ゴールドシチー
ゴールドシチーとは日本の競走馬である。1986年に阪神3歳ステークスを制し、同年度の優駿賞最優秀3歳牡馬（当時）に選出された。
| ゴールドシチー | |
|---|---|
| 品種 | サラブレッド |
| 性別 | 牡 |
| 毛色 | 栗毛（尾花栗毛） |
| 白斑 | 四白流星 |
| 生誕 | 1984年4月16日 |
| 死没 | 1990年5月2日 |
| 父 | ヴァイスリーガル |
| 母 | イタリアンシチー |
| 母の父 | テスコボーイ |
| 生国 | 日本（北海道門別町） |
| 生産者 | 田中牧場 |
| 馬主 | （株） 友駿ホースクラブ |
| 調教師 | 清水出美（栗東） |
| 競走成績 | |
| 生涯成績 | 20戦3勝 |
| 獲得賞金 | 1億5770万5400円 |
友駿ホースクラブの所有馬で初のG1勝ち馬。四白流星と尾花栗毛の華麗な馬体が有名である。馬名の「ゴールドシチー」は、父・ヴァイスリーガルと瓜二つの美しい金色のたてがみと尾から付けられたものである。弟に1996年京王杯オータムハンデを勝ったクラウンシチーがいる。英文馬名は「GOLD CITY」（第8回ジャパンカップのゼッケンより）。
馬齢は旧表記で統一する。
現役時代
1986年6月にデビューし3戦目の未勝利戦で初勝利。札幌3歳ステークスを2着した後、初めての芝挑戦となったコスモス賞ではメリーナイスらを退け2勝目をあげ、3ヶ月の休み明けで臨んだ阪神3歳ステークスでサンキンハヤテを頭差抑えて優勝。鞍上の本田優騎手に初のGI勝利をプレゼントし、朝日杯3歳ステークスを勝ったメリーナイスと共に最優秀3歳牡馬のタイトルを受賞した。
1987年初戦のスプリングステークスはマティリアルの6着に沈んだが、皐月賞では11番人気という低評価を覆して2着に入りG1馬としての実力を見せる。しかし2番人気に押された日本ダービーではメリーナイスの4着に敗れ、本田騎手は騎乗を批判され鞍上を降ろされることになる。秋は猿橋重利騎手に乗り替わって神戸新聞杯3着から始動。しかし、次の京都新聞杯でゲートを出た直後に斜行してミリオンキャスパーを転倒させ失格。三冠レース最後の菊花賞では鞍上に河内洋騎手を迎えて好位から競馬を進めるも、6ヶ月ぶり出走の皐月賞馬サクラスターオーに屈し半馬身差の2着。クラシックを無冠で終える。
その後は京都大賞典と産經大阪杯の3着が最高着順と目立った成績を上げられず、1989年6歳の宝塚記念でイナリワンの10着に敗れたことを最後に現役を引退。結局、阪神3歳ステークスが生涯最後の勝利となってしまった。
引退後
血統面の評価が高くなく種牡馬としての需要が無かった為、宮崎競馬場(現・JRA宮崎育成牧場)で乗用馬となる為の調教を受ける事になったが、元からの気性の悪さが仇となり1990年5月1日放牧中に右前上腕部を骨折、翌2日に予後不良と診断され安楽死の処分が取られた。安楽死の直前、牧場スタッフが骨折をしている同馬を発見したが、その際ゴールドシチーは目に大粒の涙をためて必死に痛みをこらえて立っていたという。
エピソード
- 非常に見栄えが良かったために、生産者は「大して走らなかったら、ディズニーランドに乗用馬として寄付しよう」と考えていた。
- クラシックを共に戦った主な馬にサクラスターオー、マティリアルがいるが、ゴールドシチーと同じく事故により若くしてこの世を去り、後にこの世代を支えたのはクラシック未出走のタマモクロスや地方競馬出身のイナリワンであった。このことからこの世代の特にクラシック出走組のことを総括して悲劇の世代と呼ぶことがある。
- よしだみほの漫画『馬なり1ハロン劇場』では、尾花栗毛という派手な容姿から「金髪のヘビメタ野郎」として、現在に至るまで尾花栗毛の活躍馬が現れるたびに漫画に登場している（ただし、しゃべりは宮崎で過ごした経験からか九州なまり）。
血統表
| ゴールドシチーの血統（ノーザンダンサー系） / Nearco4×5×5=12.50% Hyperion5×4=9.38% | （血統表の出典） | |||
父 *ヴァイスリーガル Viceregal 1966 栗毛 カナダ |
父の父 Northern Dancer 1961鹿毛 カナダ |
Nearctic | Nearco | |
| Lady Angela | ||||
| Natalma | Native Dancer | |||
| Almahmoud | ||||
父の母 Victoria Regina 1958栗毛 カナダ |
Menetrier | Fair Copy | ||
| La Melodie | ||||
| Victoriana | Windfields | |||
| Iribelle | ||||
母 イタリアンシチー 1979 鹿毛 北海道様似町 |
*テスコボーイ Tesco Boy 1963 黒鹿毛 イギリス |
Princely Gift | Nasrullah | |
| Blue Gem | ||||
| Suncourt | Hyperion | |||
| Inquisition | ||||
母の母 リンネス 1972鹿毛 |
*フィダルゴ Fidalgo |
Arctic Star | ||
| Miss France | ||||
| ジーゲリン | *カバーラップ二世 | |||
| ヒロイチ F-No.4-m | ||||
父のヴァイスリーガルは全弟にデピュティミニスターを輩出したヴァイスリージェントがおり、自身もカナダで3年連続リーディングサイヤーに輝くほどの良血であったが、日本に輸入された時は既に高齢だった事もあり、本馬以外に一流馬は出せなかった。 4代母は1955年の優駿牝馬を制したヒロイチ。また祖母・リンネスの牝系からはジャパンカップダート・フェブラリーステークス勝ちのエスポワールシチーを出している。