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モデルSModel S)は、アメリカテスラが製造・販売しているセダンタイプの電気自動車である。

テスラ・モデルS
Tesla Model S 75D (2018)
2018 Tesla Model S 75D.jpg
Tesla Model S 75D (2016)
Hamburg Tesla Model S.jpg
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 2012年-現在
デザイン Franz von Holzhausen
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア セダン
駆動方式 RR (2012-2017) / 4WD (2014-)
モーター かご形三相誘導電動機
変速機 単速
全長 4,978mm
全幅 1,964 mm
全高 1,440 mm
ホイールベース 2,960 mm
車両重量 1,961 kg-2,250 kg
別名 コードネーム: ホワイトスター
-自動車のスペック表-
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概要編集

ロードスターに続いて2車種目となるテスラの電気自動車で、ボディタイプは「4ドアセダン」と紹介されているが、リアには大型のテールゲートを備えており、厳密にいえば「5ドアハッチバック」となる。2012年6月にアメリカで発売され、2013年からは日本でも発売された。現在は過去NUMMIと呼ばれた工場で生産されている[1]

エクステリアは、シャープなフロントマスクをまとい、青色LEDランプを多用。デザイン担当は、マツダの北米デザインセンターでディレクターを務めていたフランツ・フォン・ホルツハウゼン英語版[2]

インテリアには、リサイクル可能なPET樹脂や、ヴィーガンレザーを用い、高級感の漂う内装とされている。また、インストルメント・パネル(ダッシュボード)には、17型の液晶画面を備え、様々な情報を得ることができるようになっている。

オプションで完全自動運転対応機能を購入すると、ソフトウェアアップデートにより準備のできたものから順に有効になる。

2014年10月9日に前輪側にモーターを追加し4輪駆動とした「P85D」を発表[3]、2017年9月24日以降はデュアルモーターAWD (4輪駆動)のみ受注している[4]。また、セダンにも関わらず通常の5人分の座席に加えて、オプションでラゲッジスペースに子ども2人が後ろ向きで座ることのできるビルトインの補助シートが設けることが出来た。2019年3月現在は補助シートのオプションは受け付けていない。

パワートレインには、新規開発された9インチの液冷式モーターを採用。2019年4月には、モデル3で最初に採用された「永久磁石同期式リラクタンスモーター」をモデルSに最適化した最新バージョンに一新。前部の永久磁石モーターと後部の誘導モーターを組み合わせることで電費を向上させつつ、パワーとトルクも増加した[5]。床下には、新規開発されたパナソニック製のリチウムイオン電池18650を搭載。一度の充電での航続は、WLTP基準で最大610kmの走行が可能[6]で、2019年5月現在市販されているEVで最長の航続距離[7]。ルーディクラスパフォーマンスモデルはわずか2.6秒で100km/hまで加速し、最高速度は261km/h。家庭用コンセントから充電可能。

日本では「ベネッセコーポレーション」の幼児向け通信教育教材「こどもちゃれんじ」のイメージキャラクター・しまじろうをモチーフとした「しまじろうカーⅡ」が本車をベースに登場している。

安全性能編集

映像外部リンク
  NHTSA Frontal crash test - YouTube
  NHTSA Side crash test - YouTube
  NHTSA Pole crash test - YouTube
  EuroNCAP crash test - YouTube
  Tesla EV Safety Training for rescuers - YouTube

テスラのモデルS、X、3は、米幹線道路交通安全局(NHTSA)が実施した正面衝突や、側壁・柱との衝突、横転のシミュレーション試験の衝突安全テストで、最高の5つ星を獲得した[8]

2014年11月5日、ユーロNCAPコンソーシアムはモデルSの衝突安全テストの結果を公表し、最高評価の5つ星と認定した[9]

事件・事故編集

2013年10月初頭から6週間の間に、相次いで3件の火災事故が発生。アメリカ運輸省国家道路交通安全局(NHTSA)は、最初の火災については自動車の欠陥を示す証拠は見当たらないとのコメントを出したが、会社の株価が下落する事態となった[10]

2016年5月7日、アメリカフロリダで高度運転支援システム(ADAS)であるHardware 1のAutopilotで運転中のテスラ・モデルSが前を対向車線から左折したトレーラー横に突っ込んで車が大破し運転手が死亡した。フロリダ高速警備隊の当初の事故報告によると、事故の原因は優先権があったテスラに道を譲らなかったトラック運転手の過失[11]。自動運転初の死亡事故と誤報されて話題となったが、このテスラに搭載されていた運転支援機能はレベル2相当であり、NHTSAがレベル4やレベル3に区分している自動運転車には該当しない。テスラによると、日差しが強かったために、ドライバーも自動運転機能も白い色のトレーラーを認識できず、ブレーキが作動しないまま、トレーラーの下に潜り込む形で衝突した。また、メーカーは「自動運転中でも、運転者はハンドルを持ちながら前を直視すべき」と提唱しているが、運転者が37分間の走行中ステアリングホイールに手を添えていた時間は、わずか25秒だった[12]。2017年1月19日、NHTSAは調査報告書を発表。自動運転システム含め、車両に欠陥はないとした[13][14]。 しかし、米運輸安全委員会(NTSB)は2017年9月12日、「オートパイロット」の設計上の不備が一因との結論を公表した[15]。事故後テスラは前方監視用単眼センサーを供給するMobileyeとの関係を解消[16]。また、ソフトウェアを8.0へ更新し、周囲の障害物検知のためにカメラよりもレーダーを主に利用するようにした。同時に、ドライバーがハンドルから手を離し警告も無視する状況が続けばAutopilotを強制的に解除するようプログラムに変更を加えた。マスクCEOは9月11日、バージョン8.0なら先の死亡事故は防げたかとの問いに対し「防げていたかもしれない」と返答した[17]

2016年9月19日、テンセントの研究チームがテスラ・モデルSに物理的接触なしで車をハッキングで遠隔操作できる脆弱性があることを初めて実証して話題となった[18][19][20][21]

脚注編集

  1. ^ トヨタとテスラ、共同開発のEVをNUMMIで生産へ Response.、2010年5月21日
  2. ^ 17型液晶搭載のテスラ「MODEL S」 日経トレンディネット、2012年1月24日
  3. ^ テスラ モデルS 2モーター4WDの「P85D」、日本納車は2015年夏以降 Response 2014.11.1
  4. ^ Tesla is discontinuing the rear-wheel drive Model S next week – the cheapest Model S option Electric 2017.9.21
  5. ^ テスラ、Model S / Model Xのパワートレインを一新、さらに電費向上。満充電で最大595km走行可能に Engadget日本版 2019.04.24
  6. ^ Model Sをお好みのデザインに”. Tesla. 2019年9月19日閲覧。
  7. ^ テスラ、市販EVの最長航続距離の記録をまた塗り替える。 GIZMODO 2019.05.07
  8. ^ 米テスラ:「モデル3」セダンが米当局の衝突試験全てで最高評価 Bloomberg 2018年9月21日
  9. ^ 【ユーロNCAP】テスラのEV、モデルS…最高評価の5つ星 Response 2014年11月11日
  10. ^ “米テスラの「モデルS」で新たに火災事故、株価急落”. ロイター (ロイター通信社). (2013年11月4日). http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE9A700Y20131108 2013年11月8日閲覧。 
  11. ^ 死亡事故のテスラは自動運転車ではなかった ニュースウィーク日本版 2016年7月8日
  12. ^ テスラの死亡事故、ドライバーはほぼ手放し運転…米当局が報告書 Response 2017.6.22
  13. ^ テスラ車死亡事故の調査を米当局打ち切り-リコール必要性認めず”. ブルームバーグ (2017年1月20日). 2017年1月20日閲覧。
  14. ^ テスラ「自動運転」事故、リコール求めず 米運輸省”. 日本経済新聞 (2017年1月20日). 2017年1月20日閲覧。
  15. ^ テスラ車の16年死亡事故、オートパイロット機能に一因-米運輸安全委 Bloomberg 2017年9月13日
  16. ^ テスラ、Autopilot主要技術メーカーとの関係を解消。今後は自社内開発へシフトチェンジの見込み Engadget 2016年7月27日
  17. ^ 「もうあの事故は起こらない」テスラが自動運転改善の新ソフトウェア配布へ Engadget 2016年9月12日
  18. ^ テスラ「モデルS」をハッキング、中国研究チームが実演”. AFPBB (2016年9月21日). 2018年1月21日閲覧。
  19. ^ テスラのモデルSはハック可能、ハッカーにやりたい放題される危険性”. GIGAZINE (2016年9月21日). 2018年1月21日閲覧。
  20. ^ 中国のセキュリティーラボが、テスラ車を「ハッキング」した瞬間”. WIRED (2016年9月24日). 2018年1月21日閲覧。
  21. ^ こうしてTesla車を遠隔ハッキングした、中国Tencentが詳細を公開”. 日経BP (2017年7月28日). 2018年1月21日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集