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三角の距離は限りないゼロ

三角の距離は限りないゼロ』(さんかくのきょりはかぎりないぜろ)は、岬鷺宮による日本ライトノベル

三角の距離は限りないゼロ
ジャンル ラブコメファンタジー学園青春
小説
著者 岬鷺宮
イラスト Hiten
出版社 KADOKAWA
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2018年5月10日 -
巻数 既刊4巻
漫画
原作・原案など 岬鷺宮
作画 森野カスミ
出版社 KADOKAWA
掲載誌 月刊コミックアライブ
レーベル MFコミックス アライブシリーズ
発表号 2019年5月号(プレ連載)
2019年6月号(本連載) -
発表期間 2019年3月27日(プレ連載) -
巻数 既刊1巻(2019年10月現在)
話数 5話+第0話
テンプレート - ノート

イラストはHiten。レーベルは電撃文庫KADOKAWAアスキー・メディアワークス)。

あらすじ編集

宮前高校二年四組の矢野四季は一学期最初の日である四月九日、転入してきた水瀬秋玻に素の自分を見られたことをきっかけに彼女に恋をするようになる。

始業式の放課後、教室に戻った矢野が見たものは、水瀬春珂というもうひとりの人格と入れ替わった、水瀬秋玻の姿だった。秋玻と春珂が二重人格であるという『二人』の秘密を知った矢野は、秋玻に近付きたいという下心と秋玻を演じる春珂の危うさから『彼女たち』が二重人格であることが周囲にバレないよう協力することを申し出る。

本作は東京都杉並区西荻窪を舞台としており、作者の過去作である『失恋探偵ももせ』および『読者と主人公と二人のこれから』 『放送中です!にしおぎ街角ラジオ』などと世界観を共通しているが、本作から入っても理解できるよう配慮がなされている。

登場人物編集

主要人物編集

矢野四季(やの しき)
二年四組。本作の主人公で語り手。
その場の空気や雰囲気に合わせ、求められているであろう様々なキャラクターを演じているが本来は池澤夏樹『スティル・ライフ』を愛読する物静かな人物である。
他者に嫌われることへの畏れから様々なキャラクターを使い分けており、そんな自分自身に嘘をついている状況に嫌悪感を抱いている。しかし春珂はそんな矢野のことを他人の気持ちを汲み取ることが出来る思慮深い優しい人物であると評している。
二年の始業式の日に転入してきた秋玻のことが好きになるが、彼女に春珂というもうひとつの人格が存在することを知ったことをきっかけに彼女たちが二重人格であることがバレないようサポートをすることとなる。
一巻の終盤において秋玻、春珂との交流を通じて考え方が変わりキャラクターを使い分けることをやめると同時に、秋玻との交際を始める。
なお、昨年度は広尾修司、須藤伊津佳と同じ一年二組。
水瀬秋玻(みなせ あきは)
声 - 伊藤美来(2019年TVCM[1]
本作のヒロイン善福寺川図書館にほど近いマンションの三階に住み、二年次より宮前高校二年四組に転入する。
感情の起伏が少なく、冷静に物事を判断する性格の持ち主で、平均して百三十一分ごとに春珂と入れ替わる[注 1][注 2]という自身に降りかかった状況においてもその事実を受け止め、折り合いをつけ春珂と共存している上、秋玻自身は春珂の消滅を望んではいない。
春珂との情報共有はおもにスマートフォンのメモアプリやスケジューラーで行っており、矢野のサポートが入ってからは春珂の発案により交換日記も行うようになる。
ジャズを愛聴し、マル・ウォルドロンLeft Aloneなど気に入った作品はレコーディング当時に想定された媒体で聴きたいという理由からレコードを入手するほどのこだわりを持つとともに、古い映画のブルーレイや純文学小説を嗜み、シックなファッションを好む。
当初は二重人格であることを悟られないため春珂の存在を秘匿し続けていたが、一巻の終盤において修司と伊津佳に対し春珂の存在とともに二重人格であることをカミングアウトする。
修司が伊津佳に告白したときは、矢野と春珂が仲の良い二人がそのまま一緒になればいいと考えていたのとは対照的にその状況を冷静に俯瞰するとともに浮き足立つ矢野に対し、舌を絡ませるほどのディープキスをしたり制服の上から胸を揉ませたりすることで、自分が矢野のことが好きなのは性的なことをしたいという感情も込みであり、好きだという感情が無ければそれは暴力でしかないと諭す。
なお、秋玻という名前は本名ではない。秋玻という名前を使う理由として、少なくとも春珂が顕現している間は自分だけが本名を名乗り、もう一人が新たに名付けた名を名乗るのはフェアではないという秋玻の考えにより学校側の許可を得て名乗っており、矢野を含む同級生たちは彼女の本名を知らない。
水瀬春珂(みなせ はるか)
声 - 伊藤美来(2019年TVCM[1]
もうひとりのヒロインで七年前、秋玻が九歳のとき秋玻の身体に宿ったもうひとつの人格。
秋玻とは対照的におっちょこちょいで感情の起伏が激しく、ファンシーなぬいぐるみやかわいらしい服やアクセサリを好み、少女マンガを愛読している。また、秋玻と異なり人格が入れ替わる瞬間を他者に見られることを嫌がる。
自身が秋玻から分離した人格であることから自己肯定感が少し低めであり、いずれ自分は(本来の状態である)秋玻とひとつの人格に戻るべきとたびたび言及している。
かなり早い段階で矢野が秋玻に想いを寄せていることを見抜き、フォローに対する礼の意味も込めて矢野と秋玻の関係が進展するよう協力を申し出るとともに、三人の情報共有を目的とした交換日記を書くことを提案する。
一見すると秋玻と比べ劣っているように見えるが、元々は彼女と同じ身体を共有しているため彼女と同じく記憶力は良く、球技が苦手であるものの50m走を7秒1で走ることから決して運動能力が低いのではなく、メンタルの問題であることが示唆されている。

宮前高等学校関係者編集

広尾修司(ひろお しゅうじ)
一年二組(『読者と主人公と二人のこれから』)→二年四組(本作開始時点)。高校入学後からの矢野のクラスメイト。顔立ちが良く女子生徒からモテる。
須藤伊津佳と行動を共にすることが多く、細野晃とは小中九年間同じクラスだった。
二巻において長年の友人である伊津佳に告白するも返事を保留されている間、同じクラスの古暮千景から告白されるが、伊津佳に憧れることを理由に断る[注 3]
須藤伊津佳(すどう いつか)
一年二組(『読者と主人公と二人のこれから』)→二年四組(本作開始時点)。修司同様高校入学後からの矢野のクラスメイト。
一巻では矢野と秋玻のカミングアウトと春珂の登場に戸惑いを覚えるものの彼等のことを受け入れ、春珂とも友人関係を構築する。
彼女もまた細野晃とは小中九年間同じクラスだった。
普段は明るく快活なツインテール女子だが、気落ちすると独り西荻窪駅南口近くのラーメン屋でラーメンをすする。
二巻において長年の友人であり、見た目も性格も良い修司に告白されたことがきっかけで、表面上の明るさとは裏腹に実際は自己肯定感の低い人物であることそして彼女の視点で描かれている部分において矢野に対し特別な感情を抱いていることが示唆されている。また、修司に告白されたことで、矢野たちのアドバイス通り彼等の期待に応えて修司と付き合うべきか、彼等を落胆させてまで自身の心の声に従うかという誰にも言えない悩みに苛まれてしまうこととなる。
千代田百瀬(ちよだ ももせ)
現代国語の教師であり、矢野や秋玻が属する二年四組の担任。特殊な状況に置かれている秋玻に対し常に目を配っておりそれとなくフォローアップを行うこともあるが、基本的には矢野たちに任せ、必要以上の介入は行わないようにしている。
文化祭では柊ところとともに宮前高校・御殿山高校で同時に放送される校内放送で失恋相談のコーナーを担当する。
また、隠しているわけではないが(さりとて積極的に吹聴しているわけではない)二巻終盤の時点で入籍しており、引き続き千代田姓を名乗っている。
なお、矢野が一年の時の担任でもあった。
細野晃(ほその あきら)
『読者と主人公と二人のこれから』の主人公。中学時代から愛読している小説『十四歳』の主人公・トキコに共鳴し、暇さえあれば毎日のように繰返し愛読し、作品世界に没頭していたが、入学直後のクラスで目の前にまるで小説の中から飛び出してきたような風貌を持ち、性格も考え方も好みも小説と一致するクラスメイト・柊時子が目の前に現れたことがきっかけで彼女に近付くとともに晴れて恋人同士となる。
同作では一年七組だったが本作では二年一組。
矢野からは似たもの同士の同族嫌悪からあまり良い印象を抱かれていなかったが、告白後ギクシャクした修司と伊津佳の関係修復と、秋玻・春珂と時子との間を取り持つための親睦会のために自宅を提供したりするなどそれとなく彼等をアシストしており、二巻の終盤、矢野たちに対し心を閉ざしてしまった伊津佳に何をしてあげるべきか分からなくなってしまった矢野に時子とともに自身の経験を踏まえ自分がどうしたいかということに素直になるべきだとアドバイスする。
柊時子(ひいらぎ ときこ)
『読者と主人公と二人のこれから』のヒロイン。小説家である姉が著した小説で、細野の愛読書である『十四歳』のモデルであり、十四歳当時の彼女の一挙手一投足そして彼女が日々感じたことや考えがつぶさに記されているという内容であるため、彼女の趣味嗜好や思想など、本来であればブラックボックスとなる自身の心の中が結果的に細野に筒抜けになってしまう。
同作では一年七組だったが本作では二年一組。
古暮千景(こぐれ ちかげ)
二年四組。矢野、修司、伊津佳、秋玻、春珂と同じクラスの女子。
以前から修司に対し好意を抱き、伊津佳が修司からの告白を保留している間に「保留中は仮の彼女でもいいから」と修司に告白する。菅原未玖の従姉妹であり、『Omochi』の名付け親でもある。
与野沙也(よの さや)
二年四組。矢野、修司、伊津佳、秋玻、春珂と同じクラスの女子で春珂と親しい生徒のひとり。氏家加奈と同じく手芸部に属し、文化祭では春珂主演、時子が脚本を書く人形劇の人形を作成することになる。
氏家加奈(うじいえ かな)
二年四組。矢野、修司、伊津佳、秋玻、春珂と同じクラスの女子で春珂と親しい生徒のひとり。与野沙也と同じく手芸部に属し、文化祭では春珂主演、時子が脚本を書く人形劇の人形を作成することになる。
菅原未玖(すがわら みく) / Omochi
二年四組。あまり部屋から出ず学校に来ず、『Omochi』名義で曲を作ってネットで発信したり、有名ミュージシャンの楽曲のリミックスに参加したり、クラブイベントに出演していたりして有名になりつつある。
矢野たちと邂逅したことをきっかけに文化祭以後は登校するようになる。

水瀬家編集

水瀬岳夫(みなせ たけお)
秋玻の父親で医師。子煩悩かつ心配性なところがあり、はじめての修学旅行に行く娘を案じるあまり長文のLINEを送る。
娘がまだ幼い頃、ある事情から娘とともに当時住んでいた北海道から奈良を訪れたという描写がある。
水瀬実春(みなせ みはる)
秋玻の母親。

その他の人物編集

庄司霧香(しょうじ きりか)
御殿山高校一年。矢野たちが通う宮前高校と共同で開催される文化祭の実行委員のステージを担当する矢野、秋玻、春珂の御殿山高校側のカウンターパート。
実は二年前、矢野が中学三年の時、同じ塾に通っていた頃からの知り合いであり、当時他者とのコミュニケーションに難儀していた矢野に相手の調子に合わせたコミュニケーションスキルを伝授することでかつての矢野のパーソナリティを形成させると同時に、矢野が本当の自分から乖離したキャラを演じる自分自身に嫌悪感を抱くようになった遠因を作った人物。
高いコミュニケーション能力を有し校内のヒエラルキー上位に君臨するとともに、奔放な発言と独特なセンス[2]から良く言えば飄々とした、悪く言えば人を食ったような態度を取る人物であり、当初春珂は彼女に親しみを覚えるが、対照的に秋玻は現在の矢野を見下すような彼女の態度に嫌悪感を抱く。
打ち合わせのために宮前高校を訪れた際に邂逅した時子もまた、彼女の人の心に踏み込んでくるような態度にちょっと信頼がおけないと評している。[3]
なお、作者の過去作『陰キャになりたい陽乃森さん』の登場人物であり、二年前の矢野同様、作中の陰キャ女子たちにも指導を行っている。
柊ところ(ひいらぎ ところ)
柊時子の姉で小説家。作中作である十四歳の頃の時子をモデルにした『十四歳』と、細野晃をモデルにした『十五歳 Side A』の作者。
宮前高校の卒業生で、文化祭では千代田百瀬とともに宮前高校・御殿山高校で同時に放送される校内放送で失恋相談のコーナーを担当する。
野々村九十九(ののむら つくも)
千代田百瀬の夫であり、柊ところの担当編集者。

既刊一覧編集

原作小説編集

  1. 2018年5月10日初版 ISBN 978-4-04-893829-7
  2. 2018年11月10日初版 ISBN 978-4-04-912100-1
  3. 2019年5月10日初版 ISBN 978-4-04-912386-9
  4. 2019年11月9日初版 ISBN 978-4-04-912800-0

漫画編集

  1. 2019年10月23日初版 ISBN 978-4-04-064138-6

単行本未収録小説編集

  • アニメイト購入者特典書き下ろし小説ペーパー
  • 『6月のLとR』電撃文庫MAGAZINE(2019年1月号)収録
  • 『時子、脚本を書く』電撃文庫MAGAZINE(2019年3月号)収録
  • 『フォロミー♡フォロミー』電撃文庫MAGAZINE(2019年8月号)収録

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 時間の経過に伴い二巻で九十分、三巻で四十五分にまで短縮している。これが〇分になることは春珂の消滅を意味する。
  2. ^ 漫画版第1巻第2話P44では解離性同一性障害という診断が下りていることが示唆されている。
  3. ^ 伊津佳への配慮から相手が伊津佳であることは明言していない。

出典編集

  1. ^ a b 声優・伊藤美来さんによるTVCMが公開! 電撃文庫の大人気ラブストーリー『三角の距離は限りないゼロ』第4巻が11月9日発売!”. アニメイトタイムズ (2019年11月1日). 2019年11月1日閲覧。
  2. ^ 岬鷺宮『陰キャになりたい陽乃森さん Step1』『陰キャになりたい陽乃森さん Step2』電撃文庫
  3. ^ 『時子、脚本を書く』電撃文庫MAGAZINE(2019年3月号)

外部リンク編集