朝鮮中央テレビ

北朝鮮の国営テレビ放送

朝鮮中央テレビ(ちょうせんちゅうおうテレビ、: 조선중앙텔레비죤, : Korean Central Television; KCTV)は、朝鮮民主主義人民共和国国営テレビ放送(放送局)。

朝鮮中央テレビ
조선중앙텔레비죤
Logo of the Korean Central Television.svg
KCTV title.png
運営 朝鮮中央放送委員会
設立 1963年3月3日 (58年前) (1963-03-03)
在籍国 朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国
所在地 平壌直轄市牡丹峰区域戦勝洞
外部リンク elufatv - Twitch
(LINEストリーミング配信)
朝鮮中央テレビジョン
各種表記
チョソングル 조선중앙텔레비죤
漢字 朝鮮中央텔레비죤
発音 チョソンジュンアンテルレビジョン
日本語読み: ちょうせんちゅうおうてれびじょん
RR式 Joseon Jungang Tellebijyon
MR式 Chosŏn Chungang T'ellebijyon
英語表記: Korean Central Television
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テストカード(2019年1月1日)

なお、運営機関の朝鮮中央放送委員会は、朝鮮中央放送ラジオ放送)も実施している。

概要編集

北朝鮮において、執権政党である朝鮮労働党による指導、歴代の金日成金正日、現在の最高指導者である金正恩への個人崇拝による現政治体制主体思想を称賛するプロパガンダの役割と娯楽の役割を担っている。ケーブルテレビでも放送されている。また、外国向けに衛星配信されている。1996年主体思想塔をモチーフしたロゴを導入したが、2012年8月からはロゴのリニューアルを行った。

近年、放送設備の更新や一部番組でのレターボックスによる16:9放送などが行われていたが、2012年地上デジタルの試験放送が開始され、2015年1月10日より従来のアナログの周波数帯での送信を停止し、ハイビジョン放送が可能な帯域での放送に切り替えたため、ハイビジョン放送信号での放送が開始された[1]。しかし実際のハイビジョン番組は僅かで、ハイビジョン制作の番組のほとんどが4:3サイズにダウンコンバートされるか額縁放送となっていた。

2017年12月4日から過去の映像や再放送を除く多くの番組が16:9の高精細度テレビジョン放送となり、実質的に地上デジタル放送に移行、ID映像もリニューアルされた[2]

カラー方式PAL方式。北朝鮮では有線放送が整えられており、国内向け放送のうちテレビについてはケーブルテレビとなっている(VHF 12ch)。このため、北朝鮮以外では視聴することができない。ただし、朝鮮中央テレビについては、人工衛星Chinasat12を用いて衛星放送も行っている(過去にタイの人工衛星Thaicom 5を用いて衛星放送も行っていた)。静止軌道上の東経87.5度に位置し、周波数/偏波はそれぞれ4,180MHz/垂直偏波、シンボルレートは4,167kS/s、FECは3/5である。直径1.8メートルパラボラアンテナを向けて、LNBとFTAチューナーの調整をすれば、隣国の韓国日本などアジア各国でも視聴可能である。NHKなどのキー局も、この衛星放送の映像を受信し、ニュース番組などに利用している。

近年ではインターネットによるストリーミング配信も顕著になっており、2011年6月16日ごろより韓国統一放送の公式サイトにて、2017年にはドワンゴが運営するニコニコ生放送[注 1]にて、それぞれ同一時刻によるリアルタイム配信を開始した。(ニコニコ生放送については2021年3月31日に終了)[3]

当初は、ニュースを読み上げる際の背景はほとんど水色一色であったが、近年は平壌の街並みであることが多い[注 2]。2012年9月8日からはスタジオの雰囲気を一新、「プロンプター」(原稿映写機)と背景に六つの画面をつなげた大型マルチモニターを導入した[4]2019年3月21日に、突如として現代的なグラフィックをふんだんに使った映像やドローンによる空撮など最新の技術を取り入れ、スタジオも刷新した放送が行われた。翌22日からは再び以前のような放送が行われており、現代風の放送は1日限りで終わった[5]とみられたが、後に再開した。

歴史編集

また、一部コーナーや、紹介時の映像がリニューアルされた。

放送内容編集

放送時間は基本的に平壌時間(PYT) 15:00 - 23:00頃[注 3]だが、毎月1日・11日・21日と日曜日は9:00から、祝日は8:00または9:00から放送している。他にも特別な行事がある日[注 4]や特別重大放送等がある場合は、午前から放送されることがある。

一方で12月31日には年またぎの特番を放送するため、放送終了が25:00過ぎとなるのが恒例。また、台風が接近しているなど、北朝鮮国内で大規模な災害発生が想定される場合は終夜体制の報道特別編成が取られたこともある[6][7][8]

北朝鮮当局からの公式発表の多くは、朝鮮中央テレビのほか、朝鮮中央放送朝鮮中央通信労働新聞などから発表される。国家から独立したメディアが存在しない北朝鮮で、駐平壌の外国メディアも取材制限があるため、これらは貴重な情報源となっている。

放送開始前35分間は、現在時刻の入ったテストパターン(モノスコタイプ)を表示しながらBGMを流し、放送開始1分前からは「金日成将軍の歌」(朝鮮の声放送インターバルシグナルと同じもの)を流す。放送開始時には国歌「愛国歌」を流し、「皆さん、こんにちは。本日は○月○日、陰暦では○月○日です。ただいまより中央テレビジョン放送を開始させていただきます。」というアナウンサーの挨拶の後、「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」を流す。その後、その日の番組放送予定を放送する。

放送終了時には明日の番組放送予定を放送した後、「以上で本日の中央テレビジョン放送は終了いたしました。皆さん、さようなら。こちらは平壌です。」というアナウンサーの挨拶の後、第二国歌「輝く祖国」を流し、カラーバーに移行する。

また、北朝鮮におけるテレビドラマ映画なども、朝鮮中央放送委員会が製作し、放送している。殆どが現政治体制および主体思想を称える構成になっており、中には日本統治時代の朝鮮アメリカ軍を描写した反日反米的な内容を構成に組み入れているものもある。『漢拏の木霊』(한나의 메아리「ハルラのこだま」)などがあった。

毎日17:00、20:00から放送のニュースについては、朝鮮総連傘下の総連映画制作所の公式サイト「エルファテレビ」で原則翌日もしくは数日後にアップロードされ、ダウンロードが可能となっている。

番組の内容編集

主に、『反日反米反韓プロパガンダ、宣伝』や、『児童向け放送』、『敬愛する最高領導者金正恩同志の革命活動報道(現地指導)』、『報道』、『その日付の中央新聞の内容朗読』、『朝鮮記録映画』、『朝鮮芸術映画』、『各地の学校、工場に関する番組』土日には、『体操』日曜日には、『各道特派員が送ってきたニュース』などがある。

番組表は韓国統一部のサイトで確認することが出来る[9]

また、日は遅れるが、統一放送(SPTV)でも、番組表を見ることができる。

主な番組編集

報道関連編集

  • 報道(最新ニュース、17:00と20:00)
  • 今日の報道の中から(22時台)
  • 明日の天気
  • 今日号中央新聞概観
  • 各道の特派記者が送ってきたニュース
  • 各地の戦闘場から入ってきたニュース
  • 国際スポーツニュース
  • 金正恩同志現地指導のニュース
  • 弾道ロケット等発射実験のニュース
  • 時事解説
  • 北朝鮮当局の代弁人談話・回答
  • 訃報の報道

朝鮮芸術映画編集

  • 北方の朝焼け
  • 服務の足跡
  • 革命の勝利を確信した人々
  • 生命線
  • 軍・党の秘書達
  • 生涯を捧げます
  • ひとすじの道
  • 総大将
  • 生の権利
  • まっすぐな道
  • 忘れられない思い出
  • 試練をくぐった
  • 時代の戦友
  • 十四番目の冬(二部構成)
  • 貴方は司令官同志の命令をどんな逆境でも勝利して家へ帰れますか
  • 命綱
  • 遭難
  • 火種
  • 軍・党指導員
  • 銃台の姉
  • 対決
  • 農民英雄

朝鮮記録映画編集

  • 絶世の愛国者・金正日将軍
  • 生涯を人民達と共に
  • 我らの父
  • 母なる党の懐で
  • 人民の為の領導の日々に
  • 偉大な同志
  • 偉大な思想・輝く現実
  • 人民のための偉大な領導の日々に
  • 母なる党の品
  • 主体時代を輝かせる絶世の偉人
  • 革命的原則と階級的原則は社会主義の生命である
  • 祖国光復の為に
  • 世界に輝く先軍太陽
  • 偉大な霊将を知る
  • 綴られた尋問資料集を広げて
  • 偉大な転換の1970年代
  • 偉大な先軍領導の道に共にいる
  • 生涯を人民に沿う
  • 親なる将軍様・人民軍将兵たちと共に

科学映画編集

  • 電気を節約できる、電気ボイラー
  • 炭素による化学工業と、人民の生活
  • 健康に良いアミノ酸
  • ステンレスの代わりとなる、ガラス繊維強化樹脂
  • 無動力小塊炭ボイラー

健康編集

  • 幼稚園律動体操
  • 少年律動体操
  • 大衆律動体操
  • 老人律動体操
  • 「健康の常識」シリーズ

児童放送時間編集

児童映画編集

漫画映画編集

  • 青い泉
  • 少年大将 シリーズ
  • 歴史漫画映画 高朱蒙(コ・ジュモン)シリーズ
  • 交通秩序をよく守ろうね シリーズ
  • 高句麗の若い武士達

その他編集

  • 物知り博士 シリーズ
  • 昔話おじいさん シリーズ
  • 偉大なる領導者金正日大元帥様の子供時代のお話
  • 全国児童音楽放送芸術舞台
  • 各地の幼稚園児・学生少年による音楽公演
  • 全国小学校・高級中学校学生のクイズ競演
  • 世界名作童話集 全60巻
  • マンガで見る発明の歴史 シリーズ

音楽・文化・国際編集

音楽編集

  • 新しく出た(形象した)歌
  • 牡丹峰楽団の音楽
  • 啓蒙期歌謡鑑賞時間
  • 革命歌劇音楽放送時間
  • 外国音楽(ロシア音楽・西洋古典音楽)
  • 「勝利者達の力強い進軍歌」シリーズ
  • 「民族の誇り 我らの踊り・我らの歌」シリーズ
  • 人民愛の歌を歌って

劇・舞台編集

  • 待っている父
  • 要請舞台
  • 全国勤労者の歌競演
  • 明朗なテレビジョン舞台

文化編集

  • 民族の正統武道・テコンドー シリーズ
  • 泳ぐ鳥・ペンギン

国際編集

  • 「国際生活」シリーズ
  • 「世界各国の動物たち」シリーズ
  • 海外スポーツ録画実況(毎日16時台に放送)

訪問記編集

  • 兵士の故郷便り シリーズ

現地放送編集

  • 激しく燃える白頭の大地

随筆編集

  • 憤怒

詩・紀行編集

  • 小白水八景を探して

録画実況編集

  • 各年の新年慶祝公演
  • 偉大な領導者金正日同志に永遠に奉仕し、私達の革命の永遠に奉仕し、敬愛する最高指導者金正恩同志に従い、主体の革命偉業をせいこうさせるための、白頭山密営決心大会

特集編集

  • 「生命線」シリーズ
  • 「永遠な命」シリーズ
  • 新年の進軍道に響く信念の歌

連続参観紀編集

  • 太陽民族晩年の財宝~国際贈物館~シリーズ
  • 偉人称賛の宝物庫~国際親善記念館~シリーズ
  • 階級闘争の哲理を刻ませる歴史の告発場~中央階級教養館~シリーズ

各種編集物編集

  • 瞬間と永生
  • 山林回復戦闘に燃える熱い心を抱いて

朝鮮中央放送委員会が運営するその他のテレビ局編集

2016年に放送エリアを平壌周辺から全国放送に切り替え(VHF 5ch)。
旧・朝鮮教育文化テレビ。放送エリアは平壌(VHF 9ch)および開城(VHF 8ch)。
2015年8月15日放送開始。放送時間は土日の19:00~22:00。

朝鮮中央放送委員会が運営するその他のラジオ局編集

国内向け編集

南朝鮮向け編集

海外・対外同胞向け編集

その他が運営するラジオ編集

朝鮮人民軍編集

放送員(アナウンサー)編集

男性編集

  • キム・ギヒョン (김기형) 功勲放送員
  • コ・ミョンソン (고명성) 功勲放送員
  • オ・ボンナム(오복남
  • キム・ソングヮン(김성광
  • ムン・ジニョク(ジンヒョク)(문진혁
  • チェ・ヒョソン(최효성) 2018年4月3日に平壌で行われた南北合同公演でソヒョンと共同司会を務めた。

女性編集

  • リ・チュニ(チュンヒ)(李春姫리춘히) - 金日成賞桂冠人、労力英雄、人民放送員。彼女の「絶叫調」のアナウンスは、日本のテレビの報道番組などでも、しばしば紹介される。
  • チョン・ソンヒ(전성희) - 人民放送員
  • パク・オキ(オクヒ)(박옥희) - 功勲放送員
  • チョン・スヌァ(スンファ)(정순화) - 功勲放送員
  • リ・イニ(インヒ)(리인희)
  • ナム・グムギョン(남금경
  • キム・チュンソン(김충성
  • リ・ホスク(리호숙
  • キム・ソルギョン(김설경
  • チェ・ソンヒ(최성희
  • リ・ウンミ(리은미
  • キム・ウンジョン(김은정

脚注編集

注釈編集

  1. ^ ただし公式なものではなく、あくまでドワンゴによる独自配信である。
  2. ^ ただし街並はライブカメラ映像ではなくパネルでできた写真アナウンサーの後方に設置されているだけである。
  3. ^ 終了時間は一定しておらず、早い日は22:30頃で終了する場合もある。
  4. ^ 金日成の命日である7月8日金正日の命日である12月17日など。

出典編集

関連項目編集

外部リンク編集