リシア電気石
リシア電気石(リシアでんきせき)またはエルバアイト(elbaite)は、ナトリウム、リチウム、アルミニウム、ホウ化ケイ素 を含む鉱物(ケイ酸塩鉱物)の一種であり、電気石(トルマリン)グループに属する。リチア電気石とも表記する。
リシア電気石 elbaite | |
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![]() リシア電気石の結晶 | |
分類 | ケイ酸塩鉱物 |
化学式 | Na(LiAl)3Al6Si6O18(BO3)3(OH)4 |
結晶系 | 三方晶系 |
へき開 | {1120}及び{1011}に不良又は不明瞭[1] |
断口 | 準貝殻状 |
モース硬度 | 7 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 緑色、赤色~桃色、青色、橙赤色、黄色、無色、多彩色 |
条痕 | 白色 |
比重 | 3.0~3.3[2] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
苦土電気石(ドラバイト、dravite)、リディコート電気石(リディコータイト、liddicoatite)、鉄電気石(ショール、schorl)の3つから構成される。そのため、理想的な組成式を有する結晶は天然には発見されていない。
諸性質編集
用途編集
リシア電気石は色の深さや結晶の品質の多様性に富むことから、理想的なトルマリン宝石である。特に緑色のものは「ブラジルエメラルド」として知られる[2]。
宝石としての種類編集
- アクロアイト (achroite) : 無色。
- インディゴライト (indicolite) : 青色。別名「ブルートルマリン」。
- ルベライト (rubellite): 赤色から桃色。
- ヴェルデライト (verdelite) : 緑色。
主な産地編集
最初に発見されたのは、イタリアのエルバ島であり、1913年のことであった。 それ以来、世界各地で発見されている。主産地は1994年に発見されたカナダ・ユーコン準州のO'Grady Lakesである。
生成環境編集
リシア電気石は火成岩や変成岩の鉱脈で、花崗岩質ペグマタイトの中に紅雲母(リチア雲母)・微斜カリ長石・リシア輝石とともに副成分鉱物として[2]産する。特に大規模な熱水交代鉱床における、モリブデン鉱や錫石と共に片岩中に紅柱石や黒雲母がある状態で産する。
脚注編集
参考文献編集
関連項目編集
外部リンク編集
- Elbaite: Elbaite mineral information and data. (mindat.org) (英語)
- Elbaite Mineral Data (webmineral.com) (英語)
- リシア電気石(鉱物図鑑)
- 賢治と鉱物 02-b リチア電気石