片品川橋

日本の群馬県昭和村と沼田市の間にかかる橋

片品川橋(かたしながわばし)は、群馬県利根郡昭和村沼田市の間に架かる関越自動車道の橋梁である。

片品川橋
Katashinagawabashi bridge 20191203 (02).jpg
中央部のP4・P5橋脚。この支間の下に片品川が流れる。
基本情報
日本の旗 日本
所在地 群馬県利根郡昭和村 - 沼田市
交差物件 群馬県道251号沼田赤城線片品川群馬県道62号沼田大間々線
用途 高速道路橋
路線名 E17 関越自動車道
管理者 東日本高速道路
設計者 日本構造橋梁・日本建設
施工者 大林組佐田建設(右岸側下部工)[1]
大本組(左岸側下部工)[4]
横河橋梁三菱重工業川田工業共同企業体(上部工)
着工 1981年3月(下部工)[1]
1983年4月(上部工)[2]
竣工 1985年3月[3]
開通 1985年10月[3]
座標 北緯36度38分55秒 東経139度4分40秒 / 北緯36.64861度 東経139.07778度 / 36.64861; 139.07778
構造諸元
形式 鋼3径間連続トラス橋3連[2]
材料 鋼材
全長 1033.85m[2]
21.4m[5](有効幅員 9.0m×2[2]
桁下高 69m(最大橋脚高さ)[6]
最大支間長 168.85m
地図
片品川橋の位置(群馬県内)
片品川橋
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
テンプレートを表示

歴史編集

関越自動車道は、1984年までに順次開通した東京の練馬インターチェンジ(IC)と前橋IC、新潟県の湯沢IC新潟黒埼ICに続き、前橋IC - 湯沢IC間が1985年の開通を目指して建設が進められた。この区間は赤城山麓に端を発するいくつもの利根川支流が刻んだ深い谷を渡る高橋脚の橋が架けられているが、中でも、東京と新潟のほぼ中間の渋川伊香保IC - 沼田IC[注釈 1]片品川を渡る本橋は橋長1000mを越え、8本の橋脚のうち7本が高さ50mを越える、関越道随一の大規模橋梁となった[7]。下部工は1981年3月に着工[1]。上部工は1981年11月に横河橋梁三菱重工業川田工業共同企業体が日本道路公団より受注し、1983年4月に現場工事に着手した[2]

1985年3月に完成、同年10月2日に供用開始[3]トラス橋形式の道路橋としては当時日本最長であった[8]。1985年度に、本橋と同時に供用開始した関越道の高橋脚長大橋梁である沼尾川橋永井川橋とともに土木学会田中賞を受賞[9]。さらに2016年度には本橋の耐震補強工事についても同賞を受賞している。

構造編集

赤城山の北嶺と武尊山の南嶺の間の台地に深い谷を刻む片品川に架かる橋であり、河岸段丘上部から河床までの高低差が100m以上あることから高所を通過することが大きな特徴である[7]

橋脚は矩形中空断面の鉄骨鉄筋コンクリート構造が採用され、鉄骨鉄筋は地上で組み上げることにより極力高所作業を避ける方法が採られた。過去に70m級の高さの硬練りコンクリートのポンプ施工例がなく、建設中の高層ビルでコンクリート圧送の実験が行われた[1]

上部工は3径間のトラス橋3連で構成され、A橋264m、B橋404.35m、C橋365.5mの3工区に分けて施工された。東側を弧にした半径1,000~2,000mの曲線を描き、中央部に向かい左岸側2.7%、右岸側2.27%の下り勾配がある。主構造は9236トンの鋼材が使用された[2]。上下線一体構造で、幅員方向の主構間隔は16m。主構の高さは標準部14mで、8本ある橋脚のうち片品川を挟む中央部2本(P4・P5)はトラスの下部をV字状にデザインし、主構高25mとなっている[10]

耐震補強工事編集

2012年3月から2016年12月にかけて、上部工の耐震補強工事が行われた[5]。1666点の部材のうち853点で許容値を越え、321点で何らかの補強を必要とした。支承の交換にあたり、P2橋脚のジャッキアップ反力は1466トンに達した。それまでの日本国内最大のジャッキは1000トン対応であり、元請けの日立造船では大瀧ジャッキに1500トンジャッキを発注し、P1~P3橋脚およびA2橋台で使用。P6~P8橋脚およびA1橋台では1000トンジャッキを使用して免震支承に交換した。P4・P5橋脚はジャッキ一基当たり6000トンのジャッキアップ反力に対応する必要があり、支承の交換は事実上不可能であった。そのため既設支承の補強や、ブレーキダンパーや変位制限装置の導入の対策が採られた[11]。本橋は土木学会田中賞作品部門を受賞した橋梁であることから、景観性にも配慮された[10]

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 沼田ICから1Kmほど東京寄り。渋川伊香保ICと片品川橋の間の昭和インターチェンジの供用開始は1998年

出典編集

  1. ^ a b c d “大林組百年史” (プレスリリース), 大林組, https://www.obayashi.co.jp/chronicle/100yrs/t3c4s99.html 2019年12月5日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f 片品川橋工事報告 (PDF) 」 『川田技報』第4巻、川田テクノロジーズ、1985年、 149-160頁、2019年10月4日閲覧。
  3. ^ a b c 長大トラス橋の耐震補強設計―関越自動車道片品川橋― (PDF)”. 土木学会. 2019年10月4日閲覧。
  4. ^ 橋梁基礎施工実績”. 大本組. 2019年12月11日閲覧。
  5. ^ a b 鋼トラス橋の耐震補強工事における変位制限装置の問題点と対策について (PDF) 」 『第21回土木施工管理技術論文報告集』第21巻、全国土木施工管理技士会連合会、2017年6月30日、 77-80頁、2019年12月11日閲覧。
  6. ^ “橋梁・鋼構造分野最高峰の土木学会田中賞(作品部門)を受賞” (プレスリリース), 日立造船, (2017年7月6日), https://www.hitachizosen.co.jp/news/2017/07/002667.html 2019年12月5日閲覧。 
  7. ^ a b 田中賞受賞作品”. 日本構造橋梁研究所. 2019年10月4日閲覧。
  8. ^ 片品川橋”. 鋼橋技術研究会. 2019年10月8日閲覧。
  9. ^ 田中賞作品部門受賞一覧”. 土木学会. 2019年10月8日閲覧。
  10. ^ a b 片品川橋の耐震補強 (PDF) 」 『月刊建設』第61巻、全日本建設技術協会、2017年8月、 11頁、2019年12月11日閲覧。
  11. ^ 片品川橋上部工の耐震補強 1500㌧ジャッキで支承交換」『道路構造物ジャーナル』、鋼構造出版、2019年12月11日閲覧。