ミツバアケビ(三葉木通[1]、三葉通草、学名:Akebia trifoliata)はアケビ科アケビ属落葉性つる性木本。秋に実る果実は食用になる。

ミツバアケビ
Akebia trifoliata 12.JPG
花序 福島県会津地方 2009年4月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : モクレン亜綱 Magnoliidae
: キンポウゲ目 Ranunculales
: アケビ科 Lardizabalaceae
: アケビ属 Akebia
: ミツバアケビ A. trifoliata
学名
Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz.[1]
シノニム
  • Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz. var. litoralis Konta et Katsuy.[2]
和名
ミツバアケビ(三葉木通、三葉通草)

特徴編集

落葉つる性の木本[3]アケビとともに秋の味覚として親しまれてきたつる性の植物で、3枚の小葉があることからミツバアケビとよばれる[4]。 つるの繁殖力が強く、が他の樹木にからんで這い上がり、北海道に自生するほど耐寒性も強い[4]。つるの巻方向は、左から右方向へ巻き付き、茎は太いもので直径2cmになる。樹皮は灰褐色〜紅褐色をしており、丸い皮目があり不規則に亀裂が入る[4]

互生し、掌状で小葉が3枚になる3出複葉である[3]。小葉は長さ4 - 6センチメートル (cm) 、幅1.5 - 4 cmの卵形から広卵形で[3]、縁には波状の鋸歯ある。葉柄は2 - 14 cmと長く、小葉につく小葉柄は0.3 - 3 cmになる。ふつう落葉性であるが、葉は越冬する場合がある。葉の表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、両面とも無毛[4]。小葉の先端はわずかに凹み、基部が円形にやや膨らむのが普通で、日当たりの良い環境で育成した葉は厚みがある[4]

花期は4 - 5月[3]雌雄同株雌雄異花の植物で、アケビよりも花の色は濃い紫色である[5]。新葉のわきから総状花序を出して下垂または下曲させ、花序の先のほうに十数個の小型の雄花をつけ、基部に大型の雌花を1 - 3個つける[3]。雄花は濃暗紫色で径4 - 5ミリメートル (mm) になり、反り返った花弁状の萼片は長さ2 mmで3枚あり、6本の雄しべが球状に集まる[5]。雌花は3 cm前後になる花柄をもち、濃暗紫色で径15 mmほどになり、花弁状の萼片は長さ7 - 10 mmで3枚あり、円柱形になる雌しべが3 - 6本つくことが多い。花に花弁はない。

果期は9 - 10月[3]果実液果で、厚い果皮に包まれ、長さ10 cmほどのずんぐりした繭形か、長楕円形になる[3][5]。果実はアケビに比べて先端側のほうの膨らみが大きく、全体に太い[5]。雌しべの1 - 3個が結実すること普通であるが、なかには全部結実する場合もある[5]。秋に熟すると、緑色から紫色または赤紫色に変化し、果皮が裂開して中にゼリー状の果肉がある。果肉は白色で、黒色の多数の種子を含む。果肉は甘くておいしく食用になる[3]

分布と生育環境編集

山野や山地の明るい緑林を好み、日本では、北海道本州四国九州に分布し、山地に生育する[3]。アジアでは中国に分布する。アケビに比べて育成地域が広く、荒れ地や乾燥地でも旺盛に繁殖する[4]。果実がアケビよりも大きくなることから果樹としても栽培される[3]

利用編集

新芽と果実は食用とされる。つるは弾力があり丈夫でしなやかであることから、かごなどの民芸品になる[3]。籠編みの材として最高品といわれ、多くの生活用具に利用される[4]

ギャラリー編集

脚注編集

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年7月19日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz. var. litoralis Konta et Katsuy.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年7月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 西田尚道監修 学習研究社編 2000, p. 11.
  4. ^ a b c d e f g 谷川栄子 2015, p. 18.
  5. ^ a b c d e 谷川栄子 2015, p. 19.

参考文献編集

  • 谷川栄子 『里山のつる性植物 観察の楽しみ』NHK出版、2015年6月20日、18-19頁。ISBN 978-4-14-040271-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編 『日本の樹木』学習研究社〈増補改訂ベストフィールド図鑑 5〉、2000年4月7日、10頁。ISBN 978-4-05-403844-8 
  • ミツバアケビ 身近な生き物大図鑑 会津若松市役所HP
  • 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅰ』(1989年)平凡社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)