ボブ・スポルディング(Bob Spalding、1947年2月10日-)は、アメリカギタリストベーシスト作曲家編曲家で、ザ・ベンチャーズのメンバーである。

ボブ・スポルディング
出生名 Bob Spalding
生誕 (1947-02-10) 1947年2月10日(77歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンバーナーディーノ
ジャンル インストゥルメンタル
インストゥルメンタル・ロック
職業 ギタリスト
ベーシスト
ドラマー
担当楽器 エレクトリックギター
ベース
ドラム
活動期間 1962年 -
共同作業者 メル・テイラー&ザ・ダイナミックス
ザ・ベンチャーズ
著名使用楽器
本文参照

略歴 編集

1947年2月10日、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンバーナーディーノに生まれる。初期のロックンロールに興味を持ち、やがてギターを手にするようになり、1961年には地元のアマチュアバンドで音楽活動を開始する。1962年に、アメリカ軍に在籍していた父親が日本への派遣を命令されたため、一家で日本に滞在することになるが、この時に偶然来日していたザ・ベンチャーズのステージを見るという機会に恵まれ、大きな衝撃を受ける。

同年末に帰国、テキサス州オースティンに居を構え、そこで本格的な音楽活動を開始し、R&Bのバンドでプロとしての活動を始める。1964年には、実兄のペリーと組んだバンド「The Nomads」で、初めてのレコーディングを経験し、地元でローカルヒットを果たすなど成功を果たす。その後は「Sweet Pain」というバンドで活動するがこのバンドは長く続かず、その後はセッション活動に重きを置きながら経験を重ねていく。

音楽活動の中での様々な出会いの中から、ザ・ベンチャーズとのセッションや、アルバム「The Shaft(邦題:「黒いジャガーのテーマ」)」のレコーディングに於いて編曲で参加する。その後はザ・ベンチャーズを脱退したメル・テイラージェリー・マギーなどと結成した「メル・テイラー&ザ・ダイナミックス」にリズムギターとして参加、来日を果たしているが、程なくメル・テイラーがザ・ベンチャーズに復帰、自然消滅的に解散したことから、ジェリー・マギー共々セッションなどの活動に戻る。

メル・テイラー&ザ・ダイナミックス解散後は一時音楽界から離れていたが、1981年のザ・ベンチャーズのツアー中にリードギター担当のノーキー・エドワーズが体調を崩し入院、急遽ピンチヒッターとして白羽の矢が立てられる。大役を見事に果たした彼はそれ以来ベンチャーズの一員として認められ、2004年以来健康上の問題から来日が難しくなり、ツアーから引退したボブ・ボーグルの代役として、ザ・ベンチャーズのツアーやレコーディングに参加。

2009年にボブ・ボーグルが他界して以来、ベンチャーズの正式メンバー、ベーシストとして活躍している。ギターだけでなくベースドラムを演奏できるマルチプレイヤーでもあり、作曲や編曲に於いても重要な役割を果たし、「5人目のベンチャーズ」として30年余りの長きに渡りバンドに貢献し続けている。

2015年度のベンチャーズの日本ツアーをもってドン・ウィルソンがツアーから引退し、それを受けてリズムギターの後任としてリズムギターにパートチェンジし、空席となったベーシストの座に彼の息子であるイアン・スポルディングが加入する事が同年7月より開始した日本ツアーで正式発表された。その後、ジェリー・マギー2017年度の日本ツアーをもってツアーから引退することを表明し、翌年のツアーよりジ新たにジェリーの後任としてリードギターを担当することが発表された。これにより息子のイアン・スポルディングがリズムギターに変わり、空席となったベーシストにはアメリカでサポートメンバーとして活動していたルーク・グリフィンが正式メンバーとして担当することになった。

ソロアルバム 編集

  • The 5Th Venture
  • Transition

使用機材 編集

エピソード 編集

  • 2005年M&Iカンパニーからリリースされた彼のソロアルバム「The 5th Venture」は、元々1990年代初頭にレコーディングされたもので、ザ・ベンチャーズのメンバーも演奏や作曲、編曲に深く関与している。当初は「The World Is Curious Place」というタイトルで、ヨーロッパカセットテープによるリリースであったが、後にアメリカ本国でリリースされ、日本では2005年にボブ・スポルディングのザ・ベンチャーズ加入記念盤として、彼の異名から取られた「The 5th Venture」に改題されてリリースされている。同作品に収録された自身の作曲した曲である「Blue Dawn」は、現在もザ・ベンチャーズのステージで披露される。

ライヴやレコーディングでは一部の楽曲でリードギターを演奏する。ボブ・ボーグルが生前レパートリーとしていたウォーク・ドント・ランを含むメドレー演奏においては、ボブ・ボーグルと同じくトレモロアームを握った状態でピッキングし、ボーグル流を継承している。