松が谷 (台東区)

日本の東京都台東区の町名
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松が谷(まつがや)は、東京都台東区の地名。現行行政地名は松が谷一丁目から松が谷四丁目。住居表示実施済区域。

松が谷
町丁
菊屋橋交差点にあるジャンボコック像。かっぱ橋道具街の入り口として認知されている。
地図北緯35度42分54秒 東経139度47分16秒 / 北緯35.714897度 東経139.787692度 / 35.714897; 139.787692
日本の旗 日本
都道府県 東京都の旗 東京
特別区 台東区
地域 下谷地域浅草地域
人口情報2025年(令和7年)3月1日現在[1]
 人口 9,052 人
 世帯数 5,573 世帯
面積[2]
  0.287082463 km²
人口密度 31531.01 人/km²
郵便番号 111-0036[3]
市外局番 03(東京MA[4]
ナンバープレート 足立
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東京都の旗 ウィキポータル 東京都
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概要

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町内は主に商店とオフィスビル寺院住居が混在した地域となっている。東端のかっぱ橋道具街通り沿いは、食器店や業務用の調理道具などを扱う店が軒を連ね、東隣の西浅草の同通り沿いを含めて、かっぱ橋道具街として知られ多くの人が訪れる。南東端の菊屋橋交差点にある食器店の大型のコックのオブジェはかっぱ橋の入り口のランドマークとして知られる。

松が谷は浅草地域 (旧浅草区)の松が谷1丁目から3丁目南部と下谷地域 (旧下谷区)の松が谷3丁目北部と4丁目で、歴史文化や行政サービスが異なっている。

地理

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台東区の中央部に位置する。東部はかっぱ橋道具街通りに接し、これを境に西浅草に接する。南部は浅草通りに接し、これを境に元浅草に接する。西部は左衛門橋通りに接しこれを境に東上野に接する。北部は、言問通りに接しこれを境に入谷に接する(地名はいずれも台東区)。

歴史

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寛永年間に弓作り名人の備後という弓師が天海と知り合い、弓道の向上という名目で、家光から敷地を拝領の上、大名の寄進を得て、寛永19年に新堀川(かっぱ橋道具街の真ん中を流れていた川)のほとりに、京都の三十三間堂を真似て、三十三間堂と弓の練習場を造った。次第にその門前に人家が建ち並び、それが松葉町の発祥となった。1698年の大火事で三十三間堂が焼失、その跡地に吉原火事で焼け出された遊廓遊女たちが仮店舗を開いた。吉原再建で遊女たちが戻ったあとも、私娼の町として賑わった。また乞胸(大道芸人)の集まる町でもあった[5]。明治2年6月に、浅草坂本町、浅留町、各門前町が合併して浅草松葉町となった[6]。その後も浅草六区の芸人たちが多く住んだ。

旧下谷区と旧浅草区の名残り

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「松が谷」の地名の由来は、浅草北松山町および浅草松葉町の「松」、下谷入谷町の「谷」による合成地名である。 松が谷1丁目から3丁目南部は浅草区の北松山町および松葉町、松が谷3丁目北部と4丁目は下谷区の入谷町の一部で構成されており、台東区成立以前は全く別々の文化を持った街だった。

現在でも行政や学区、神社氏子区域で旧区の名残を色濃く残す街である。 小学校および行政の区分けは旧浅草区の松葉小学校と浅草消防署、浅草税務署。旧下谷区の大正小学校と上野消防署、東京上野税務署で分かれている。 神社の各氏子区域は、旧浅草区の北松山町は鳥越神社の氏子、松葉町は矢先稲荷神社の氏子、旧下谷区の小野照崎神社の氏子に属しているがそれぞれの神社の氏子町会は重複しない。

世帯数と人口

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2025年(令和7年)3月1日現在(台東区発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
松が谷一丁目 792世帯 1,278人
松が谷二丁目 1,547世帯 2,527人
松が谷三丁目 1,487世帯 2,556人
松が谷四丁目 1,747世帯 2,691人
5,573世帯 9,052人

人口の変遷

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国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[7]
6,446
2000年(平成12年)[8]
6,781
2005年(平成17年)[9]
7,137
2010年(平成22年)[10]
7,287
2015年(平成27年)[11]
8,029
2020年(令和2年)[12]
8,867

世帯数の変遷

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国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[7]
2,842
2000年(平成12年)[8]
3,070
2005年(平成17年)[9]
3,434
2010年(平成22年)[10]
3,858
2015年(平成27年)[11]
4,411
2020年(令和2年)[12]
5,098

学区

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区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2023年9月現在)[13]

丁目 番地 小学校 中学校
松が谷一丁目 全域 台東区立松葉小学校 台東区立駒形中学校
松が谷二丁目 全域
松が谷三丁目 1〜9番
17番1〜15号
17番13号
10〜16番
17番6〜12号
18〜23番
台東区立大正小学校
松が谷四丁目 全域

交通

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  • 東京都交通局バス
  • 台東区循環バス「めぐりん」

事業所

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2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[14]

丁目 事業所数 従業員数
松が谷一丁目 143事業所 2,175人
松が谷二丁目 173事業所 836人
松が谷三丁目 159事業所 735人
松が谷四丁目 139事業所 735人
614事業所 4,481人

事業者数の変遷

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経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[15]
624
2021年(令和3年)[14]
614

従業員数の変遷

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経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[15]
4,169
2021年(令和3年)[14]
4,481

主な企業

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施設

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脚注

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  1. ^ a b 令和7年 住民基本台帳による台東区の町名別世帯数及び人口 - 3月1日” (XLS). 台東区 (2025年3月4日). 2025年3月16日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ 『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2025年3月16日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. ^ 松が谷の郵便番号”. 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 『小僧の花かんざし』僧多聞、Mizushobo, 1989
  6. ^ 『江戸・町づくし稿 下』岸井良衞、青蛙房, 2003
  7. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  8. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  9. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  11. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  12. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  13. ^ 区立小学校・中学校の通学区域”. 台東区 (2023年9月21日). 2025年3月18日閲覧。
  14. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  15. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。

参考文献

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  • 犯罪事件研究倶楽部『日本凶悪犯罪大全』文庫ぎんが堂、2011年。

関連項目

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外部リンク

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