フランク・ホワイト (野球)

アメリカ合衆国の野球選手

フランク・ホワイトFrank White, Jr. , 1950年9月4日 - )は、アメリカ合衆国ミシシッピ州グリーンビル出身の元プロ野球選手二塁手)。右投右打。

フランク・ホワイト
Frank White
1985年10月31日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ミシシッピ州グリーンビル
生年月日 (1950-09-04) 1950年9月4日(73歳)
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手
プロ入り 1970年 アマチュア・フリーエージェントとしてカンザスシティ・ロイヤルズと契約
初出場 1973年6月12日
最終出場 1990年9月30日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴

カンザスシティ・ロイヤルズ一筋にプレーした1970年代後半から1980年代を代表する名二塁手。

経歴 編集

高校時代以後をカンザスシティ近くで過ごす。当時、アスレチックスがカンザスシティに本拠地(1955年 - 1968年)を置いており、試合をよく観にいったという。「レジー・ジャクソンがデビューした頃のこととか、よく覚えてるよ」と語っている。

 
1979年

1969年ア・リーグが12球団に拡張された際、カンザスシティ・ロイヤルズが新たに誕生。ロイヤルズが開設した野球学校を卒業して1970年にドラフト外でプロ入り[1]1973年6月12日にメジャーデビュー。軽快な守備と、長打力こそやや低いが勝負強い打撃で、1970年代後半から1980年代にかけて、ルー・ウィテカーデトロイト・タイガース)、ウィリー・ランドルフニューヨーク・ヤンキース)と共にア・リーグを代表する二塁手として活躍。1977年には62試合連続無失策を記録し、初のゴールドグラブ賞を受賞。この年からの6年連続を含み、通算8回同賞を受賞した。1979年9月26日にはサイクルヒットを達成。1980年のヤンキースとのリーグチャンピオンシップシリーズではチームをワールドシリーズに導き、MVPに選ばれた。LCSのMVP表彰は同年始まったばかりで、その第一号となった。1981年オフにはロイヤルズ単独チームの一員として来日し、各地で軽快な守備を披露した。

1983年までは最多でも11本塁打であったが、徐々に長打力がつき、1984年には17本塁打、1985年には22本塁打を放つ。この年チームはALCSでトロント・ブルージェイズ相手に1勝3敗の不利な状態から3連勝してリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズでもセントルイス・カージナルス相手に1勝3敗から3連勝して、球団創設以来初のワールドチャンピオンに輝く。1986年にも22本塁打、自己最多の84打点を記録し、36歳にしてシルバースラッガー賞を受賞。この年出場したオールスターでは、マイク・スコットから本塁打を打った。出場するにあたって、チームのリー・メイ打撃コーチ(南海でプレーしたカルロス・メイの兄)から、「せっかく出るのならホームランを狙ってこい」と言われていた。開催地ヒューストン・アストロズのスコットに0ボール2ストライクと追い込まれたが、地元のファンが三球三振を望んでスコットに大声援を送っており、これにこたえて3球勝負をしてくると読み、思いっきり振ったところ、本塁打になったという。また同年オフには、メジャーリーグオールスターの一員として日米野球で来日。このシリーズではトニー・ペーニャ捕手(当時ピッツバーグ・パイレーツ)が座ったまま二塁に牽制球を投げて、落合博満を刺したプレーが有名になったが、この時の二塁手はホワイトであった。チームどころかリーグまで異なる選手との見事なコンビネーションであった。

1990年限りで現役を引退。1995年5月2日には現役時代の背番号20」が永久欠番となった。同年、ロイヤルズの殿堂入りを果たす。引退後は、ボストン・レッドソックスのコーチ、ロイヤルズのコーチや傘下マイナーの監督、フロントの要職や解説者を務めた。

長年のチームメイトジョージ・ブレットとは1914試合に共に出場した。これは、守備位置を問わず、二人の選手が同じチームで出場した試合数のア・リーグ記録であったが、1995年にルー・ウィテカーとアラン・トランメルのタイガースのキーストン・コンビ(1918試合)によって破られている。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
1973 KC 51 151 139 20 31 6 1 0 39 5 3 1 2 2 8 0 0 23 1 .223 .262 .281 .542
1974 99 215 204 19 45 6 3 1 60 18 3 4 5 0 5 0 0 33 4 .221 .239 .294 .533
1975 111 329 304 43 76 10 2 7 111 36 11 3 2 2 20 0 1 39 4 .250 .297 .365 .662
1976 152 489 446 39 102 17 6 2 137 46 20 11 18 3 19 0 3 42 4 .229 .263 .307 .570
1977 152 514 474 59 116 21 5 5 162 50 23 5 11 2 25 0 2 67 4 .245 .284 .342 .626
1978 143 501 461 66 127 24 6 7 184 50 13 10 9 2 26 1 3 59 2 .275 .317 .399 .716
1979 127 503 467 73 124 26 4 10 188 48 28 8 3 7 25 3 1 54 11 .266 .300 .403 .703
1980 154 594 560 70 148 23 4 7 200 60 19 6 9 4 19 0 2 69 11 .264 .289 .357 .646
1981 94 390 364 35 91 17 1 9 137 38 4 2 4 3 19 0 0 50 10 .250 .285 .376 .661
1982 145 554 524 71 156 45 6 11 246 56 10 7 7 5 16 1 2 65 12 .298 .318 .469 .788
1983 146 579 549 52 143 35 6 11 223 77 13 5 4 6 20 4 0 51 18 .260 .283 .406 .690
1984 129 515 479 58 130 22 5 17 213 56 5 5 4 3 27 3 2 72 11 .271 .311 .445 .756
1985 149 600 563 62 140 25 1 22 233 69 10 4 5 3 28 2 1 86 8 .249 .284 .414 .698
1986 151 620 566 76 154 37 3 22 263 84 4 4 2 7 43 5 2 88 10 .272 .322 .465 .787
1987 154 624 563 67 138 32 2 17 225 78 1 3 4 4 51 5 2 86 16 .245 .308 .400 .708
1988 150 575 537 48 126 25 1 8 177 58 7 3 7 6 21 3 4 67 16 .235 .266 .330 .595
1989 135 458 418 34 107 22 1 2 137 36 3 2 5 3 30 0 2 52 7 .256 .307 .328 .635
1990 82 257 241 20 52 14 1 2 74 21 1 0 0 3 10 0 3 32 7 .216 .253 .307 .560
MLB:18年 2324 8468 7859 912 2006 407 58 160 3009 886 178 83 101 65 412 27 30 1035 156 .255 .293 .383 .675

年度別守備成績 編集

内野守備


二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)




































1973 KC 11 19 40 3 12 .952 - 37 52 81 9 24 .937
1974 50 67 84 6 23 .962 16 15 24 2 1 .951 29 37 81 4 16 .967
1975 68 126 182 5 35 .984 4 1 7 0 1 1.000 42 55 86 7 20 .953
1976 130 256 391 18 76 .973 - 37 41 92 5 14 .964
1977 152 310 434 8 86 .989 - 4 0 3 0 0 1.000
1978 140 325 385 16 96 .978 - -
1979 125 317 332 12 78 .982 - -
1980 153 395 448 10 103 .988 - -
1981 93 226 263 6 70 .988 - -
1982 144 361 389 17 99 .978 - -
1983 145 390 442 8 123 .990 - -
1984 129 299 425 11 97 .985 - -
1985 149 342 490 17 101 .980 - -
1986 151 316 439 10 91 .987 1 0 0 0 0 ---- 1 1 2 0 1 1.000
1987 152 320 458 10 89 .987 - -
1988 148 293 426 4 88 .994 - -
1989 132 238 407 10 64 .985 - -
1990 79 142 218 8 51 .978 - -
MLB 2151 4742 6253 179 1382 .984 21 16 31 2 2 .959 150 186 345 25 75 .955
右翼守備


右翼(RF)












1990 KC 1 0 0 0 0 ----
MLB 1 0 0 0 0 ----

表彰 編集

背番号 編集

  • 19 (1973年)
  • 20 (1974年 - 1990年、1994年 - 1996年、1998年 - 2001年)

脚注 編集

  1. ^ 「球団別永久欠番物語 第15回 カンザスシティ・ロイヤルズ」『月刊メジャー・リーグ』 2002年12月号 ベースボール・マガジン社 61頁

外部リンク 編集