゥルギ号)と共通させていた)。

主な仕様編集

戸袋窓と妻窓は無く、ドアの窓は1974年~1989年製造車はかつての営団地下鉄車両に類似した小さいタイプで高い位置に、1999年2004年製造車については大きいタイプで標準的な位置についている。側窓は1974年~1989年製造車については2段昇降式の外嵌めユニットサッシであるが、1999年、2004年製造車については変更された。荷棚はアルミ鋳物とパイプで組み立てられており、当初内装の色はベージュの化粧板と臙脂色のモケットの暖色系であった[1]が、後述の不燃化改造により変更された。つり革は当初、白い丸形のものが採用されたが、1989年に製造された中間車には3号線3000系と同様の黒い三角形のものが採用されている。2/4扉閉め切り機能が設けられている。パンタグラフは空気上昇バネ下降式の下枠交差型で、その周辺の屋上機器は日本国鉄の415系電車に近似しているが、遮断器新幹線電車並みのVCB (真空遮断器) を採用している。主制御器には、応答速度に優れる制動転換器を採り入れられている。運転台機器には緊急列車停止装置(EB装置)があり、1分間運転操作されないと、5秒間の警報音の猶予ののち非常ブレーキが動作する。運転台からは遠隔ユニット開放が可能である。

沿革編集

1974年8月15日の開業に合わせ、60両が日本から輸入され、6両編成10本で運行を開始した。[2]

1977年12月1978年1月にかけて、さらに韓国でノックダウン生産された6両編成6本(36両)が増備された。

1989年に従来の6両編成を10両編成にするための冷房装置付の中間車64両が新製、挿入され、既存の車両もメーカーにて冷房改造されたことで、全編成が10両編成化ならびに冷房化された。この時点で10両編成16本(160両)の陣容となった。

1999年にはVVVFインバータ制御新造車(新1000系)投入開始に伴い、耐用年数の25年に達した車両の代替廃車が始まったが、車齢の若い1989年製の車両については廃車とはせずに編成から抜き取った上で付随車の一部は新1000系に改造編入の上で組み込み、1000系のままで残存する車両については付随車の一部を先頭車に改造し、1989年製の車両のみで編成を組成する事による既存車両の編成組み換えが行われ、これに伴い中間電動車ユニット2組が不足するため、側窓が内折れ窓になった中間車4両が1999年5月に新造され、1989年製造車6両と編成を組み107編成を組成した。

2002年には同年2月22日水原駅構内で発生したモーターカーとの追突事故により、107編成(現111編成)のうち損傷の激しかった1989年製の先頭車改造車1両と1999年製の中間車2両が廃車となった、事故の原因を作った韓国鉄道庁は余剰となった車両を提供することで弁済を提案したが、1999年に新造された車両が廃車となったため地下鉄公社は車両新造の費用を請求した。補償交渉が長期になったため、被害を受けた編成は長期の運用離脱を余儀なくされた。1711・1811・1911の3両は廃車となった車両から機器の再利用を行い2004年に製造された。当系列の製造両数は合計167両であるものの全車が同時に存在したことはない。

現在残存するのは鋼製車編成が10両編成6本(60両)と新1000系に改造編入された中間付随車が8両の計68両であり、全て1989年以降に製造された車両である。鋼製車編成のうち、当初から先頭車として製造された車両は2004年製の1911のみで側窓が内折れ窓なのが特徴である。他は中間付随車から運転台取り付け改造が行われた車両が先頭車になっている。いずれも前面形状はオリジナルと異なり、新1000系と同じタイプで西武鉄道6000系電車によく似たものになっている。オリジナルの前面形状(鉄道庁1000系初期車と同じ前面の301系タイプ。下の写真)を保つ車両はデビュー当初の車両を含めて2002年7月までに廃車となっており、後述の保存車両以外は現存しない。


不燃化改造編集

2003年大邱地下鉄放火事件を契機に強化された鉄道車両の難燃基準に沿って、2005年までに当時残存していた1999年までの投入分に関して内装材改造を完了した。この改造工事の施工はロウィン・ロテム(現・現代ロテム)が担当した。座席はステンレスに変更され、火災警報器と客室非常用インターホンを設置した。事件後に製造された2004年製の3両については当初よりこの仕様で落成している。

延命工事編集

2014年3月に法令上の鉄道車両の法定耐用年数(製造後40年[注 1])が撤廃されたため、2015年9月から12月にかけて現存する全車両に以下の延命工事が実施された。

  • 正面の方向幕および列車番号表示器をLED表示器に交換
  • 側面方向幕の使用を停止し、ソウル交通公社のロゴを貼り付け[注 2]
  • 補助電源装置を電動発電機から静止形インバータ(SIV)に換装
  • 主制御器を新品に換装[注 3]
  • 車内案内表示器を、現在時刻が表示できるものに換装

この延命工事は車両寿命を15年延ばすことが想定されており、本系列は2029年頃まで使用される予定である。

編成編集

 
成均館大駅と華西駅間の泉川里踏切にて、1988年撮影。
  • 10両(6M4T)
  1. 1000型 先頭車Tc
  2. 1100型 電動車M
  3. 1200型 電動車M'◇(パンタグラフ1基)
  4. 1300型 付随車T
  5. 1400型 電動車M 
  6. 1500型 電動車M'◇
  7. 1600型 付随車T
  8. 1700型 電動車M
  9. 1800型 電動車M'◇
  10. 1900型 先頭車Tc

編成表編集

  Tc M M' T M M' T M M' Tc
  1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 1700 1800 1900
編成番号 111 1011 ♭1111 ♭1211 1311 1411 1511 1611 ♭1711 ♭1811 ♭1911
112 1012 1112 1212 1312 1412 1512 1612 1712 1812 1912
113 1013 1113 1213 1313 1413 1513 1613 1713 1813 1913
114 1014 1114 1214 1314 1414 1514 1614 1714 1814 1914
115 1015 1115 1215 1315 1415 1515 1615 1715 1815 1915
116 1016 1116 1216 1316 1416 1516 1616 1716 1816 1916

の車両は1999年・2004年に製造された車両。

保存車両編集

 
新亭車両基地で保管中の101編成
(2010年1月26日)

2000年に廃車された101編成中の6両(1001-1101-1301-1102-1302-1002、韓国初の地下鉄車両)が新亭車両基地内に静態保存されている。ソウルに建設予定の地下鉄博物館に展示するため保管されており、通常は非公開である。

また、この他にも韓国各地で保存車が存在する。

脚注編集

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  1. ^ 2010年に都市鉄道法が改正され、法定耐用年数が25年から最大40年に延長されていた。
  2. ^ 本系列の運用範囲にホームドアが設置され、効果がなくなったため。
  3. ^ ただし、制御方式は抵抗制御のままである。

出典編集

  1. ^ 鉄道ピクトリアル 282号 (鉄道図書刊行会)
  2. ^ Seoul Subway 1991年版 (ソウル特別市地下鉄公社)

関連項目編集

外部リンク編集