最後のニュース」(さいごのニュース)は、日本シンガーソングライターである井上陽水の楽曲。1989年12月21日に、自身の31枚目のシングルとしてフォーライフ・レコードからリリースされた。

最後のニュース
井上陽水シングル
初出アルバム『ハンサムボーイ
B面 BACK SIDE
リリース
規格
ジャンル ニューミュージック
時間
レーベル フォーライフ・レコード
作詞・作曲 井上陽水
チャート最高順位
井上陽水 シングル 年表
夢寝見
(1989年)
最後のニュース
(1989年)
少年時代
1990年
ハンサムボーイ 収録曲
ライバル
(3)
最後のニュース
(4)
ギャラリー
(5)
EANコード
EAN 4988018302667
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表題曲の「最後のニュース」は、同年10月に放送を開始したJNNTBSテレビ)の報道番組筑紫哲也 NEWS23[注釈 1]の初代エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲で、放送開始から1991年5月まで使用された[注釈 2]。2016年公開の映画『だれかの木琴』の主題歌にも起用された。

制作 編集

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陽水が、番組のメインキャスターだった筑紫哲也と親交があった縁で、番組開始前に筑紫からの直談判により、陽水が番組の音楽全般を手がけることとなって実現した[1]。また、筑紫の没後にTBS系で放送された追悼特別番組『筑紫さんが遺したものーガン闘病500日』[注釈 3]ではエンディングに陽水自ら出演して演奏した。

演奏は、アコースティック・ギター弾き語りにコードを奏でるキーボードドラムが加わるのみのシンプルなものとなっている。

音楽性 編集

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曲は3番までの構成となっており、歌詞中には循環コードで地球上の様々な時事問題[注釈 4]を想起させる台詞を多数羅列している。2番の歌詞中に「フロンガス」のフレーズがあるが、近年の陽水はライブやテレビでこの曲を歌唱する際、当該部分を「二酸化炭素[注釈 5]に置き換えている[注釈 6]

「循環コードの比較的単純なバラードに長い台詞を早口で詰め込む」という楽曲スタイルや、フレーズごとの語尾が問いかけ「〜の?」で統一された曲調は、ラジオ番組(『岸谷五朗の東京RADIO CLUB』など)の企画やお笑い芸人ら(カナリアなど)が陽水をまねる際のネタに使用されることもあった。

ディスクジャケット 編集

シングルのジャケットには、ヒンデンブルク号爆発事故の写真が使われ、歌詞中にもその表現がある。

収録曲 編集

8cmCD
全作詞・作曲: 井上陽水
#タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
1.最後のニュース井上陽水井上陽水
2.BACK SIDE井上陽水井上陽水 
合計時間:

メディアでの使用 編集

# 曲名 タイアップ 出典
1 最後のニュース TBS系『筑紫哲也 NEWS23』エンディングテーマ [2]
映画『だれかの木琴』主題歌 [3]

収録アルバム 編集

カバー 編集

  • 奥田民生(2004年、16枚目のシングル「サウンド・オブ・ミュージック」のカップリング曲としてCD初収録。のちに2008年発表のB面ベストアルバム「BETTER SONGS OF THE YEARS」にも収録)
    • 前出のCD発表以前からライブでよく歌唱していた[4]
  • KREVA(2019年、「井上陽水トリビュート」に収録)[5]
  • OAU(2020年、ベストアルバム「Re:New Acoustic Life」に収録)[6]
    • ベストアルバム発売の前年(2019年)に出演したNHK BSプレミアムThe Covers』で演奏したところ反響を呼び、後に自身のYouTubeで特別公開された[7]。アルバム発表にあたって新たにレコーディングされており、こちらでは「フロンガス」の部分が「COVID-19」に変更されている。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 『筑紫哲也 NEWS23』は、当時JNNにおける1日の最後のニュースであった。
  2. ^ 陽水は同番組の初代オープニングテーマも手掛けており、こちらは番組開始から1997年9月まで8年間使用された。
  3. ^ 2008年11月11日午後8時からの2時間番組(「バラエティーニュース キミハ・ブレイク」枠)。終盤にTBS・Nスタジオで披露。
  4. ^ 暗殺人口爆発エネルギー資源問題、捕鯨問題地球温暖化問題、戦争薬物依存症男女同権など。
  5. ^ フロンガス・二酸化炭素ともに温室効果ガスの代表的な物質ではあるが、フロンは1990年代以降、法律等で事実上使用が禁じられており減少傾向にある。
  6. ^ テレビでの歌唱例では前述の筑紫の追悼特番、2009年11月25日放送のNHKSONGS』など。なお、2005年11月4日放送のNHK BS2(当時)『井上陽水 空想ハイウェイ ~ActⅣ Duet インストゥルメンタル~』では原詞の「フロンガス」で歌唱しているため、変更しての歌唱は2006年以後と見られる。

出典 編集

  1. ^ 週刊誌『女性自身』 2008年11月25日号
  2. ^ “井上陽水のベストパフォーマンスがここに! 『GOLDEN BEST』映像版が登場!!”. OKMusic (OKWAVE). (2017年9月13日). https://okmusic.jp/news/207135 2022年6月16日閲覧。 
  3. ^ “常盤貴子×池松壮亮「だれかの木琴」ストーカーに変貌していく主人公捉えた予告公開”. 映画ナタリー (株式会社ナターシャ). (2016年6月9日). https://natalie.mu/eiga/news/190209 2022年6月16日閲覧。 
  4. ^ 奥田民生(RAMEN CURRY MUSIC RECORDS最後のニュース(LIVE DVD『ひとり股旅スペシャル@広島市民球場』) - YouTube 2021年7月24日閲覧。
  5. ^ KREVA 公式ブログ (2019年11月28日). “最後のニュース”. LINE BLOG. 2021年7月24日閲覧。
  6. ^ タワーレコードオンライン (2020年10月12日). “OAU|オールタイムベストアルバム『Re:New Acoustic Life』12月9日発売”. タワーレコード. 2022年2月16日閲覧。
  7. ^ skream! (2019年10月28日). “OAU、NHK"The Covers"でカバーした井上陽水「最後のニュース」をYouTubeで特別公開”. skream!. 2022年2月16日閲覧。

外部リンク 編集