石井 歓(いしい かん、1921年大正10年)3月30日[1][2] - 2009年平成21年)11月24日[1])は、日本作曲家東京市下谷区(現:東京都台東区)出身[2]

石井 歓
生誕 (1921-03-30) 1921年3月30日
出身地 日本の旗 日本東京都
死没 (2009-11-24) 2009年11月24日(88歳没)
ジャンル クラシック音楽
職業 作曲家

同じく作曲家である石井眞木は弟、石井五郎は叔父に当たる[2]。父は舞踊家の石井漠[2]

略歴

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成城学園小学部から旧制の成城高等学校尋常科に進むが、成城事件で父の友人の小原國芳が排斥されたため、玉川学園中等部に転じる[2]。作曲を呉泰次郎[3][2]について約3年間学んだ。武蔵野音楽大学本科ピアノ科を卒業後、池内友次郎に師事[4]太平洋戦争中は海軍予備学生として海軍入隊後、約2年間勤務。1947年(昭和22年)から尾高尚忠に指揮法を師事。1952年(昭和27年)、西ドイツに留学し、ミュンヘン国立音楽大学作曲科・指揮科を修了[4]。その際、カール・オルフに師事して強い影響を受ける[4]

1954年(昭和29年)に帰国後、1955年(昭和29年0年)に創設されたばかりの桐朋学園大学で作曲科主任教授他を務め[4]、その後、愛知県立芸術大学音楽学部教授・学部長など各地の学校で要職を務め、指揮者としても活躍した。

合唱界にも長く関わり、全日本合唱連盟東京支部理事長、および同連盟理事長(第5代)を歴任。同連盟主催のおかあさんコーラスの産みの親でもある。

映画音楽はあまり多く手掛けていないが、主演6代目市川染五郎・監督稲垣浩の作品を4本担当した[5]

1979年(昭和54年)ニムラ舞踊賞受賞。 1981年、中日文化賞受賞[6]。1984年、紫綬褒章受章。

1989年、秋田県県民栄誉章受章[7]

2009年11月24日、肺炎のため死去。88歳没[8]

代表作

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()内の人物は特記がない限り、作詩者。

管弦楽曲

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  • 前奏曲(1949年)
    第18回音楽コンクールの管弦楽部門において第1位受賞。
  • 交響詩「山」(1954年)
  • シンフォニア・アイヌ(1958年 - 1959年)
    3楽章。3管編成のオーケストラにソプラノ独唱と合唱を伴う。

吹奏楽曲

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室内楽・器楽曲

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  • ヴィオラ・ソナタ(1962年)
  • 八人の奏者による打楽器のための音楽(1970年)
  • フルートのための音楽(1972年)
  • こどものためのピアノ曲集「音のメルヘン」(1979年)
  • こどものためのピアノ曲集「ピアノとおはなし」(1985年)

独唱曲

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  • 海四章(1953年/三好達治
  • 草に寝て(1959年/立原道造
  • ヴォーカリーズのための音楽
  • 中原中也の詩による三題
  • 日本の歌(一部、男声合唱を含む)

合唱曲

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  • 混声合唱組曲「白い季節の歌」(1950年/小柳透
  • 男声合唱組曲「枯木と太陽の歌」(1955年/中田浩一郎
  • 混声合唱組曲「三つの山の詩」(1957年/中田浩一郎)
  • 青い葦とりんどうの話(1959年/中田浩一郎)
  • 混声合唱組曲「たそがれ」(1964年/深尾須磨子
  • 男声合唱組曲「男の子が生まれて」(1964年/武川寛海
  • 男声合唱組曲「五つの学生の歌」(1965年/武川寛海)
  • 女声のための三つの寓話(1967年/関根弘
  • 混声合唱「風紋」(1970年/岩谷時子
  • ソプラノと男声合唱のためのカンタータ「あすへの足音」(1972年/中村千栄子
  • 少年少女合唱曲集「春といっしょに」(1973年)
  • 混声合唱のためのバラード「杉の木のうた」(1976年/中村千栄子)
  • 混声合唱組曲「明日香の風」(1977年/中村千栄子)
  • 独唱、合唱と管弦楽のためのカンタータ「良寛貞心」(1980年/中村千栄子)
  • 女声合唱組曲「少女のいる画集」(1981年/中村千栄子)
  • オーケストラと合唱による「日向の讃歌」(1981年/中村千栄子)
  • 混声(男声)合唱組曲「花之伝言」(混声版1981年、男声版1983年/中村千栄子)
  • 日本民謡による三つの男声合唱曲
  • 混声(男声)合唱組曲「石橋の町」(混声版1998年、男声版1999年/佐々木均太郎

合唱とブラスのための楽曲

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  • 大いなる秋田[9]

歌劇

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  • 役の行者(1964年/坪内逍遙原作)
  • 袈裟と盛遠(1968年/山内康雄台本)
  • 女はすてき(1978年/山内康雄台本)
  • カントミ(1981年/中田浩一郎台本)

バレエ音楽

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  • 潮鳴り(1943年)- 文部大臣賞を受賞
  • 神とバヤデーレ(1950年)
  • 令嬢ジュリー(1954年) - 芸術祭奨励賞を受賞
  • 人間誕生(1954年)
  • バレエ組曲「まりも」(1962年)
  • ビルマの竪琴(1963年)- 芸術祭奨励賞を受賞
  • 破戒(1965年)- 芸術祭奨励賞を受賞

映画音楽

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大学校歌

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その他

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著書

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  • 舞踊詩人石井漠(未來社)
  • 教育出版発行の音楽教科書(小・中・高)の監修を担当していた。

脚注

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  1. ^ a b c 野村宏平、冬門稔弐「3月30日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、91頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  2. ^ a b c d e f 小林淳 2022, p. 173, 「第五章 空想特撮映画の百花繚乱の姿を包む響動 [1962、1963] 一『妖星ゴラス』」
  3. ^ 石井歓”. www.chopin.co.jp. www.chopin.co.jp. 2023年2月8日閲覧。
  4. ^ a b c d 小林淳 2022, p. 174, 「第五章 空想特撮映画の百花繚乱の姿を包む響動 [1962、1963] 一『妖星ゴラス』」
  5. ^ 小林淳 2022, pp. 208–211, 「第六章 奇想天外映画に華美な光彩を加える音場 [1964、1965] 一『士魂魔道 大竜巻』」
  6. ^ 中日文化賞 受賞者一覧”. 中日新聞. 2022年5月23日閲覧。
  7. ^ 「秋田県県民栄誉章」の概要(これまでに顕彰された方々)”. 美の国あきたネット. 秋田県. 2022年7月11日閲覧。
  8. ^ 作曲家・元全日本合唱連盟理事長の石井歓さん死去」『朝日新聞』2009年12月3日。オリジナルの2009年12月4日時点におけるアーカイブ。2022年5月23日閲覧。
  9. ^ 合唱とブラスのための楽曲「大いなる秋田」”. www.cafua.com. www.cafua.com. 2023年2月8日閲覧。

参考文献

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  • 小林淳『東宝空想特撮映画 轟く 1954-1984』アルファベータブックス〈叢書・20世紀の芸術と文学〉、2022年5月14日。ISBN 978-4-86598-094-3 

外部リンク

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