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原爆の子 (映画)

新藤兼人監督の映画

原爆の子』(げんばくのこ)は、1952年(昭和27年)8月6日公開の日本映画である。近代映画協会製作、北星配給。監督は新藤兼人、主演は乙羽信子モノクロスタンダード、97分。

原爆の子
Genbaku no ko 1.jpg
かつての教え子を訪ねる孝子(乙羽信子)
監督 新藤兼人
脚本 新藤兼人
製作 吉村公三郎
出演者 乙羽信子
滝沢修
宇野重吉
音楽 伊福部昭
撮影 伊藤武夫
編集 今泉善珠
製作会社 近代映画協会
劇団民藝
配給 日本の旗 北星
公開 日本の旗 1952年8月6日
フランスの旗 1954年3月3日
スウェーデンの旗 1954年12月1日
上映時間 97分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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孝子(乙羽信子)
孝子(乙羽信子)
孝司(宇野重吉)と咲江(奈良岡朋子)兄弟
孝司(宇野重吉)と咲江(奈良岡朋子)兄弟
岩吉爺さん(滝沢修)
岩吉爺さん(滝沢修)
孝子と夏江の夫(下元勉)と夏江(斎藤美和)
孝子と夏江の夫(下元勉)と夏江(斎藤美和)

長田新が編纂した作文集『原爆の子〜広島の少年少女のうったえ』(岩波書店刊)を基にした作品で、戦後初めて原爆を直接取り上げた映画とされている。

概要編集

作文集『原爆の子〜広島の少年少女のうったえ』の映画化として近代映画協会と日教組から企画が持ち上がる。新藤は映画『長崎の鐘』で脚本を手掛けたがGHQの検閲により場面をいくつか削除されている。そこで検閲解除後に再び映画製作を企図した。一時は日教組との共同制作の話もあったが、新藤の脚本に「原爆の真実の姿が広く知らされない」と難色を示し、両者は決裂。日教組は『ひろしま』を制作している[1]

1952年8月6日に公開。原爆投下7年後も続く被爆者の苦しみに焦点をあてた作風が高い評価を受け、製作費300万円の独立プロの作品としては異例の配給収入5000万円をあげる。また文部省特選映画にも選定された[1]

あらすじ編集

1945年8月6日、広島に原爆が投下され、当時広島に住んでいた石川孝子(乙羽信子)は家族の中でたった一人生き残ったのである。戦後、瀬戸内海の小島で小学校の教師をしていたが、原爆被災の頃に勤務していた幼稚園の園児達の近況について消息を確認したいと思い、小学校の夏休みを利用して、久しぶりに故郷広島を訪れる。

孝子は元奉公人の岩吉と再会するが、彼は顔にケロイドが残り視力を失っていた。孝子は園児達の今を知るべく、彼らを訪ね歩く。原爆症で父親を亡くしたばかりの子、教会にひきとられ白血病に苦しむ子。孝子は岩吉の死後、孤児院に預けられていた孫の太郎をひきとり、帰りの船に乗る。

スタッフ編集

キャスト編集

日本国外での公開編集

1953年(昭和28年)、カンヌ国際映画祭に出品された。しかし、外務省はアメリカの対日感情を刺激することを怖れて、西村熊雄駐仏大使に、主催者からの参加拒否の依頼、参加の場合も受賞は辞退とするように電報を送ったが、フランス外務省と協議した西村は「政府が介入すればかえって世界の注意を引くだけであるから、取り扱いは映画祭当局の判断に任せる方を適当とする意見一致した」として、そうした工作は実行されなかった[2]。また西ドイツでは反戦映画として軍当局に没収されるなど[3]各国で物議を醸したが、"原爆許すまじ"という世界の声に合致し、各国で大きな反響を呼び、1954年(昭和29年)には第8回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で平和賞、1956年(昭和31年)には第10回英国アカデミー賞で国連平和賞やポーランドジャーナリスト協会名誉賞など多くの賞を受賞し、世界に於いて反核映画の第1号となった。現在もこの映画はヨーロッパでたびたび上映されている。アメリカでは1995年(平成7年)にカリフォルニア州の大学の博物館で上映、2011年(平成23年)にはニューヨークブルックリン区で上映された[4]

受賞歴編集

脚注編集

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  1. ^ a b 片岡佑介「「無垢なる被害者」の構築 新藤兼人『原爆の子』、関川秀雄『ひろしま』にみる女教師の歌声と白血病の少女の沈黙」『映像学』第97巻、日本映像学会、2017年、 44-64頁、 doi:10.18917/eizogaku.97.0_442019年8月18日閲覧。
  2. ^ 連載企画「空白への挑戦 原爆の子 15」『朝日新聞』1991年7月15日夕刊
  3. ^ a b c d e f g h i “新藤兼人監督が死去 反戦貫き人間愛描く 100歳”. 『中国新聞』 (2012年5月31日). 2015年11月8日閲覧
  4. ^ 「原爆の子」NYで初上映 新藤監督99歳の誕生日に”. 共同通信 (2011年3月26日). 2011年3月26日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集