伊豆高原

伊豆高原(いずこうげん)は、静岡県伊東市の対島地区の大室山周辺(富戸・池・八幡野)を、伊豆急行(現:伊豆急コミュニティー)が開発した別荘地である。
首都圏からのアクセスが比較的容易であるうえ、海・山の自然が近く、それらを売りにする形で土地が分譲された。その後、観光施設や宿泊施設が増え、地域の発展と共に伊豆高原の言葉が定着して使用範囲が広がり、観光地域の名称として使われるようになった。
歴史編集
1961年(昭和36年)12月に伊豆急行(伊東-下田間)が開通すると、伊豆急行は大室山周辺の溶岩台地の荒地を別荘地「伊豆高原」として自ら開発することを決定し、1962年(昭和37年)9月から造成開始、1963年(昭和38年)2月から分譲販売を開始した[1]。
その後、池地区の矢筈山山麓に深井戸を掘り、1963年(昭和38年)6月に県の水道事業の認可を受けて、1964年(昭和39年)2月から水の供給を開始した[1]。
1964年(昭和39年)3月からは温泉の引湯工事が開始され、10月1日から日本一長い引湯管を通して、東伊豆町の片瀬(湯の沢)から温泉の供給を開始した[1]。
地理編集
伊豆高原の地域は伊豆半島の東岸、伊東市の中南部に位置し、伊豆東部火山群の溶岩流などで形成された丘陵地に発展している。相模灘に面する海岸線までを含めて「伊豆高原」の呼称で呼ぶことが多い。 西南側は天城山の裾野が続く。
観光編集
大室山編集
伊豆東部火山群に属する大室山は、約4000年前の噴火で形成された火山で、伊東市および伊豆高原のシンボル的存在である。山頂には周囲約1kmの火口があり、麓からリフトが運行され手軽に散策できる。眼下に伊豆高原一帯を見渡せるほか、遠くに伊豆半島東岸をはじめ、伊豆大島や富士山も望むことができる。毎年2月には山焼きが行われる。
城ヶ崎海岸編集
伊豆高原の海側にあるのが城ヶ崎海岸で、この伊豆半島東岸の主要な観光スポットである。上記の大室山の噴火よる溶岩流が海に流れ込んてできた海岸で、絶壁の海岸に沿って城ヶ崎自然研究路および、城ヶ崎ピクニカルコースが整備され、散策できる。途中には2つの吊り橋がある。
桜並木編集
伊豆高原駅から約3kmにわたって桜並木が続く。開花時期には伊豆高原桜まつりが行われる。
施設編集
私設の小規模な美術館や博物館が点在している。またペットに関する施設もある。
大室山の麓にはテーマパークである伊豆シャボテン公園がある。駅前から東海バスが路線を運行している。同系列の経営になる伊豆海洋公園はダイビングスポットとして知られている。同じく同系列の伊豆ぐらんぱる公園は屋外レジャー施設である。両者とも伊豆高原駅より東海バスが利用可能である。
交通編集
半島東岸には伊豆急行線が通じており、伊豆高原駅が玄関口となる。東京から運転の特急踊り子号が停車する。自動車では熱海から国道135号か伊豆スカイライン経由となる。ただし、大型連休時は伊豆半島東岸の渋滞が酷いため、伊豆高原駅まで電車で移動して現地でレンタカーを借りる方法もある。
脚注編集
- ^ a b c 「伊豆高原 自遊時彩」Vol.1 - 伊豆急コミュニティー