商品

経済活動において生産・流通・交換される物財

商品(しょうひん、: product, commodity)とは、経済活動において生産流通交換される物のことである。商品には具体例として食品衣類家電などの製品のほかに、法律相談郵便配達などのサービスや、証券などの権利、情報などが含まれる。 販売する物財に主眼を置く場合には、商材(しょうざい)とも呼ばれる。日本学術団体については、1951年昭和26年)4月21日、日本商業学会慶應義塾大学教授向井鹿松を初代会長として設立された[1]

マルクス経済学における商品 編集

マルクス経済学において、商品とは私的な交換を目的とした財・サービスである。交換の対象ではなく、生産者自身が消費してしまう財・サービスは、そもそも商品とはなっておらず、商品は交換関係の中で成立している。

また商品は、人間ニーズを充足させる性質である「使用価値」と、あらゆる商品との交換可能性を持つ性質である「価値」を持っている。この価値は社会一般的に必要な労働時間によって決められるものであり、生産性が高まれば価値は低下するという性質を持っている。

商品先物取引法における「商品」 編集

定義 編集

商品先物取引法における「商品」は、原則として、同法内で定義される限定的な意味の「商品」である。これらの商品はコモディティ(commodity)と呼ばれる。

同法第2条1項で以下のように定義されている。

  1. 農産物林産物畜産物及び水産物並びにこれらを原料又は材料として製造し、又は加工した物品のうち、飲食物であるもの及び政令で定めるその他のもの
  2. 鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第三条第一項に規定する鉱物その他政令で定める鉱物及びこれらを製錬し、又は精製することにより得られる物品
  3. 前二号に掲げるもののほか、国民経済上重要な原料又は材料であつて、その価格の変動が著しいために先物取引に類似する取引の対象とされる蓋然性が高いもの(先物取引又は先物取引に類似する取引の対象とされているものを含む。)として政令で定める物品
  4. 電力(一定の期間における一定の電力を単位とする取引の対象となる電力に限る。)

上場商品の一覧 編集

日本国内の商品取引所で取引されている上場商品の一覧を以下に示す。それぞれで、どのような取引形態(先物取引現物取引指数取引等)が可能であるかは異なる。

日本国内の商品取引所で取引されている上場商品の一覧(2023年5月19日時点)[2]
取引所名 商品市場 上場商品
東京商品取引所 エネルギー市場 ガソリン灯油軽油原油電力液化天然ガス(LNG)
中京石油市場 ガソリン、灯油
堂島取引所 農産物市場 大豆小豆とうもろこし
砂糖市場 粗糖
貴金属市場 白金

出典 編集

  1. ^ 学会HP”. 日本商業学会. 2022年1月23日閲覧。 個人会員1,072名,賛助会員11社・団体,購読会員32件 (2019年7月現在)
  2. ^ 商品取引所・上場商品一覧 (METI/経済産業省)”. www.meti.go.jp. 2023年5月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集