大門ダム(だいもんダム)は、山梨県北杜市富士川水系大門川に建設されたダム。高さ65.5メートルの重力式コンクリートダムで、洪水調節不特定利水上水道発電を目的とする、山梨県営多目的ダムである。ダム湖(人造湖)の名は清里湖(きよさとこ)という。

大門ダム
大門ダム
左岸所在地 山梨県北杜市須玉町上津金2449-18
右岸所在地 山梨県北杜市高根町清里3654-7
位置
大門ダムの位置(日本内)
大門ダム
北緯35度52分29秒 東経138度26分03秒 / 北緯35.87472度 東経138.43417度 / 35.87472; 138.43417
河川 富士川水系大門川
ダム湖 清里湖
ダム諸元
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 65.5 m
堤頂長 180.0 m
堤体積 177,000
流域面積 51.7 km²
湛水面積 19.0 ha
総貯水容量 3,600,000 m³
有効貯水容量 2,350,000 m³
利用目的 洪水調節不特定利水
上水道発電
事業主体 山梨県
電気事業者 山梨県
発電所名
(認可出力)
管理用発電所 (230kW)
施工業者 西松建設飛島建設国際建設
着手年/竣工年 1968年/1987年
出典 [1]
備考 総事業費173億円
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歴史 編集

大門川は八ヶ岳に端を発し、清里高原を流下し須玉川へ合流する富士川水系の河川である。河川勾配が急なこともあり大雨によって増水し水害をもたらした。山梨県は大門川や須玉川の治水計画について川幅の拡幅による河川改修を検討したが、すでに沿岸部は宅地開発が進んでいたことからこれを断念し、ダム建設を推進。同時に、リゾート開発が盛んな地域の上水道用水源の確保(峡北地域広域水道用水供給事業)を計画に盛り込んだ。

建設工事は1968年昭和43年)4月に着工。総事業費173億が投じられた事業は1988年昭和63年)3月に完成を迎えた。1998年平成10年)には塩川ダムが完成し、両ダムは連携して北杜市や下流の韮崎市の水害抑止という大役を果たしている。

周辺 編集

大門ダムは清里高原を流れる大門川に建設された。中央自動車道須玉インターチェンジより国道141号清里ラインを清里高原に向かって北上し、道の駅南きよさとを過ぎてしばらく進んだところに大門ダムへと通じる道がある。大門ダムによって誕生したダム湖には八ヶ岳のふもとに広がる清里高原にちなみ、清里湖という名が与えられた。完成当時はちょうど山梨県北巨摩郡須玉町高根町との境にあったが、合併により両町はともに北杜市の一部となっている。

大門ダム建設地点が火山噴出物の堆積した台地であることから特にダム湖右岸側は漏水を抑えるため、約4.2ヘクタールに渡ってアスファルト舗装し遮水工としてある。土木学会はこの工事を評価し、1986年(昭和61年)に山梨県土木部には技術賞が贈られた。その記念碑はダム右岸の公園内に案内板などとともに置かれている。ダム直下には小規模な水力発電設備があり、放流水を利用して発生した電力をダムの機能維持に利用している。

大門ダム完成に併せて整備された上水道は、清里高原とその周辺地域から水不足への不安を解消させた。ただし、地元では上流からの下水の流入による水質汚濁を指摘する声がある[2]

脚注 編集

  1. ^ 左岸所在地、右岸所在地については「大門ダムプロフィール」、発電所名(認可出力)については「大門ダム施設」、その他は「ダム便覧」による(2010年6月19日閲覧)。
  2. ^ 小林恵「大問題ダム」1992年9月。2010年6月19日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集