超巨星[1](ちょうきょせい、supergiant[1])は、太陽よりはるかに大きく明るい恒星のこと。明るさは青色超巨星の場合は太陽の1万倍(全エネルギー放射で太陽の10万倍)以上、赤色超巨星の場合は太陽の数千倍(同3万倍)以上ある。また、直径は青色超巨星で太陽の数十倍以上、赤色超巨星では太陽の数百倍以上はある。最も巨大な恒星は、最近までおおいぬ座VY星と言われていた。 2012年の時点で直径がそれなりの精度でわかっている中では、太陽の1650倍ほどであるはくちょう座V1489星が最も大きな恒星となっている。

青色超巨星 編集

スペクトル型がO型 - B型の青ないし青白く輝く超巨星。青色巨星のうち特に光度・直径の大きいものと考えられる。その中で光度が太陽の数十万倍 - 100万倍以上で、直径が太陽の100倍以上あるものを高光度青色変光星LBV (Luminous Blue Variable) と呼ぶ。LBVはかじき座S型変光星とも言う。

LBVの例 編集

 
青色超巨星の1つ、リゲルの想像図

その他の青色超巨星の例 編集

白色超巨星 編集

スペクトル型がA型の白く輝く超巨星。

白色超巨星の例 編集

黄色超巨星 編集

スペクトル型がF型 - G型の薄黄色ないし黄色く輝く超巨星。狭義のケフェイド変光星、すなわちDCEP型は全て黄色超巨星であり、DCEP型とともにCEP型(普通ケフェイドといえばこの型を指す)を構成するCW型変光星も明るいものは黄色超巨星である。

黄色超巨星の例 編集

赤色超巨星 編集

 
現在知られている恒星の中で最大級の星の一つ、赤色超巨星のおおいぬ座VY星太陽との大きさの比較

スペクトル型がK型 - M型及びC型(R型 - N型)のオレンジ色ないし赤く輝く超巨星。赤色巨星のうち特に光度・直径の大きいものと考えられる。殆どの赤色超巨星は脈動変光星として観測され、そのうち規則性のあるものはSRC型に、規則性がないものはLC型に分類される。

SRC型の変光を示す赤色超巨星の例 編集

LC型の変光を示す赤色超巨星の例 編集

出典 編集

  1. ^ a b 『シリーズ現代の天文学別巻 天文学辞典』(第I版第I刷)日本評論社、263頁頁。ISBN 978-4535607385 

関連項目 編集