インベーダー (テレビドラマ)

インベーダー』 (The Invaders) は、1967年から1968年までアメリカABCで放送されていたテレビドラマである。全43話。

日本では、1967年から1971年までNETテレビ系列(現:テレビ朝日系列)で放送されていた(再放送を含む)。第2シーズン後半はサンテレビなど地方局のほうが先行している。

概要 編集

建築家デビッド・ビンセントは深夜に車で帰宅する途中、迷い込んだ田舎道で空飛ぶ円盤が着陸するのを目撃した。彼は宇宙からの侵略者(=インベーダー)の存在を知るが、その事実を誰にも信じてもらえない。ビンセントはインベーダーの陰謀を追って全米各地を飛び回る。

他にインベーダーの存在を知る者が現れてもすぐに殺されるなどするため、ビンセントは孤独な戦いを続ける。シリーズ後半で大企業の社長であるエドガー・スコービルという心強い理解者を得るが、それでも彼の戦いに終わりは訪れなかった。

本作は、『逃亡者』と同じクイン・マーチン・プロダクションの制作による。『逃亡者』は妻殺しの汚名を着た無実の死刑囚である医師が真犯人を探しながら孤独な逃亡を続ける物語だが、本作はインベーダーの存在を誰にも信じてもらえない男が孤独な追跡と戦いを続ける話で、『逃亡者』の影響を色濃く受けている。[1]

インベーダーの特徴 編集

人類を滅ぼし、地球を征服する目的でやってきた。劇中では語られなかったが、オープニングのナレーションで「滅び行く星からの侵入者」とある。

地球上では本来の姿では生きられないので地球人の姿になっているが、それでも定期的に透明な円筒状の充電装置に入らないとやはり消滅してしまう。それゆえに外見は地球人と同じだが、手の小指が動かない(例外あり)。また脈拍や心臓の鼓動がなく、傷ついても血が出ない。また「生命の尊さ」という概念や感情を持っておらず、冷徹で人間らしい心がない(これも例外あり)。致命傷を負うと、赤く光り輝いて服や装備もろとも消滅してしまう。酸素は彼らにとって猛毒である。なお、性別はある。

劇中では、最後まで彼らの本当の姿は分からずじまいだった。

キャスト 編集

スタッフ 編集

サブタイトル 編集

原題 邦題 米国放送日 日本初放送日
Beachhead 恐怖の侵入者 1967年1月10日 1967年10月4日
The Mutation 新たな目撃者 1967年1月24日 1967年10月11日
Genesis 戦慄の変身 1967年2月7日 1967年10月18日
The Ivy Curtain 洗脳される宇宙人 1967年3月21日 1967年10月25日
Vikor 人類を裏切る者 1967年2月14日 1967年11月1日
Wall of Crystal 謎の透明物質 1967年5月2日 1967年11月8日
Doomsday Minus One 脅威の核爆弾 1967年2月28日 1967年11月15日
The Betrayed 宇宙船着陸予定地 1967年3月28日 1967年11月22日
The Leeches 誘拐された頭脳 1967年1月31日 1967年11月29日
The Condemned 秘密を知っていた男 1967年5月9日 1967年12月6日
Nightmare 悪夢の二日間 1967年2月21日 1967年12月13日
Quantity: Unknown 恐るべき罠 1967年3月7日 1967年12月20日
The Innocent 偽装の楽園 1967年3月14日 1967年12月27日
Storm 嵐に狂う教会 1967年4月4日 1968年1月3日
Moonshot 狙われた月ロケット 1967年4月18日 1968年1月10日
The Watchers 国防会議への侵入者 1967年9月19日 1968年1月17日
Panic 広がる死の恐怖 1967年4月11日 1968年1月24日
Condition: Red 洩れた極秘作戦 1967年9月5日 1968年1月31日
The Saucer つかの間の勝利 1967年9月12日 1968年2月7日
Valley of the Shadow 失われた24時 1967年9月26日 1968年2月14日
Dark Outpost 砂漠の宇宙人基地 1967年10月24日 1968年2月21日
The Trial 溶鉱炉殺人事件 1967年10月10日 1968年2月28日
The Enemy これが宇宙人だ 1967年10月3日 1968年3月6日
The Spores 無気味な宇宙植物 1967年10月17日 1968年3月13日
The Prophet 人類滅亡への予言者 1967年11月14日 1968年3月20日
The Experiment 死を呼ぶ証拠 1967年1月17日 1968年3月27日
Labyrinth 戦慄のX線フィルム 1967年11月21日 1969年2月21日
Summit Meeting, Part 1 大量暗殺指令 前編 1967年10月31日 1969年2月28日
Summit Meeting, Part 2 大量暗殺指令 後編 1967年11月7日 1969年3月7日
The Captive 捕らわれた侵入者 1967年11月28日 1969年3月14日
The Organization 消えた麻薬 1968年1月30日 1969年3月21日
The Peacemaker 撃墜された爆撃機 1968年2月6日 1969年3月28日
The Vise 宇宙ステーションの危機 1968年2月20日 1970年5月16日
The Miracle 奇跡 1968年2月27日 1970年5月23日
The Life Seekers 地球脱出 1968年3月5日 1970年5月30日
The Pursued 惑星からの逃亡者 1968年3月12日 1970年6月6日
Inquisition 地球最後の日 1968年3月26日 1970年6月13日
The Possessed リモコン大頭脳 1968年1月2日 1970年6月20日
The Believers 宇宙からの催眠光線 1967年12月5日 1970年6月27日
The Ransom 地球征服軍来襲 1967年12月12日 1970年7月4日
Task Force 狙われた情報会社 1967年12月26日 1970年7月11日
Counterattack 円盤撃墜 1968年1月9日 1970年7月18日
The Pit 最後の宇宙秘密計画 1968年1月16日 1970年7月25日

ビデオソフト 編集

1989年に、本作を収録したビデオカセット全4巻(1巻につき2話収録)が発売された。

2016年に、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントから当時の日本語吹替も収録されたDVD-BOX全3巻が発売された。

  • インベーダー 1st Season DVD-BOX (2016年1月27日発売)
  • インベーダー 2nd Season DVD-BOX1 (2016年3月25日発売)
  • インベーダー 2nd Season DVD-BOX2 (2016年5月27日発売)

関連作品 編集

テレビ 編集

いずれも本作の続編となるスペシャル版。

  • インベーダー 1stステージ
  • インベーダー 2ndステージ

書籍 編集

いずれも早川書房ハヤカワ・SF・シリーズ。絶版。

漫画 編集

  • インベーダー - 秋田書店の『まんが王』1968年4月号 - 6月号の付録に掲載された、桑田次郎による漫画化作品。ビンセントが日本で、少年とともにインベーダーに立ち向かう。後にアップルBOXクリエートから発売された『桑田次郎傑作集 37 インベーダー』に収録。

その他 編集

朝日新聞に掲載された遠藤周作の短編『白い風船』は、小学四年生の凡太が主人公の物語だが、放送当時「インベーター」が日本の小学生の間でも人気が高かったことが書かれている。この作品では、同ドラマ日本語版のオープニング・ナレーションも引用されている。ただしその後、小学校の教科書に取り上げられた際、「インベーダー」という言葉は「宇宙人」に変更された。

脚注 編集

  1. ^ 早川書房インベーダーのあとがきに、『逃亡者』のシチュエーションをそっくり戴いて作られていると書かれている。

外部リンク 編集

NETテレビ系列 水曜21:00枠
前番組 番組名 次番組
インベーダー(第1シーズン)
(1967年10月4日 - 1968年3月27日)
日本剣客伝
(1968年4月3日 - 1968年12月25日)
NETテレビ系列 金曜20:00枠
貴方と俺とヘンな奴
(1969年1月3日 - 1969年2月14日)
インベーダー(第2シーズン)
(1969年2月21日 - 1969年3月28日)
ゴールデンクイズにっぽん
(1969年4月4日 - 1969年10月3日)
NETテレビ 土曜16:50枠
ジェリコ 再放送
インベーダー(第2シーズン)
(1970年5月16日 - 1970年7月25日)