調教
概要 編集
一般的には、サーカス等において、猛獣や動物でショーを行う際に行われる動物への調教を指す。主に、人に馴れさせることや、人間の命令を聞くようにするために行われる。調教を行う人間を調教師と呼ぶ。
家畜の一部にも行われることがあり、ウマ(競馬や馬術)、ドッグショーのイヌなどで行われている。ペットの犬が言うことを聞かない場合などに、専門の調教(しつけ)を行うことがある。
牛が45センチ四方の碁盤に乗る高等調教もある。人に従順に育てるための高度な調教技術の一つで、大正時代から伝わるとされる。[要出典]
調教の過程で、動物の意思に反することが行われたり、鞭打ち等の体罰が加えられる場合がある[1]。イルカやシャチに関しては、芸を自ら楽しんで行うため、体罰を与える事はなく、褒美の餌の量や与え方で調教を行う[2]。また、イルカショーはイルカの飼育環境内での単調になる生活に逆に刺激を与える効果があり、むしろ動物福祉でいうところのエンリッチメントであるという見解もある[2]。
近年は動物福祉の向上を狙って、飼育動物にハズバンダリートレーニング(受診動作訓練)を行い、獣医学的ケアに役立てている[3]。
人間に対して 編集
もともと動物向けの言葉なので、人間に用いる場合は侮蔑的な揶揄を含んだ言葉になる。そのため調教という用語を用いずに、トレーニング、訓練という言葉を用いることが殆んどである。
SMにおける調教 編集
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SMの世界では、前述の侮蔑的な意味を踏まえて人間に対し調教を行う。これは世間の一般常識に慣らされてしまっている相手に対し、SM的手法による性的快楽を促すためのものである。
具体的には、羞恥心は誰もが持っているものであるが、その羞恥心によって性の喜びを享受しきれない場合もある。例を挙げるなら、「緊縛されたり、鞭打たれたり、浣腸されたりすることで快感を覚えることが変態性欲であり、それが異常だと思っている」相手を、「緊縛や鞭打ち、浣腸(その結果の、他人の眼前での排泄なども含む)という行為で快感を覚える、現実の自分自身を恥じないようにする」、そんな一種の教育をSM世界での「調教」と呼ぶ。
またあるいは、被虐者が責め手のきびしく淫猥な責めプレイなどに耐えかねて、「その羞恥や苦痛、恥辱から脱したい、もしくは周囲の人間に救いを求めたい」、などと思いかけた際に、「その思いを上まわる快楽やSMプレイへの欲求を、被虐者の心身に修得させ、改めてSMの世界に引きずり込む」ことも、同様の「調教」といえる。
ただし、あくまでSMプレイの範疇であり、精神的に追いつめると、意図しない結果を招くこともある。一般的に肉体的精神的苦痛を受けた人間は、苦痛を与える人間に従順になり、ある程度の命令に従うようになる。その傾向が強くなると、暴力ですら好意的にとらえ、相手に依存感情を持つ場合すらある。これはSMとは関係ない人間の適応機制の一種であり、防衛反応の一種である。
脚注 編集
関連項目 編集
- ハズバンダリートレーニング - 健康管理のため飼育動物に行う訓練。
- BDSM