群馬大学病院腹腔鏡手術後8人死亡事故
日本の事故
群馬大学病院腹腔鏡手術後8人死亡事故(ぐんまだいがくびょういんふくくうきょうしゅじゅつご8にんしぼうじこ)とは、群馬県前橋市の群馬大学医学部附属病院で2010年から2014年の間に、腹腔鏡による肝臓切除手術を受けた患者8人が相次いで死亡した事故[1]。
概要
編集2010年から2014年に渡って、群馬大学医学部附属病院(群馬大学病院)の第二外科(消化器外科)で行われた腹腔鏡を用いた肝臓切除手術において、術後、相次いで8人の患者が死亡した。8人を執刀したのはいずれも同じ医師で、全員が術後4か月未満に肝不全などで死亡した。同大学病院は最終調査報告書において、全てのケースで医師の過失があったと認めた[2]。この医師が行った別の開腹手術でも患者10人が術後に死亡しており、2009年度以降、この医師による腹腔鏡手術と開腹手術で、18人の患者が相次いで死亡したことになる[3]。
河北新報は、1面コラム「河北春秋」で貝原益軒の養生訓から「医を学ぶ者、もし生まれつき鈍にして、その才なくんばみづから知りて早くやめて、医となるべからず」を引き、にわかには信じがたい事故であると非難した[4]。内部調査委員7名を主体とした調査報告は、『医療安全を学んだことがない人による、責任追及型の事故調査をした典型的な失敗例』とする指摘がある[5]。
脚注
編集- ^ “腹腔鏡手術後8人死亡 群馬大病院、同じ医師が執刀”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2014年11月14日) 2015年3月5日閲覧。 “腹くう鏡手術 患者8人全員の診療に過失”. NHKニュース (日本放送協会). (2015年3月3日). オリジナルの2015年3月3日時点におけるアーカイブ。 2015年3月5日閲覧。
- ^ “腹腔鏡手術、全8人で過失 群馬大病院が最終報告”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年3月3日) 2015年3月5日閲覧。
- ^ “群馬大病院、開腹手術でも10人死亡 腹腔鏡と同じ医師”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2014年12月22日) 2015年3月5日閲覧。 TBS news
- ^ “河北春秋”. 河北新報 (河北新報社). (2015年3月5日) 2015年3月5日閲覧。
- ^ “群馬大の医療事故調査は典型的な失敗例!?”. 日経メディカルオンライン. (2015年5月19日)
- ^ 塩崎大臣会見概要 H27.4.30(木)17:13-17:29 省内会見室 厚労省
関連項目
編集- 医療過誤
- 慈恵医大青戸病院事件 - 前立腺癌の腹腔鏡による手術で患者が死亡
- 千葉県がんセンター腹腔鏡手術死亡問題
- 群馬大学医学部附属病院
- 神戸国際フロンティアメディカルセンター
外部リンク
編集関連図書
編集- 高梨ゆき子『大学病院の奈落』講談社 2017年8月 ISBN 978-4062207584