千葉県がんセンター腹腔鏡手術死亡問題
日本の医療機関による問題
千葉県がんセンター腹腔鏡手術死亡問題(ちばけんがんセンター ふくくうきょうしゅじゅつ しぼうもんだい)とは、千葉県千葉市中央区の千葉県がんセンターで2008年から2014年の間に、腹腔鏡を使ってすい臓や肝臓などの手術を受けたがん患者11人が、手術後に短期間で死亡したもの。亡くなった11人中、少なくとも7人は同じ執刀医によるもの[1]。
概要
編集千葉県がんセンターで2008年から2014年に渡って、腹腔鏡手術を受けた癌患者が相次いで死亡した問題[2]で、千葉県の第三者検証委員会は、検証対象とした11例の大半(10例とみられている)で術式[3]の選択や術中[4]、術後[5]の対応に複数の問題があったなどとする最終報告書案をまとめ、2015年(平成27年)3月30日、県側へ提出した。
- 2008年11月、胃がんを患っていた58歳の男性が、手術の後の縫合が不十分で手術直後から痛みを訴え、翌日には再手術。その最中に心停止となり、意識が戻らぬまま、およそ5か月後に死亡[6][1]。
- 2010年夏から2010年11月にかけ、当センターに勤務していた麻酔科医が千葉県や厚生労働省などに告発したが放置された。告発が受け付けられていれば、死亡事例が相次ぐことは防げた可能性もある。
- 2012年9月、当時76歳の女性が死亡、医療事故調査委員会が開かれたが公表されず、家族にさえ説明しなかった[7]。
- 2013年1月、当時57歳の男性が死亡、医療事故調査委員会が開かれたが公表されず、家族にさえ説明しなかった。
- 2012年9月、2013年1月、2014年2月に同一の医師による腹腔鏡下手術を受けたがん患者とみられる50代〜80代の男女3人の患者が術後間もなく死亡したことに関して、千葉県は「医療ミスとは認識していないが、短期間で死亡が相次いだ問題を重く受け止める」としている。(第三者による検証委員会を設置し、原因究明を進める。)
患者 | 病名 |
---|---|
76歳女性 | 膵癌 |
57歳男性 | 膵癌 |
80歳男性 | 胆管癌 |
86歳男性 | 胆管癌 |
58歳男性 | 胃癌 |
72歳男性 | 胆管癌 |
77歳男性 | 胃癌 |
82歳男性 | 胆管癌 |
59歳男性 | 肝細胞癌 |
72歳男性 | 肝細胞癌 |
74歳男性 | 肝門部胆管癌[8] |
経過
編集- 千葉県病院局が第三者による検証委員会を設置[10]。
脚注
編集- ^ a b “手術後9人死亡の千葉県がんセンター 放置された内部告発”
- ^ 北海道新聞
- ^ 外科手術の方式のこと
- ^ 手術中のこと
- ^ 手術後のこと
- ^ “千葉県がんセンター 腹腔鏡手術で死亡”. TBS. オリジナルの2015年4月2日時点におけるアーカイブ。
- ^ 県がんセンター腹腔鏡手術死
- ^ [1]
- ^ 千葉県がんセンターが不正請求 腹腔鏡手術めぐり9例
- ^ 千葉県がんセンターにおける腹腔鏡下手術の死亡事例に係る第三者検証委員会について 千葉県
関連項目
編集外部リンク
編集- 腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書について - 群馬大学病院
- 千葉県がんセンター:術式の選択などに問題…腹腔鏡手術死 - ウェイバックマシン(2015年3月31日アーカイブ分) 毎日新聞