ツマグロゼミ(端黒蝉、学名 Nipponosemia terminalis)は、カメムシ目(半翅目)・セミ科に分類されるセミの一種。

ツマグロゼミ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅昆虫亜綱 Pterygota
: カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目 : 頚吻亜目 Auchenorrhyncha
上科 : セミ上科 Cicadoidea
: セミ科 Cicadidae
亜科 : セミ亜科 Cicadina
: クサゼミ族 Moganniini
: ツマグロゼミ属 Nipponosemia
: ツマグロゼミ
N. terminalis
学名
Nipponosemia terminalis
(Matsumura,1913)
シノニム

Abroma terminalis

分布

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日本(先島諸島)、台湾中国に分布する[1]。北限は宮古島[2]

先島諸島のうち、八重山諸島では石垣島竹富島黒島小浜島新城島西表島波照間島与那国島に広く分布するが、宮古諸島では宮古島南部の限られた地域(城辺字砂川・字友利の一部と上野地区の一部)のみに生息する。宮古方言では「ヌスピガーラ」(ヌスピィガーラー)や「ヌービスガーラ」と呼ばれる[2][3]

形態

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全長28-36mm、体長19-27mm、前翅開張58-68mm。

背面には1本の縦条があり、腹面は淡緑色から淡青色となる。前翅先端には小さな暗色紋があり、ツマグロゼミという名の由来となっている[3]

生態

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イスノキアカギクロヨナオオバキなどのさまざまな樹木にみられる。出現期は5月上旬から7月中旬。「シーシー」もしくは「シッシッシッ、シー」と鳴く。

人間との関係

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宮古島の個体群は、『環境省レッドリスト2018』及び『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版』(2017年 )で「絶滅のおそれのある地域個体群」とされている。また、宮古島市では市の天然記念物に指定されている[2][3]

脚注

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  1. ^ 林正美・税所康正『日本産セミ科図鑑』誠文堂新光社、2011年2月28日。ISBN 978-4-416-81114-6 
  2. ^ a b c 林正美「ツマグロゼミ」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版 -動物編- 3.9 昆虫類』(PDF)環境省自然環境局 生物多様性センター、2016年3月、393-394頁http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizen/hogo/documents/konnchuurui.pdf2018年6月4日閲覧 
  3. ^ a b c 【市指定:天然記念物・動物】ツマグロゼミ”. 宮古島市教育委員会公認歴史文化観光ロードアプリサイト. 宮古島市教育委員会. 2018年6月4日閲覧。