お守り
日本の神社や寺院で配布されるお守り
(護符から転送)
お守り(おまもり、御守り、御守)とは、厄除け(魔除け)、招福(開運、幸運)、加護などの人の願いを象った物品(縁起物)である。護符、御符[1]とも呼ばれる。外来語で言うとアミュレット、タリスマン、チャームなど。
各種お守り(四国第二十三番札所 薬王寺 (徳島県美波町))
日本の神社や寺院で配布されるお守りやお札は鎌倉時代から存在するが、これらは道教の符録を日本化して利用したのが始まりである[2]。
護符の種類・形状編集
お守り 授与所(善光寺)
さまざまな形態の護符がある。
動植物編集
動植物になんらかの超常的な力を見出してお守りとする。
- スカラベ(フンコロガシ) - エジプトで太陽神ケプリになぞらえられたアーティファクト。
- 動物の骨や歯、爪。
- ウサギの足 - イギリス、アメリカで1940年代から1960年代にかけて流行した。
- クローバー - 四葉のクローバー・シャムロック
- 各種の香辛料・ハーブ - 香気や薬効から各地で邪悪なものをはらうと信じられた。
- 馬の蹄鉄 - 欧米では魔除け、幸運のチャーム。掛ける向きによって変わる。
- 柊鰯 - イワシの頭とヒイラギの葉の組み合わせ。日本における鬼除け。
- ヘラクレスクラブ - 英雄ヘラクレスのこん棒を模したお守り。ローマ人の間で流行したものだが、ゲルマン人側ではドナー(トール)のこん棒というお守りがある。
宝石(パワーストーン)・金属編集
神、宗教者編集
神や宗教者を像として形作ったり、図画にして用いる。
- 仏像
- プラクルアン タイのお守り
- 神像
- ロザリオ(クルス、十字架)
- 聖遺物
お札編集
ご利益のある文言や図画を書き記した札を持つ。
コイン編集
コイン、もしくはコインの形状のものをお守りとみなす。
アクセサリー編集
- 指輪 -魔除けの指輪など
- ピアス -耳から悪霊が入るのを防ぐ護符とされた
- ネックレス -呪術や豊作祈願等でも身につけられた
- ブレスレット -身につけるタイプのお守りとして、現代でも使われている 神むすび等
多数を作る編集
手間暇かけて多くの人の手を経る、あるいは多くの数をそろえる。
- 千人針 - 太平洋戦争中、出征する兵士に贈られた。白い布に女性が1針ずつ玉結び(玉止め。弾と掛けた願掛け)を縫い付けたもので、腹巻とした。また、縁起をかつぐために銭貨や虎の模様を縫い付けることもあった。
- 千羽鶴 - 折り紙を用いて神聖な鶴の形を作り、それを千個作ることでなんらかの願掛けとする。折鶴自体は古くからあり、当初は必ずしも千個ではなかった(千は日本において「とても多い」の漠然とした意味)。
特殊に作る編集
お守りとしての目的でつくる物品のうち、もともとが実用品ではないもの。
物、言い伝え編集
民間伝承や土着文化のうち具現化されたもの。
- ケサランパサラン - 謎の生物とされる物体である。
- ココペリ (Kokopelli) - アメリカ・インディアン、ホピ族のカチナ(神・精霊)の1柱。豊穣の神(男神)。ココピラウとも。
- 招き猫
- 瓢箪
- 赤冨士
- ビリケン
- シーサー
- 七福神
- 鶴亀
部活/スポーツの仲間とお揃いで作る[4]編集
近年はInstagramの発展もあり多くの手作りお守りが中高生の間で流行っている。フェルトで自由にデザイン、レジンでユニフォーム型お守り、ミサンガをビーズでよりおしゃれに、プラ板でキャラクターを描いたお守りが一般的。その際によく使用されている言葉は、漢字1文字~4文字が一般的。
【1文字】勝、絆、夢、進、笑 【2文字】必勝、上昇、信頼、仲間、入魂、全力、勝利、挑戦 【4文字】一致団結、七転八起、獅子奮迅、前程万里、獅子搏兎、百折不撓
言葉遊び編集
脚注編集
- ^ 護符・御符(『大辞林』第三版 - コトバンク)
- ^ 下出積与「道教と日本人 」講談社現代新書1975年,p187-191
- ^ 『神道大辞典 第一巻』p286
- ^ “部活の仲間とお揃い!フェルトやレジンで手作りお守り♡”. 初心者女子のためのスポーツメディア♡ | spoitスポイト. 2021年5月21日閲覧。