トマトソース
トマトソース(英: Tomato sauce)は、トマトをベースとして作られたソースの総称。日本ではフランス料理に範を取る洋食系のものと、イタリア料理の基本となるサルサ・ディ・ポモドーロがよく知られている。
主に、肉や魚介、豆類などの煮込み料理のソースに利用される[1]。ソースの調理過程で使用するトマトは、ソースのなめらかな舌触りを出すために、皮を湯むきして、あらかじめ種を取り除いておく[1]。また、一緒に使われる玉ねぎを透き通るまで炒めて甘味を引き出した後、トマトを加えてオーブンなどで一緒に火を通してじっくり煮込むことで、甘くマイルドなソースに仕上げる[1]。
日本における一般的な作り方(イタリア料理版)編集
- 微塵切りニンニクとオリーブ・オイルを入れ、弱火にかけて香りを移す。ニンニクはすぐ焦げるため、冷たい鍋に入れて加熱する。
- 微塵切りにしたタマネギを加え、焦がさないようにじっくり炒めて、甘みを引き出す。
- ホールトマトをジュースごと入れ、ヘラなどで潰しつつ煮込む。この際、好みでローリエやバジルを加える。
- 分量が2/3から半分になるまで、ゆっくり掻き混ぜながら煮詰める。
- 最後に塩、コショウで味を調える。
- タマネギを抜くと、イタリア本国で使用されているトマトソースに近くなる。
パスタソース編集
パスタと合わせたものを、トマトパスタの基本として特にポモドリーノ(pomodorino)と呼ぶことが多い。ここから派生して、以下のソースができる。
日本における一般的な作り方(洋食版)編集
洋食では、ベーコンや複数種の香味野菜、鶏ガラ・ブイヨンでコクを出す、小麦粉でとろみを付ける等、いくつか相違点[2]が見られる。
コロッケのソースとしての利用や、ロールキャベツの味付けで多用される。ケチャップを加えてゆでたスパゲティを和えればスパゲティ・ナポリタンになる。また、トマトピューレの代わりに利用されることも多い。オレガノを多めに加えればピザソースになる。
健康編集
ハーバード大学医学部によると、トマトソースにはフラボノイドが豊富に含まれており、野菜や果物同様、物忘れを防ぐ効果がある[3]。
脚注編集
- ^ a b c 講談社編 2013, p. 62.
- ^ “豚肉のピカタ トマトソース”. www.kagome.co.jp. (2018年8月26日) 2018年8月26日閲覧。
- ^ Godman, Heidi (2021年9月17日). “Can flavonoids help fend off forgetfulness?” (英語). Harvard Health. 2022年1月8日閲覧。
参考文献編集
- 講談社編 『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社、2013年5月13日。ISBN 978-4-06-218342-0。
関連文献編集
- L'Arte della cucina in Italia, Emilio Faccioli, Einaudi, Milano, 1987
- Richard Hering: Herings Lexikon der Küche. Hrsg.: F. Jürgen Herrmann. 23. Auflage. Fachbuchverlag Pfanneberg, Haan-Gruiten 2001, ISBN 3-8057-0470-4.
- Erhard Gorys: Das neue Küchenlexikon. Hrsg.: Peter Schimmel. Deutscher Taschenbuch Verlag, München 2001, ISBN 3-423-36245-6.
- Der Silberlöffel. Phaidon Press, Berlin 2006, ISBN 0-7148-9665-9.
- Giuseppe Parisi (Redakteur): Cucina Italiana: Das große Buch der Italienischen Küche. Hrsg.: Accademia Italiana della Cucina. Delphin Verlag, München 1987, ISBN 3-7735-5317-X.