夜霧よ今夜も有難う』(よぎりよこんやもありがとう)は1967年3月11日に公開された石原裕次郎浅丘ルリ子主演の日本映画。

夜霧よ今夜も有難う
A Warm Misty Night
監督 江崎実生
脚本 野上竜雄
石森史郎
江崎実生
製作 高木雅行
野上龍雄
出演者 石原裕次郎
浅丘ルリ子
二谷英明
高品格
太田雅子
伊藤るり子
佐野浅夫
音楽 伊部晴美
主題歌 石原裕次郎
撮影 横山実
編集 鈴木晄
製作会社 日活
配給 日活
公開 日本の旗 1967年3月11日
上映時間 93分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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アメリカ映画の『カサブランカ』(1942年ハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマン主演)を翻案して、裕次郎と浅丘の主演により映画化した[1][2][3]

本作の公開も終了した頃、本作が『カサブランカ』を模倣して製作されたことを知らないでいた浅丘は、本作の公開後に偶然『カサブランカ』を鑑賞し、そのラストシーンが本作と全くと言っていいほど同じであることに驚愕したといい、「もしカサブランカからの模倣で製作されることを知っていれば、自分にはとてもイングリッド・バーグマンの様な演技は出来ないので、出演しなかった。」と後に語っている[1]

裕次郎が歌う同名の主題歌夜霧よ今夜も有難う」は、本来、前年の1966年に裕次郎が浜口庫之助に依頼し、浜口が過去の裕次郎映画でのヒーロー像をイメージしながら作詞作曲した曲であった(発売は1967年2月、テイチクレコードから)が、映画はこの曲を元にタイミングを合わせて新たに企画されたものである。主題歌もヒットし、裕次郎の代表的なレパートリーとして後年まで歌われている[4]

あらすじ 編集

船乗りの相良徹は船内電話で恋人の北沢秋子にプロポーズし、神戸の教会で式を挙げるため待ち合わせる。だが秋子は交通事故に遭い、行方不明になってしまう。4年後、相良は横浜でマスターとしてナイトクラブを経営しながら密航をあっせんする「逃がし屋」になっていた。ある夜、店に秋子がグエンという男の妻となってあらわれる。グエンはシンガポール経由で祖国への密航を依頼するが、相良は断る。秋子はテロリストに狙われるグエンが祖国に帰れるよう相良に協力を求めるが、相良は秋子の裏切りが許せなかった。

港南組はグエンに20万円の賞金をかけ探し回っていた。港南組は相良を呼びつけ、口を割らせようとするが、相良は組員たちを殴り倒して逃走。ホテルに隠れていたグエンと秋子を連れて教会に逃げ込む。グエンは4年前秋子を車ではね、立場上病院に連れていけなかったこと、秋子は医者の治療は受けたものの子どもが産めない体になったことを打ち明ける。子だくさんを望んでいた相良の願いを叶えられない体になった秋子は、消息を絶ち、グエンと結婚していたのだった。

相良は秋子とグエンを自分の店に匿い、密航できる船を探す。シンガポール行きの船で急病人が出て横浜港に立ち寄ることになった。相良は夜の港へ二人を送り届ける。相良はあとを追ってきた港南組との激しい闘いを征し、二人を守る。秋子とグエンはボートで船に向かう。相良は秋子に送るはずだった真珠の指輪を海に捨て、港をあとにする。

キャスト 編集

スタッフ 編集

楽曲 編集

『夜霧よ今夜も有難う』は1967年に石原裕次郎のシングル曲、また前述映画の主題歌としてテイチクから発売された。後に舟木一夫ちあきなおみ島津ゆたからがカバーしている。

収録曲 「夜霧よ今夜も有難う」 作詞 浜口庫之助、作曲 浜口庫之助、B面 「粋な別れ」 作詞 浜口庫之助、作曲 浜口庫之助

カバー 編集

  • 舟木一夫-1970年にアルバム『ひとりぼっち 第5集 舟木一夫と大都会の夜』(LP、ALS-4537)に収録。
  • ちあきなおみ-1988年にアルバム『夜霧よ今夜も有難う ちあきなおみ 石原裕次郎を唄う』(LP)に収録。

脚注 編集

  1. ^ a b 映画にかけた夢 石原プロモーション58年の軌跡 石原裕次郎・渡哲也 週刊朝日ムック p.125
  2. ^ 夜霧よ今夜も有難う”. 日活. 2022年9月22日閲覧。
  3. ^ 夜霧よ今夜も有難う”. ザテレビジョン. 2022年9月22日閲覧。
  4. ^ デジタル大辞泉プラス「夜霧よ今夜も有難う」の解説”. KOTOBANK. 2022年9月22日閲覧。

外部リンク 編集