水上ダム(みずかみダム)は、長野県松本市信濃川水系水上沢川に建設されたダム。高さ38メートル重力式コンクリートダムで、洪水調節不特定利水上水道を目的とする、長野県営多目的ダムである。ダム湖(人造湖)の名はそよぎ湖(そよぎこ)という[2]

水上ダム
水上ダム
水上ダム
左岸所在地 長野県松本市中川
位置
水上ダムの位置(日本内)
水上ダム
北緯36度21分01秒 東経138度02分23秒 / 北緯36.35028度 東経138.03972度 / 36.35028; 138.03972
河川 信濃川水系水上沢川
ダム湖 そよぎ湖
ダム諸元
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 38 m
堤頂長 171.5 m
堤体積 70,400
流域面積 2.29 km²
湛水面積 2 ha
総貯水容量 276,000 m³
有効貯水容量 195,000 m³
利用目的 洪水調節不特定利水上水道
事業主体 長野県
施工業者 清水建設松本土建
着手年/竣工年 1988年/2000年
出典 [1]
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歴史 編集

松本市北東部の四賀地域(旧・東筑摩郡四賀村)を流れる会田川沿岸では古くから河川水を灌漑用水として利用していたが、この地域は降雨が比較的少ないことから水不足に悩まされていた。渇水に備えて何個かため池を用意していたが、根本的な解決には至っていない状態であった。また、ひとたび大雨が降れば急峻な地形から大水が河川を一気に流れ下り、しばしば洪水による被害をもたらした[3]。会田川では1952年昭和27年)から河川改修を行っていたが、1959年(昭和34年)台風7号1961年(昭和36年)伊勢湾台風など繰り返される災害に対し、地元では抜本的対策を求める声が上がった[4]

長野県は会田川の治水・利水策として支流の水上沢川にダム建設を計画。1987年昭和62年)度より予備調査を始め、1988年(昭和63年)着工、2000年平成12年)に完成した[3]。高水流量16立方メートル毎秒のうち13立方メートル毎秒の洪水調節と、既存の用水路の安定化、河川環境保全、さらに四賀地区の上水道用水として約6300人に1日あたり300立方メートルを供給する。総事業費は125億。補償については4.7ヘクタールの用地を取得したのみで、家屋移転はなかった[4]

ダム湖(人造湖)の名は地元住民アンケートにより「そよぎ湖」に決定した。「そよぎ」は当地に見られる植物ソヨゴのことで、サカキに似て神事に用いられる[2]

 
地図

脚注 編集

  1. ^ 堤体積・貯水容量・流域面積は筑北ダム建設事務所ウェブサイト(アーカイブ)、その他は「ダム便覧」による(2021年3月2日閲覧)。
  2. ^ a b 水上ダム”. ダム便覧. 日本ダム協会. 2021年3月2日閲覧。
  3. ^ a b 水上ダム”. 長野県松本建設事務所. 2007年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月2日閲覧。
  4. ^ a b 水上ダム(会田川)の建設”. ダム便覧. 日本ダム協会. 2021年3月2日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集